聴いたことがありますか?、この二つの盛り場用語
そもそもこんなタイトルの記事を書く羽目に陥ったのは、新宿歌舞伎町のぼったくりキャバクラの記事を読んだからです。
記事によると、3人連れの客が歌舞伎町のあるキャバクラで3時間ぐらい飲食した後で、なんと桁違いの110万円もの代金を請求されたというのです。
あまりの高額な代金に客が抗議すると、店員は脅し文句を吐いて開き直ったと言います。
結局客が警察に訴えて店員は逮捕されたのですが、こうした事件がいま歌舞伎町かいわいでしばしば起こっているようです。
でも夜の盛り場に、こうした危険性が潜んでいるのは何も今始まったことではありません。
確か大阪キタの盛り場でも2年ほど前ガールズバーの料金トラブルで殺人事件が起こったこともありました。
夜の盛り場というところは特異で異常な場所とも言えます。なぜなら「酒と女と欲」が中心に動く世界だからです。
そんなことを考えていてふと頭に浮かんできたのが「まくら営業」と「まくら探し」という二つの言葉です。
なぜこうした言葉が頭に浮かんだと言いますと、まず「まくら営業」ですが、これは数ヶ月前にメディアがこれに関するニュースを大きく伝えていたからです。
その内容は、不倫に関するある裁判で、クラブのホステスと客との情事は、いわゆる「まくら営業」に当たり、ホステスが仕事として行ったことで不倫には当たらないない」という判決が出たたことが大きく報じられていたからです。
こうした関係は情事のカップルには多いパターンですが、これが裁判で不倫ではなく「まくら営業」と認められたことが印象的で、頭に強く残っていたのです。
それに関連してなにげなく思い出したのが「まくら探し」という言葉です。
思い出したと表現するのは、この言葉と遭遇したのが古い過去のことだったからです。
確か20代半ば頃の話です。もちろんまだ独身の頃です。忘れもしないそれは夏のボーナスが支給された6月のある日のことでした。
その頃の給料は今のように銀行振込ではなく、ボーナスも現金で支給されたいました。
とはいえ今から数十年前の事ですから、支給額はそれほど多くなく30万円を少し超えた程度だったでしょうか。
そのキャッシュが入った袋をスーツの内ボケッとにしまい、仕事が終わると「今日はまっすぐ家に帰ろう」と思って会社を出ました。
でも帰途で悪い先輩に誘われてつい気を許したのが間違いの元で、「一軒だけ付き合ってくれ」と、大阪の十三(じゅうそう)のスナックまで連れていかれました。
そして先輩と別れたのは12時少し前でした。まだ電車はじゅうぶんある時間なので私鉄の駅に向かって歩いていました。
駅の手前の交差点を渡るとき、すぐ前をすごく魅力的な女性が歩いていました。
酔っていた勢いもあって、「どちらまでお帰りですか」と、その女性に声をかけたのです。
すると女性はニコッと微笑んで、「遠くはないのですけど、帰ろうかどうしようか迷っているのです」と応えるのです。
その甘い言葉が私にとって命取りになったのです。
その女性は決して「夜の女」などには見えない、どちらかというと大会社のOL風の人でした。
でもその女性との出会いが悲劇の始まりだったのです。
結果から言えば、その女性は「まくら探」しと呼ばれる詐欺師だったのです。
声をかけてから1時間後にはわたしたちは梅田のラブホテルにいました。そしてその夜は無事過ぎました。
目的を達成した安心感のせいか、すっかり余裕の出た私は、翌朝彼女を部屋に残して一人で風呂にに入りました。
悲劇に気がついたのは風呂から上がってからでした。
室内のどこを探しても待ってくれるはずの彼女がいないのです。
不吉な予感が頭をよぎりました。急いでクローゼットへ走り、スーツの内ポケットをさぐりました。
悪い予感は的中しました。ボーナスの入った袋がないのです。
そんなはずはない、と何度もば何度もさぐりましたが封筒はどこにもありません。
現実は残酷です。女はわたしが風呂に入っている間にお金を盗んでトンズラしたのです。
後で知ったのですが、こうした窃盗のことを「まくら探し」というそうです。
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