GEMINI
(part 2)
Aさんはなぜ親しくもなかった私に頼み事をするため職場までやってきたのだろうか
このシリーズPart 1では、Aさんが私の職場を訪れてきた目的は生命保険の勧誘であったこと。それに対して、私はよく検討もせず、安易に承諾し契約を結んでしまったことを後で深く後悔したところまで書きました。
その続編として、このPart 2`は始まるのですが、まず書きたいのは、そもそもAさんはどんなプロセスを経て私を訪問することを決めたのかということです。この点がとてもミステリアスで私にはよくわからないのです。
というのもAさんと私はRホテルの親会社である株式会社Sホテルに同期入社した間柄というだけで、別に親しくお付き合いしたこともありません。いうなれば出会ったときに挨拶を交わす程度のうすい関係の間柄でしかないのです。
それに私は親会社を離れて傘下のチェーンであるRホテルへ移動し、さらにその後ホテルPへ転身したのです。その間7年間Aさんには全く会っていません。
それ故にAさんの存在は忘れかけていたのです。これはAさんにしても同じことで、7年も会っていない私のことなど、とっくに忘れて去っていていいはずです。
そうした状況で、Aさんが突然私を訪問してきたことが解せないのです。それに合わせて気になったのは次のタイトルにある点です。
7年以上会っていないのに何故Aさんは私の新しい職場がわかったのだろうか
上に書いたようにǍさんには7年以上会っておらず、その存在すら忘れかけていましたのです。それ故に突然訪問を受けた時の驚きが大きかったのです。
驚きだけではありません。不思議なのはなぜAさんが私の新しい勤務先を知っていたのだろうかということです。
系列のRホテルへの転籍については、社内ニュースなどで知り得た可能性がありますが、その後のホテルPへの転身は部外者は知り得ないことなのです。
なのにAさんは私の新しい勤務先を知っていたのです。いったいなぜなのか、この点がまったく解らないのです。
Aさんはこれまでどんな人生をたどってきたのだろうか
親しくもない私に保険の勧誘にきたAさんについて私はいろいろ考えたのですが、結論から言えることは、彼女は決して幸せな人生を歩んできていないのでは、ということです。
周りの誰もがうらやむほど、抜群の美貌を持つ彼女なら男性にも持てたはずです。
それ故に経済力のある男性に恵まれ、幸せな結婚生活を送っていても不思議はないはずです。
でも実際の彼女は、若い女性にとって決して良い職業とは言えない(当時は)、保険のセールスという厳しい世界に身を投じていたのです。
私には「これには何か深い事情があるに違いない」と思えて仕方がないのです。
ひょっとして悪い男に騙されて不幸な人生を送っているのかも
特別親しくもなく、もう何年も会っていないAさんが、突然私を訪ねてきて、しかもその目的が保険の勧誘だったということに対して、私はどうしても納得できないどころか、こうしたストーリー展開に対して、何か陰謀めいたものさえ感じてきたのです。
それもそうでしょう。単なる顔見知りであいさつ程度しか交わさない相手で、しかも何年も会っておらず、消息さえ掴みにくい相手を探し出し、保険の勧誘に出かける。このようなことは、普通に考えて世間一般ではあり得ないことだからです。
陰謀めいたものを感じるというのは、この計画が彼女自身が考えてものではなく、誰かにそそのかされてのことなのではないか。と思えるからなのです。
その誰かとは、彼女が交際している男なのではないか。その男はかつて私と職場が同じで、私とは親しい関係にあって、私のことをよく知っている人物なのかもしれない。
それ故に私の消息もよく掴んでおり、当然その後の私の職場についても知っていたのだろう。それを交際相手のAさんに教え、保険の勧誘を指示したのかもしれない。
そうだ、Aさんの行動は交際している男にそそのかされてのことなのではないだろうか。こう考えると、不思議に思えたAさんの行動も納得できるではないか。
長い人生では理解に苦しむような出来事の遭遇することもある
私の古い知り合いで悪い男。と考えると、2~3人の姿が頭に浮かんできて、この中の誰かだろうか、と思ったりしました。
でも私は、この件に関してこれ以上考えるのは止めることにしました。
いくら考えてもキリがなく、憶測を生むだけで決して明快な結論には達し得ないと考えたからです。
長い人生には、時として、まったく理解に苦しむようなことに遭遇することがあるものです。
こう考えて、ここまでで、この話を終りにすることにしました。