神戸市の人口が福岡市に抜かれたというニュースを聞いて思ったのは、「ああそうなのか、さすがに福岡は九州のナンバーワン都市だけあって勢いがあるな」と、これぐらいのことで、同じ兵庫県在住者だからと言って、残念だとか、悔しいだとかの感情は少しもわきませんでした。
神戸市はひと昔前は、東京、大阪、名古屋、横浜、京都などと並んで日本の6大都市のひとつでした。でもその後札幌市が急伸してきて、神戸や京都は追い抜かれています。そして今回福岡市にも追い抜かれたのです。
しかし人口分布はいつまでも同じではなく、都市の人口順位が入れ替わるのは当然のことです。
6大都市が制定された頃は、100万人以上の都市は少なかったのですが、いつの間にか札幌市、福岡市、広島市などが人口が急増し、いずれも文句のない100万都市に変貌したのです。
この間日本の人口自体はそれほど伸びたわけではないのですが、100万都市が増えたのは、これらの都市への人口移動が多かったからです。
ということは人口移動により増えるところがあれば減るところもあります。神戸市はたまたまその減る方へ入っていたのです。
これはいろいろな要素が重なって現れたことで、単なる偶発的現象に過ぎません。したがって人口が減ったからと言って、都市てして衰退に向かっているということではありません。
それどころか、何かの拍子に再び増加に転ずるかもしれないのです。それ故に、この度の神戸市と福岡市の人口逆転はそれほど気にしなくてもいいのではないでしょうか。
ところが減少した当事者である神戸市としては、そうもいかないようで、逆転されたことにずいぶん気にしていて、できることなら失った順位を再び取り戻したいと考えているのです。
人口増のための下手な対策は取らなくていい
そのために神戸市は人口流入のための様々な対策を講じているようです。その為のプランの一つが、最近のNHK地方ニュースで紹介されていました。
でもこのニュースを見ていて少なからずの違和感を感じました。そのプランというのは、洋菓子の町とも言われている神戸市を、さらにブラッシュアップして売り出すために、新たに神戸で洋菓子店をを開こうとする人を神戸市が支援して、そうした人たちを神戸の人口に取り込もうというものです。
しかし名もない地方の小都市ならまだしも、神戸と言えば異国情緒豊かなおしゃれな街というイメージで、全国的に知れ渡っている、いわばメジャーな都市なのです。
それだけに神戸に住みたいと思っている人は多く、逆にこの町から出たいと思っている人は少ないはずです。
したがって、少し乱暴な言い方かもしれませんが、神戸は放っておいても人口は減ることはない、ともいえるのです。
今回福岡市に抜かれたのは、相手の勢いが良すぎて、それに追いつけなかっただけなのです。
ですから、抜かれたと言ってバタバタ騒いだりせず、神戸の本来の魅力である異国情緒とファッションにさらに磨きをかけたら良いだけなのです。
それを名もない地方都市が人口流入策としてやるような、ありふれたプランなど採り入れなくてもいいのです。
スイートの町として新規のスイート店開業業者を育てようなどというのは、人口減少に悩むどの町もがやりそうな新鮮味のないもので、まったくの愚策です。
少なくとも、神戸のような名のあるメジャー都市がやるプランではありません。
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