2016年8月1日月曜日

7月に読んだ本はこの2冊 ・ (1)誰も知らない「老老地獄」を回避する方法  山崎 宏 ごま書房新社 (2)「当確師」 真山 仁 中央公論新社 


熱い夏はつい怠け心が出て楽な過ごし方をしたくなるものです。それを引き締めるためには読書が効果的です。読書は気合入れないとできないからです。 

とは言え、硬い内容の本では暑さに負けて途中で投げ出すかもしれません。

そうならないために、テーマに魅力があるものを選びました。その点ではこの2冊はタイトルだけ見ても合格点が与えられます。


(1)老老地獄

「老老介護」の背景

老老地獄とは、まるで地獄のような老老介護の実態を言い表したものです。

私たちは高齢社会がピークを迎えつつある今の世の中で日常的に起こっている老老介護の悲劇的な結末を目の当たりにて暮らしています。

老老介護の悲劇は、殺人、心中、自殺など、人々の悲惨な死が絡むものばかりです。

筆者は社会福祉士として、この現実を正面からみつめて、何とか回避する方法はないかと、問題と真摯に対峙しています。

超高齢化が続く今の日本で、老老介護はもはや人ごとではなく、誰にでも避けられない切実な問題です。


この本の内容

介護はある日突然やってくる!「在宅介護」限界にいる人は7割、介護に疲れ果て心中を考えたも2割強という悲惨な現実。あなたならどうしかすか!?

老齢化が進む社会でどこの家庭でも起こりうる問題とその対処法を、医療・福祉に精通する介護福祉士の著者がアドバイス。

書を読んで老老地獄を回避せよ


もくじ

シニアよ、ダマされるな(目覚めよ!国に期待するなかれ;たとえば死に場所の問題 ほか)

シニアよ、当てにするな(老後の問題が厄介な本当の理由;シニアよ、謙虚たれ ほか)

シニアよ、自律せよ(人生100年時代の老後戦略;確保したい老い先案内人 ほか)

エピソードファイル(実話)(同居する義母の弄便を始末する日々;もの盗られ妄想の母に疑われる日々 ほか)

シニアへのメッセージ(「後の祭り」にならないためにすべきこと;「在宅介護」も潮時を考えよう ほか)

著者紹介:山崎宏

社会福祉士。NPO二十四の瞳理事長。1961年、東京都出身。慶大卒後、外資系コンピューター会社、コンサルティングファーム、医療系メディア、複数の病医院を経て現職。シニア世帯向け24時間365日対応の電話相談サービス「お困りごとホットライン」主宰

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(2)当確師

「当確師」のスト-リ-

当確師というタイトルを見て、たいていの人は選挙がテ-マの小説であることは気付くのではでないでしょうか。

でも当確師という職業が実際にあるわけではなく、請け負った選挙での候補者の当確率が99%ということから

作者が主人公である聖 達磨(ひじりたつま)をプロの選挙請負人として当確師と呼んでいるのです。

一般的には選挙参謀とか選挙コンサルタントと言われる人のことで、この作品では候補者を当選させるために裏で暗躍する敏腕請負人すなわち当確師である主人公の姿を赤裸々に描いています。

今回主人公が請け負ったは、東日本大震災級の大災害に備えた「首都機能補完都市に指定された政令指定都市・高天(たかあま)市の市長選挙であり

再選が鉄板と言われる現職市長を打倒するというミッションを受けています

これだけ予備知識があると、読む前からハラハラドキドキもので、読者の気持ちはいやが上にも掻き立てられます。

作者は語る

日本が民主義国家である以上、政治の変化を求めるなら、選挙で勝つしかないのです。


ただ、これだけの政治的盛り上がりがあっても、選挙は今一つ関心がないという方が多い。


しかし皆さんそれは選挙の面白さ、怖さを知らないからです。


ある人は言いました。「選挙とは、武器を使わない戦争であり、こんな面白い闘いはない」と。

そして、選挙における権謀術数は、戦国時代の武将たちの闘いを凌駕するまさにバトルロワイアルなのです。しかも、合法的な。


『当確師』で、知っているつもりの選挙の裏側を覗いてみて下さい。


著者紹介:真山 仁

1962年大阪府生まれ、同志社大学法学部卒業、新聞記者、フリーライターを経て2004年に企業買収の舞台裏を描いた「ハゲタカ」でデビュー、NHK土曜ドラマで大きな話題を呼んだ。



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