2026年5月2日土曜日

開高健の「香水を飲む」は本当か? 書評「作家と酒」 平凡社

 


「えっ 昔の物書きは香水まで飲んだって、 いくらアルコール分が高いからといって、それはないだろう」


開高健の「香水を飲む」は本当か?

この本の中で開高健は「香水を飲む」というエッセイで次のような興味ぶかい話を書いていますが、果たして本当にあったことなのでしょうか。冒頭で本人も「あてになるような。ならないような」と言っているのですが。 


   「香水を飲む」

小説家の話だからアテになるような。ならないようなと承知しておかねばなるまいが、この国のアル中には”パフューム・ドリンカー”というのがいるそうである。酒を切らしていてもたってもいられなくなると、女房の香水をひっかけてその場をしのぐというのである。香水に入っているアルコールは度数がグっと高いから少量でも緊急の渇えはおさえられるかもしれないが、聞いていて身につまされた。白昼に「夜間飛行」をひっかけて、ウム、こいつはトリップできる、などと呟くのであろうか。「シャネル」の5番は「ディオリッシモ」よりもグンと書けるゼ、などと言いかわしあっているのであろうか。取材費を惜しむといいしごとにならないというのはどこでもおなじだろうが、それにしても香水をあおってゲップを洩らしている深夜の鬼という光景は、ちょっと・・・

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出版社内容情報

【収録作品(掲載順)】

1 酒呑みの流儀
正しい酒の呑み方七箇条/おいしいお酒、ありがとう 杉浦日向子  
二十年来の酒 立原正秋 
或一頁 林芙美子 
ビールの歌 火野葦平 
酒と小鳥 若山牧水 
ビールの味 高村光太郎 
あたしは御飯が好きなんだ! 新井素子 
酒のエッセイについて 二分法的に 丸谷才一 

2 酒の悪癖
酒徒交伝 永井龍男 
失敗 小林秀雄 
酒は旅の代用にならないという話 吉田健一
一品大盛りの味─尾道のママカリ 種村季弘
更年期の酒 田辺聖子
やけ酒 サトウハチロー
『バカは死んでもバカなのだ赤塚不二夫対談集』より 赤塚不二夫×野坂昭如
ビール会社征伐 夢野久作

3 わたしの酒遍歴
ホワイト・オン・ザ・スノー 中上健次
音痴の酒甕 石牟礼道子
酒の楽しみ 金井美恵子
eについて 田村隆一
先生の偉さ/酒 横山大観
酒のうまさ 岡本太郎
私は酒がやめられない 古川緑波
ビールに操を捧げた夏だった 夢枕獏
妻に似ている 川上弘美

4 酒は相棒
ブルー・リボン・ビールのある光景 村上春樹
薯焼酎 伊丹十三
サントリー禍 檀一雄
香水を飲む 開高健
人生がバラ色に見えるとき 石井好子 
パタンと死ねたら最高! 高田渡 
風色の一夜 山田風太郎×中島らも 
冷蔵庫マイ・ラブ 尾瀬あきら 
『4コマ ちびまる子ちゃん』より さくらももこ
こういう時だからこそ出来るだけ街で飲み歩かなければ 坪内祐三  
焼酎歌 山尾三省

5 酒場の人間模様
未練 内田百? 
カフヱーにて 中原中也
三鞭酒 宮本百合子 
星新一のサービス酒 筒井康隆 
とりあえずビールでいいのか 赤瀬川原平 
「火の車」盛衰記 草野心平 
水曜日の男、今泉さんの豊かなおひげ 金井真紀 
終電車 たむらしげる 

内容説明

きょうも一杯、いい気分。開高健、吉田健一、赤塚不二夫、中上健次、さくらももこ、内田百〓…。酔いどれ作家46名のエピソード。

目次

1 酒呑みの流儀(正しい酒の呑み方七箇条/おいしいお酒、ありがとう(杉浦日向子)
二十年来の酒(立原正秋) ほか)
2 酒の悪癖(酒徒交伝(永井龍男)
失敗(小林秀雄) ほか)
3 わたしの酒遍歴(ホワイト・オン・ザ・スノー(中上健次)
音痴の酒甕(石牟礼道子) ほか)
4 酒は相棒(ブルー・リボン・ビールのある光景(村上春樹)
薯焼酎(伊丹十三) ほか)
5 酒場の人間模様(未練(内田百〓)
カフヱーにて(中原中也) ほか)

出典:紀伊国屋ウェブ