2026年2月28日土曜日

10年経っても色あせないブログという名の「資産」を創るには・NotebookLM 記事分析シリーズ No.3

 

ブログ運営で最も重要な〈エバーグリーンコンテンツ〉の本質とは? 


1. 導入:情報は「消費」されるものではなく「蓄積」されるべきもの


「渾身の力を込めて書いた記事が、わずか数日後には新しい情報に埋もれて消えてしまう」——。これは、多くのブログ運営者や企業のオウンドメディア担当者が直面する深刻な悩みです。


私たちが日常生活で使用する冷蔵庫や洗濯機といった電気製品を思い浮かべてみてください。これらは決して安価な買い物ではないため、誰もが「できるだけ長く使い続けたい、長持ちしてほしい」と願うものです。デジタルコンテンツも、本来はこれと同じであるべきではないでしょうか。


多大なリソースを投じて制作した記事が、一過性の流行とともに「使い捨て」にされてしまうのは、ビジネスの観点からも極めて非効率です。


長期にわたって価値を保ち続け、サイトの成長を支える柱となるもの。それこそが「エバーグリーンコンテンツ」です。本記事では、10年後も輝きを失わない「資産型」コンテンツの本質と、その戦略的な構築方法について詳しく解説します。


2. 【衝撃の事実】「バズ」は一瞬、「資産」は一生


ウェブコンテンツの性質は、大きく「フロー型」と「ストック型」の2つに大別されます。

SNSなどで一時的に爆発的なアクセスを集める「バズコンテンツ」はフロー型であり、その熱狂は短期間で収束します。


対照的に、エバーグリーンコンテンツは「ストック型」と呼ばれ、公開から時間が経過しても検索流入を中心に安定した集客効果を発揮し続けます。


Googleの「Search Labs | AI による概要」では、エバーグリーンコンテンツを以下のように定義しています。


エバーグリーンコンテンツとは、長期間にわたって価値が失われないコンテンツを指します。検索エンジンで上位に表示されやすく、企業のホームページに訪問者を長期間集客する効果があります。


戦略的な視点に立てば、一時的なアクセスの急増よりも、右肩上がりに積み上がる安定した流入の方が、サイトの健全な成長と高いROI(投資利益率)に寄与することは明白です。積み重ねた記事が24時間365日、絶えず見込み客を呼び込み続ける「稼働資産」へと昇華したとき、サイトは真の強さを獲得します。


3. 「3,000文字以上」が必須? 妥協できない品質の壁


価値あるエバーグリーンコンテンツを創出するためには、物理的なボリュームと制作体制の双方において、高い基準が求められます。

まず、読者の抱える悩みを網羅し、一つの記事で完結させるためには、必然的に「3,000文字以上の長尺」なボリュームが必要となります。


断片的な情報ではなく、あらゆる検索意図を解消しようと試みれば、プロフェッショナルな解説にはそれだけの密度が伴うからです。


ここで重要になるのが、執筆者の選定です。ライターの実力はまさに「ピンからキリまで」存在します。コストを優先して安価なライターに依頼すれば、一時的な支出は抑えられるかもしれません。しかし、そうしたコンテンツは往々にして情報の深みに欠け、エバーグリーンとしての寿命を全うできません。


デジタル戦略において、高品質な記事の制作は「経費」ではなく「資本投資」です。読者は単なる情報の羅列ではなく、納得感のある「エビデンス(根拠)」を求めています。権威性と専門性を備えたプロの知見を注入することは、読者の信頼を獲得し、10年続く価値を担保するための不可欠な条件といえます。


4. 目指すべきは「10年後も読まれる記事」


コンテンツの寿命を設計する際、一つの明確なベンチマークとなるのが「10年」という期間です。「10年ひと昔」という言葉がある通り、技術やトレンドが激変する中で、なお価値を失わない記事こそが真のエバーグリーンコンテンツです。


この高い目標を達成するためには、時代に左右されない普遍的なテーマを軸に据える必要があります。具体的には、以下の形式が最適です。


• ハウツー系・ノウハウ系の記事(例:基礎知識の解説、スキルの習得法)

• 課題解決型の記事(例:長年変わらない悩みへの処方箋)

• Q&A(例:その分野で必ず生じる疑問への回答)


一方で、注意すべきは「ニュース」や「流行」を扱うコンテンツの比率です。これらはサイトに新鮮さをもたらしますが、増やしすぎるとサイト全体が「情報の鮮度が命の、息の短いメディア」という印象を与えてしまいます。古いニュース記事が散乱するサイトは、読者に「手入れのされていないデジタル上の墓場」のような印象を与え、ブランディングを著しく損ねるリスクがあるのです。


5. 放置厳禁:エバーグリーンを育てる「メンテナンス」の秘訣


「常緑」を意味するエバーグリーンコンテンツですが、それは「放置していい」という意味ではありません。植物が手入れなしには枯れてしまうように、コンテンツもまた、適切なメンテナンスを必要とします。


サイトを長く運営すればコンテンツの量は蓄積されますが、情報の「賞味期限」には常に注意を払わなければなりません。統計データの更新や、リンク切れの修正、古くなった表現の刷新といった、一定期間ごとのアップデートが必須条件となります。


情報の鮮度を保つ努力は、SEO(検索エンジン最適化)の恩恵を受けるためだけではありません。それは、訪問者に対して「常に正確で誠実な情報を提供する」という、メディアとしての倫理的責任を果たすことでもあります。この誠実な姿勢の積み重ねが、読者との間に強固な信頼関係を築き上げるのです。


6. 結論


エバーグリーンコンテンツを一つひとつ丁寧に積み上げていくプロセスは、一見すると地道で遠回りに見えるかもしれません。しかし、これこそがサイトを「長く続く人気資産」へと成長させる唯一の、そして確実な王道です。


一過性の流行を追う消耗戦から抜け出し、何年経っても色あせない価値を市場に提供し続けること。その一歩は、目の前の一記事に対する向き合い方から始まります。


あなたが今日書く記事は、10年後の読者にとっても価値のある「資産」になっていますか?


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元記事:

企業サイトや個人ブログ :エバーグリーンコンテンツが少ないと継続的な読者獲得は難しい


2026年2月27日金曜日

いつ読んでも笑える「東海林さだお」の本


書評「ヒマつぶしの作法」東海林さだお SB新書


 

 

東海林さだおの本はこれまで10冊ぐらい読んできたが、いつも思うのは「いつ何を読んでもおもしろい」ということだ。


同じ作者のものばかり続けて読んでいると、時には「これつまらない」という作品に出合うことがあるが、この作者の作品には、いわゆる「当たり外れ」がなく、いつも面白いのだ。


「なにか面白いものが読みたい」ときに、彼の作品ほどぴったりするものは他にないのではなかろうか


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紹介

大人気、東海林さだお先生が教える抱腹絶倒 ヒマつぶしの作法!
人生なんて長い長い暇つぶし毎日楽しく、愉快に、元気にそれで十分いーじゃないか

目次

はじめに
特別対談【前編】
何の役にも立たせない「純粋趣味」を楽しもう
東海林さだお×いとうせいこう

ルンバと一緒にヒマつぶし ロボット掃除機ルンバを雇う
釣り堀でヒマつぶし  市ヶ谷の釣り堀の寡黙な人々
<泳げ!うどん君>
入浴剤で日本縦断温泉めぐりでヒマつぶし 温 泉
コインランドリーでヒマつぶし  洗 濯
はとバス観光でヒマつぶし  深川発、はとバスの一日
自宅運動でヒマつぶし  美容用自転車
社交ダンスでヒマつぶし 社交はダンスで 
テニスでヒマつぶし テニスクラブの巻
男の料理でヒマつぶし ロースト・ビーフの巻
<餃子の皮のつくり方>
メンズグルーミングでヒマつぶし ああデラックス床屋
キャバレーでヒマつぶし 懐かしのキャバレー
<ナニをふるった?>
ストリップでヒマつぶし ストリップ観劇行

特別対談【後編】
わざとダメなほうに進んだほうが人生は面白い
東海林さだお×いとうせいこう

駅前旅館でヒマつぶし 寅さんの宿
温泉一泊旅でヒマつぶし(前編) 正調温泉一泊作法
温泉一泊旅でヒマつぶし(後編) 続正調温泉一泊作法
おわりに 退屈な日

著者プロフィール

東海林 さだお  (ショウジ サダオ) 

1937年東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学露文科中退。70年『タンマ君』『新漫画文学全集』で文藝春秋漫画賞、95年『ブタの丸かじり』で講談社エッセイ賞、97年菊池寛賞受賞。2000年紫綬褒章受章。01年『アサッテ君』で日本漫画家協会賞大賞受賞。11年旭日小綬章受章

出典:版元ドットコム


2026年2月26日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈5〉下津さんの失敗・ナイトボーイの愉楽②(5)

 

                 

                  adobe stock 


                                        5


 まったく遅いんだから。それにこのすえたような臭いはなんだ。今しがた残飯でも運んだのだろうか。 社員用エレベーターの中で道夫はブツブツつぶやきながら、ゆっくり変っていく文字盤をを見つめていた。そして6が消えて7がついた時ふと思った。


 ルームメイドの池上さんこのフロアの係りなんだ。彼女、昨日の朝、客から預かったランドリーを引き継ぐとき、優しい声でぼくに言ったんだ。


「毎日夜のお勤めは大変でしょう。眠たくありませんか?」と


これまで何度か顔をあわせているけど、口をきいたのは昨日が初めてで、ついドギマギして 「え、ええ。すこし眠たいですけど」とドモリながら答えてしまった。


衿のところがグリーンであとは真っ白の制服姿の池上さん、とてもステキだった。ショートカットの髪によくマッチしていて、すごく清楚な感じだった。


彼女確か去年高校を卒業して入社してきたはずだから、年齢はいま十九歳のはず、二歳違いか、ちょうどいいな。


あんな人を彼女にもてたらなんてすばらしいことだろう。一週間に二度ほど会って、お茶を飲んだり、映画を見たり、そしてたまには京都とか奈良へ遠出したりして・・・。

 

しばしそんな甘い空想にひたっていた道夫だが、またエレベーターがガタンと揺れてドアが開き、目の前に十一階のフロアの床がにぶく光っていた。


 そうだ。二宮さんの部屋へ行くところだったんだ。


道夫は我にかえり、そうつぶやくと彼女のことはひとまず胸の奥へと押し込んだ。


エレベーターを降りて、深閑としたメイド詰所を横切り、重たい鉄のドアを二つ押して、やっと客室フロアへ出た。 


「トイレへ行ってくる」といった手前、誰かに会ったらまずいと思い、左右を入念に確認してから歩き始めた。


ところどころにドアの下の隙間からこぼれるライトの明かり、微かに聞こえるラジオの音、百メートル近くある長いフロアで、道夫の目と耳に入ってきたものはそれ以外何もなかった。


やがて着いた1108号室の前に立ち、コンコンと二度ノックすると、「開いていますよ。どうぞ」と、普段と変わらない二宮の声が返ってきた。


 こんな時間に鍵をかけないでいるなんて無用心だな。チラッとそう思ってから 「浜田です。失礼します」と言ってから部屋の中へ入っていった。


 二宮はそのとき何か書きものでもしていたのか、部屋のコーナーにあるライティングデスクの前に座っており、薄いノートを閉じてからふり向いた。


 「わざわざ呼びたててすまなかったね浜田くん、いやロビーで渡してもよかったんだけど、あいにく二枚しかないもんで、他のボーイさんの手前もあって、ここで渡した方がいいと思ってね。


実はこれなんだよ。いまぼくが出演している芝居の券、特等席二枚。明後日の土曜日だけど、どう、来られるかな?」


 「芝居の券、特等席二枚。それを僕にくださるんですか?」


 ここへやって来るまでは、いったい何だろう、と考えてはいたものの、それが芝居の切符だとは想像もできず、そう言った後も、果たしてこれをいただいていいものかと、しばしの間考えていた。 


「そうだよ。前から思っていたんだけど、客の評判も定まった中日くらいがいいと思ってね。初日以来、連日大入りを続けていて、なかなかの人気で切符の入手も大変らしいよ。特に土曜、日曜は」 


「これコマ劇場なんですねえ。あの舞台がせり上がったり回転したりするという」


 「うんそうだ。いまでこそ僕も慣れたけど、最初の頃なんか回転のとき目がまわりそうになって、ちょっととまどったね。観客にはとてもおもしらい仕掛けだけどね」


 「へえー、すごいですねえ、舞台がくるくる回転するなんて、話には聞いていたんですけど、何しろ入場料があれではとうてい僕らの若ぞうの行けるところではないと思ってたんです。それでこれ何時からなんですか」 


その時はもう封筒を受け取っていて、その口の部分を丸くして、中を覗きながら道夫はたずねた。


 「昼の部だから一時からだよ。終わるのは四時三十分」


 「一時ですか。行けます。行けますとも、こんな機会なんかめったにないんですから」


 

その土曜日は、英語学校は昼前まで早退だと、もう決めてしまっており、二宮に向かって勢いよくそう答えた。


 「そうか、そりゃよかった。急なことで君がこられないと言うかと思って心配だったんだ。


この芝居ねえ、時代物だけど舞台装置もさることながら、原作、脚本、役者と三つの要素がぴったり合っていて、自分でいうのもなんだけど、すごくいい出来栄えで、君もきっと気に入ると思うよ。見た後でぜひ感想を聞かせてもらいたいな」


 「はい。そりゃあもう。なにしろ二宮さんが出演されているんですから、目をすえてしっかり見させていただきます」 


「そうかい。そう言ってもらって僕も招待しがいがあるよ。さて今日はもう遅いからこれで。また次の日にでも会ってコーヒーでも飲みましょう」


 二宮のその言葉で道夫は部屋を辞した。 時計はかれこれ一時半をさそうとしていた。


つづく


次回は3月5日(木)


2026年2月25日水曜日

They say という英語表現が好き


関連動画のサムネイル


主な使い方と表現:

  • 基本: They say it's going to rain.(雨が降るらしいよ)

  • 噂話: They say (that) he is moving to London.(彼はロンドンに引っ越すらしいよ)

  • 慣用表現:

    • As they say: ことわざに言うように、よく言われるように

    • So they say: そう言われている(がどうかな)、という話だ

ポイント:

  • "they" は特定の人々ではなく、世間一般の人々(People)を指す。

  • "that" は省略可能。

  • "They say" は現在形であるため、現在も言われ続けている噂や一般論に対して使うのが適切。

2026年2月24日火曜日

「日本の大学生は勉強しない」は本当か?米国との「4倍の差」が示す衝撃の真実 《NotebookLM ブログ記事分析シリーズ》No.2



1. 導入:キャンパスライフの理想と、静かに進行する「知の空洞化」


日本の大学生活を語る際、いまだに「人生の夏休み」という甘美な言葉が使われることがあります。サークル、アルバイト、そして終わりのない友人との語らい。それは一見、モラトリアムを享受する若者の特権のように映るかもしれません。

しかし、その華やかなイメージの裏側で、本来の「最高学府」としての機能が深刻な不全に陥っているとしたらどうでしょうか。データが突きつけるのは、私たちが直視を避けてきた「日本の大学生は世界一勉強していないのではないか」という残酷な問いです。今、この国で何が起きているのか。洗練されたキャンパスの裏に隠された、知的空洞化の正体に迫ります。


2. 衝撃の数字:日米で「4倍」に開いた「知の筋力」の格差


かつて行われた1990年の調査結果は、日本の教育界に戦慄を与えました。日米の学生が授業以外に費やす1日あたりの学習時間を比較したところ、そこには埋めがたい「溝」が存在していたのです。


日本の大学生:1.8時間

アメリカの大学生:7.6時間


アメリカの学生は、日本の学生の実に「4倍」もの時間を学問に捧げている。この圧倒的な密度の差は、単なる知識量の多寡に留まりません。複雑な事象を分析し、自らの言葉でアウトプットし続ける「知の筋力」の差となって現れます。大学4年間で蓄積されるこの格差は、卒業後の国際的なキャリア形成において、容易には挽回不可能な「構造的ハンディキャップ」として重くのしかかることになるのです。


3. 「友人」か「学問」か:大学という場の定義を巡る日米の断絶


学生が大学という空間に何を求めているのか。その意識の根底にある価値観も、日米で鮮明なコントラストを描いています。

意識調査によれば、大学生活で最も重視するものとして、**日本の学生の48%が「友人との付き合い」**を挙げたのに対し、**アメリカの学生の50%は「講義、ゼミ、実験など」**をトップに据えています。

日本では大学が「社会性を育むコミュニティ」として機能している一方で、アメリカでは「専門性を研磨する道場」としてのアイデンティティが確立されています。日本において大学が本来の「学びの場」から、「人間関係を構築するためのサロン」へと変質してしまっている現状が、学習時間の過少を招く一因となっていることは否定できません。


4. 構造的な罠:知的緊張感を奪う「入りにくくて、出やすい」構造


なぜ、これほどまでに学習意欲に差が出るのか。その要因は学生個人の資質ではなく、日本の大学制度が内包する構造的な欠陥にあります。アメリカの大学が「入りやすくて出にくい(選抜より育成に重きを置く)」のに対し、日本は伝統的に「入りにくくて出やすい」構造を維持してきました。

ソース資料は、この日本の現状を次のように鋭く突いています。

日本の大学は「入りにくくて出やすい」のである。したがって日本の大学生は……いったん入ってしまうと卒業に対する危機感などまったくないので、それまでの勉強に対する態度をとたんに緩めてしまい、遊びやバイトという安易な方向に流れてしまうのである。

熾烈な受験戦争を突破した瞬間が、知的な成長の「ピーク」になってしまう。卒業に対する危機感の欠如が、本来注ぎ込まれるべきエネルギーを「遊び」や「バイト」という安易な出口へと霧散させているのです。


5. 可視化された症状:約4割の学生が陥る「学習時間ゼロ」の病理


前述した「出やすさ」という構造的な病が、どのような症状として現れているのか。大学・大学院生の学習時間に関する最新の統計データ(ボリュームゾーン)を時間順に整理すると、その惨状がより鮮明になります。


ほとんどしていない:38.5%

30分くらい:10.1%

1時間くらい:26.3%

2時間くらい:11.2%


驚くべきことに、約4割の学生が「ほぼ勉強ゼロ」の状態でキャンパスを闊歩しており、半数近くが1日に30分すら机に向かっていません。専門領域を深めるべき場所でありながら、これほどまでに学問から疎遠でいられるという事実は、日本の大学卒業資格の「質の保証」に対する深刻な警鐘と言えるでしょう。


6. 微かな兆しと依然として高い壁:2008年調査が示す現実


もちろん、絶望的な状況が続いているわけではありません。2008年の調査では「勉強第一」と答えた学生が27.6%に達し、改善の兆しが見られました。一部のトップ大学を中心に、学位授与の基準を厳格化する動きも加速しています。

しかし、この改善を以てしても、アメリカとの間には依然として20%以上の意識の開きが存在します。世界水準の「学びの質」を取り戻すには、個別の大学の努力だけでは限界があります。社会全体が「大学で何を学んだか」を正当に評価する仕組みへとシフトしない限り、この「20%の壁」を打ち破ることは容易ではありません。


7. 結論:卒業証書を「4年間の余暇の証明書」にしないために


日本の大学生を取り巻く学習不足の現状は、個人の怠慢というより、日本の社会・制度が生み出した「構造的不幸」の産物です。

しかし、制度を嘆くだけで過ぎ去る時間は、あなたの人生にとって取り返しのつかない損失となります。「学生の本分は勉強にある」という、あまりにも当たり前で、かつ力強い原点に立ち返る時が来ています。


最後にお聞きします。


「この『人生の夏休み』が終わった時、あなたは世界に対して何を提供できる人間になっていますか?」


卒業証書が、単なる「4年間の余暇の証明書」に成り下がっていないか。今一度、自らの大学生活の在り方を問い直してみてください。真摯に学問と対峙した時間にこそ、不透明な未来を切り拓くための唯一の武器が宿るのです。


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元記事:

・勉強時間が圧倒的に少ない日本の大学生・果たしてその原因は?