ブラック企業の求人を除けば数字は大きく下がる
空前の人手不足と言われるいま、有効求人倍率は1.0を突破した後もぐんぐん上昇しており、この調子だと1.5に届くのも時間の問題であるように見えます。
数字だけ見ればかつての就職難がウソのようです。
でもこの数字を本当に信じて良いのでしょうか?
いま世界中の国で就職難で仕事にない人があふれているのに、なぜで日本だけがこれほど仕事に恵まれているのでしょうか。
少なくとも今の有効求人倍率を見れば、その感がぬぐえません。
有効求人倍率は景気のバロメーターになりますから、国は何とかこれを上げようと懸命になっています。
それゆえに、発表される数字は形は立派でも中身を伴わないものになってはいないでしょうか。
こうしたことを危惧するのも、最近、世間でブラック企業がよく取りざたされるようになったからです。
ブラック企業とは労働条件が悪い会社のことです。
・給料が安い
・残業が多く勤務時間が長い
・休日が少ない
などの悪条件が多いところです。
残業が多ければ大手企業でもブラック呼ばわりされる
近頃では名の通った大企業でも、残業時間が多いばかりにブラック呼ばわりされることがあります。
でも人手不足が社会問題にもなっている今、淘汰されていいはずのブラック企業がなぜいまだに幅を利かせているのでしょうか。
原因の一つは有効求人倍率にあるような気がします。
つまり有効求人倍率を上げるために、求人の質を問わず、申し込みのあったものはすべて求人として認めてしまうのです。
そのため数だけが多くなって、質の伴わない求人が増えてくるのです。
そんな求人が全体のうちどれくらいあるのでしょうか。
最近のブラック企業の騒がれ具合から見てもかなり多いと予想できます。
その数字は少なくても20~30%ぐらいはあると推測されます。
ということはブラック企業の求人を差し引けば有効求人倍率は大きく下がってきますから、実際はそれほど高くないかもしれません。
国の職業あっせん機関であるハローワークはいつまでも有効求人倍率を追い求めるのではなく、求人の申込に対して審査条件を厳しくして臨み、数の追求から質の追及にシフトして、ブラック企業を一時も早く追放していかなければなりません。
そうあってこそ、信頼に足る有効求人倍率が発表できるのです。
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