暇な高齢者は、どこでなにをしているのだろう?
こんなことを気にするようになったのは図書館に関係があります。
図書館へは、月に5~6回程度通っています。
ご存知でしょうが、図書館には新聞・雑誌閲覧コーナー、学習コーナー、読書コーナー、検索コーナー、という風に目的別にスペースが分かれています。
このうち私がいつも利用するのは読書コーナーです。
ここには簡易デスク付きの椅子が20脚程度並べられています。
窓向きになっており、洋風ガーデンの滝の流れが目に入り、落ち着いた雰囲気で本が読めます。
いつもここに3時間ぐらい座って新刊書を読んでおり、他のコーナーに行くことはほとんどありません。
この場所が一番気に入っているからです。
図書館でいちばん混んでいる場所は、学習コーナーです。
なぜなら、ここへは自習のために学生がたくさんやって来るからです。
でも本当は、ここは図書館の本を閲覧しながら学習する場所で、単に学校の勉強の予習や復習などの自習に当ててはいけないことになっています。
でもそうした規則は有名無実になっており、自習にやってくる学生は後を絶ちません。
したがって、このコーナーはいつも混んでいます。
次に多いのが新聞・雑誌閲覧コーナーです。
ここでは、たくさんの新聞や新しい雑誌などが読めます。
ここに集まるのは、学生ではなく、中高年のおじさんたちです。
でも、おじさんはたくさんいても、、高齢者のおじいさんやおばあさんはあまりいません。
これがいつも不思議に思えるのです。
いまや高齢者社会の真っ只中で、4人に1人は高齢者のはずなのに、意外にその姿がないのです。
暇な高齢者にとって、時間を潰す場所として図書館は最適なはずなのに、ここへやってくる高齢者は少ないのです。
いったい高齢者はどこで何をして時間を潰しているのだろうかと、不思議になってきます。
この事実を知って、私は次のように思いました。
人間は暇だからと言って、本を読むものではない。
本を読むには若い頃からの習慣が必要で、年をとって暇ができたからと言って、急に読めるようになるものではない。
なぜ、こんなことを思ったかと言いますと、日ごろから人と読書の関係について考えていたからです。
読書は良いことだと思っても、意外に実行する人は少ないものです。
なぜ実行しないのかと問えば、多くの人は<忙しくて暇がないから>と答えます。
でもそれは方便なのです。暇がないから読まないのではなく、本を読む気にならないからです。
読書には習慣が必要です。したがって、習慣のない人にとっては、簡単にできることではないのです。
だからこそ、子どものときから読書の習慣をつけることが大切なのです。
図書館に高齢者の姿が少ないのを見れば、このことがよく分かります。