お笑いコンビ・メッセンジャーの黒田が小説家でデビュー
大衆小説月刊誌「オール読物」のバックナンバー2015年10月号を読んでいると、なんと漫才コンビメッセンジャーの黒田さんが書いた小説が出ているではないですか。
昨年、又吉直樹さんの火花が芥川賞を受けたことには大いに驚かされたのですが、まさかあの黒田さんまでが小説を書いているとは想像もしませんでした。
メッセンジャー黒田さんといえば、いっとき大阪みなみのガースズバーで暴力沙汰の事件を起こして問題になりましたが、お笑い芸人としては能力が高く、才能もあると見ていましたが、まさか小説の才能まであるとは思っていませんでした。
そんなわけで、興味津々で読んでみたのですが、短編ながらなかなか良い作品で、ひょっとしたら又吉さんより才能があるのでは、と思ったぐらいです。
何が良いかと言いますと、ストーリーがはっきりしていて面白いことです。
それに文章の流れがスムーズでぎくしゃくしたところが少しもなく、非常に分かりやすく、読み進むのに抵抗がなかったことです。
日頃から小説は読みやすく面白いこと、をモットーとしている当方としては、どの点を比べても又吉の作品「火花」より優れていると思ったぐらいです。
内容は黒田さんのイメージにあまり合わないような「純愛もの」です。
手紙形式で書いていますが、どこをとっても筋がはっきりしていて、分かりにくいところは少しもありません。
この点は、又吉さんの火花とは正反対でした。
又吉さんと黒田さんにどちらが才能を感じるかと言えば、間違いなく黒田さんの方に軍配を上げたいと思います。
なお小説のタイトルは「妖気妃-君への手紙」というもので、オール読物2015年10月号、132ページから始まっています。
それにしても吉本興業はお笑い芸人の養成のほかに小説家育成にも力を入れているのでしょうか。
いずれにしても黒田さんの次の作品が楽しみです。
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