高齢者社会ゆえの新しい病気が蔓延してきた
大衆小説の月刊誌を読んでいると、作家清水義範氏が高齢者をテーマにした短編小説で面白いことを書いていました。
それは団塊の世代が高齢者に組み込まれて以来、「主人在宅ストレス症候群」という病気の患者が著しく増えてきた、というのです。
つまり、団塊の世代という恐ろしく人数の多い世代が新たに高齢者に加わったことから、この病気になる人の比率が増えたというのです。
これについては数が増えた理屈は理解できますが、分からないのは病名の方です。ストレスが原因になる病気にはPTSDやうつ病などいろいろあります。
でも「主人在宅ストレス症候群」という病気がはたしてあったでしょうか。
病名からどんな病気であるかはわかります。つまり65歳を過ぎて完全にリタイアした夫が毎日朝から晩まで家にいるので、主婦としてはうっとうしくて仕方なく、そのストレスが高じて体に支障が出てくるのです。
これはじゅうぶんあり得ることです。それが何よりの証拠には、かつて、「亭主元気で外が良い」という名言が世の主婦の大喝采を浴びたではないですか。
要するの世の主婦は亭主はいつまでも元気で外にいてほしいのです。
でも65歳までは何とか外で頑張れた亭主も、さすがに65歳をすぎればもはや外からお呼びはかからなくなり、妻の希望に沿えなくなるのです。
その結果、朝から晩までぴったり妻に寄り添った生活をすることのなるのです。
かくして妻のストレスは貯まりに貯まり、ついには「主人在宅ストレス症候群」という病気になってしまうのです。
でもこんな病気が本当にあるのでしょうか。小説を読んだときは冗談だと思っていました。
なぜなら清水義範という作家は冗談が好きで、それゆえにユーモア作家とも呼ばれているからです。
でも気になるのでネットで調べてみたところ、この病名の病気はちゃんとあることが分かったのです。
ウィキペディアによりますとと病気の定義と症状は次のようになります。
この病気は夫の定年後に妻が発症するケースが多かったのですが、最近は結婚間もない20代・30代の女性の間でも増えていると言われ、長期出張から戻った夫と生活をともにすることになった若い妻にもこの病気の症状が出ることがある、とされています。
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