2017年5月5日金曜日

変える、代える、換える、日本語なのに使いかたが分からない



ときどき巷で「日本語は難しい」という声をききます。

外国人が言っているのではなく、れっきとした日本人がそう言っているのです。



日本語は難しいと、つくづく感じると。きいたときは、「そうかなあ」とあっさり聞き流してしまうことが多いのですが、後でその声の意味をイヤというほど思い知らされることがあります。



たとえば「かえる」と「かわる」に対する漢字を使うときです。英語なら、たいていの場合change一語であっさりかたずくのですが、漢字となればそうはいきません。なぜなら同音で同じような意味の文字が4つあるからです。



その4つとは変・替・代・換で、いずれも「える」と「わる」をつけると、すべてが「かえる」「かわる」の読みになります。

つまり、変える、替える、代える、換える、というふうになるのです。

さて、この4つの使い分けですが、日本語解説ブログ「奥深き日本語の世界」には、その使い方と用例が次のように出ています。



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【変える・変わる】⇒ 変化、変更など。

予定を変える ・デザインを変える 生まれ変わる 季節の移り変わり 

住所が変わる 変わり身が早い 血相を変える

替える・替わる】⇒ 交替、代替など

日替わり定食 建て替える 住み替える 着替える 替え歌 
替え玉 吹き替え 模様替え 衣替え 代替わり 年度替わり

代える・代わる】⇒ 代用、代理、代役、交代など

あいさつに代える 店長の代わり 投手を代える お代わり 

名刺代わり 肩代わり 身代わり

換える・換える】⇒ 交換、換金、置換、転換など

チケットをお金に換える 小切手の金額を書き換える 

住宅ローンを借り換える 空気を入れ換える 次の駅で乗り換える 

人質と引き換えに 言い換えると

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いかがでしょうか、この説明で使い分け方がお分かりになったでしょうか。正直なところ分かったような、分からないような、という方が多いのではないでしょうか。

かくいう筆者もその一人なのです。

それもそうかもしれません。たとえば、換えるの項にある「チケットをお金に換える」ですが、なぜ「チケットをお金に替える」ではいけないのか、という疑問がわいてきます。

「かえる」をチェンジととらえたら同じようなものではないか、などという風に考えてしまうからです。

ということは理屈で考えるだけでは、これら4つの正しい使い方は分からないのです。

その結果、考えるのがめんどくさくなって、ひらがな書きで終わらせてしまう人はけっこう多いのではないでしょうか。

でもそれを悔いることはありません。この4つに使い分けについては、日本人といえども、誰でもが迷うことなのですから。



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