2017年1月27日金曜日

通勤手当の非課税枠が15万円になり、新幹線通勤が増えてきた



今や新幹線通勤は重役だけのものではない

通勤と言えば真っ先に頭に浮かぶのは、ラッシュ時の押し合いへし合いの満員電車です。

とはいえ人口が少しづつ減少している今は一時ほどではありませんが、毎朝ラッシュの電車と格闘しながら会社に向かうのもサラリーマンの宿命といえます。

それも通勤距離が短かればまだしも、遠距離通勤だと苦労はひとしおです。

でもそんな過酷な遠距離通勤サラリーマンに朗報がもたらされました。それは2016年から通勤交通費の非課税枠が拡大されたことです。

これまで非課税扱いは10万円までだったのが、一気に5万円アップして15ま円になったのです。

15万円と言えばたいそうな額であり、これだとかなり遠距離の通勤でも交通費を十分に賄えるのではないでしょうか。

それだけではありません。一般のサラリーマンの通勤と言えば電車にしても、普通電車しか利用できませんが、今後は特急や新幹線なでを利用できる人が増えるのではないでしょうか。

通勤にはたいてい定期券が利用されますが、その定期券にはもちろん特急や新幹線のものあります。

では遠距離通勤の場合、いったい交通費はどれくらいになるのでしょうか。参考までにご紹介しますと、

例えば利用客が多いとされる
新大阪⇔名古屋間の1ヶ月の新幹線定期代は136、640円
になります。

では、東京の場合どうでしょう。
東京からの通勤手当非課税限度枠内15万円の定期代の範囲は静岡までの1ヶ月130,140です。

残念ながら定期代が適用されるのは200㎞までとなっており、静岡以西の定期代はありません。

これでお分かりのように、新大阪⇔名古屋だと、時間的に可能なだけでなく費用的にも非課税限度額の枠内に入りますから通勤は可能なのではないでしょうか。

今回の非課税限度額拡大で、今後大阪⇔名古屋間を通勤に通勤する人が増えるのではないでしょうか。

何らかの事情で引っ越しが不可能で遠距離通勤が避けられないな人にとって、これからは新幹線通勤も選択肢の一つになるかもしれません。

以下は普通電車と比べた新幹線通勤の数々のメリットです。



新幹線通勤にはこんなメリットがある

・座席がほぼ確実に確保できる
・喫煙ができる(喫煙室)
・職場に早く着き、帰宅も早くなる
・遅れがあまりない
・気分が良い



安いLCCを利用すれば飛行機通勤も夢ではない?

LCCとも呼ばれる格安航空会社の登場で飛行機も随分大衆的な乗り物になってきました。

何しろ場合によっては新幹線より安いものもあるぐらいですから驚きです。

ということは、新幹線同様、これを通勤に利用する人も今後次第に増えてくるのではないでしょうか。

とはいえ飛行機ともなれば誰もというわけではなく、対象はステータスや報酬が高く、しかも遠隔地への移動が必要になる職業である医師、弁護士、大学講師あたりではないでしょうか。

そうした人たちの実態を知りたい方は「飛行機通勤」で検索してみてください。医師など、実際に体験した人たちのブログを読むことができます。

ただ飛行機通勤の残念なところは、今のところ電車通勤のような定期は存在しないことです。

したがって通勤に安く利用しようとするなら、回数券の利用しか方法がありません。

でもこうした回数券利用で格安LCCを使えば、以前よりうんと安上がりになることは間違いありません。

もちろん毎日の通勤というわけにはいきませんが、週に何日という隔日通勤などの場合だと、費用の方も今回の非課税枠15万円以内に収まることもあるでししょうから通勤手当として扱われます。

こうした事情から、今後飛行機の通勤利用が増えることはじゅうぶん予想できます。










2017年1月11日水曜日

せっかちな日本人が行列が好きになったのはなぜ?



土日や祝日は街のあちこちに行列が

最近では土日など休みの日に繁華街へ出ると必ずと言っていいほど目にするのが人々の行列です。

ウィークデイはそれ程でもありませんが、土日や祝日ともなれば街のあちこちで行列に出会います。

先週の日曜日もそうでした。

まず最初に目にしたのは、街の中心にある商店街の中ほどにある鯛焼き屋前の20名ほどの列でした

この店はこの界隈で行列のできる店として名が通っており、「カスタード」という鯛焼きが抜群に美味しいと、評判の店なのです。

その行列を通り過ごして次は行きつけの駅前のカフェに向かったのですが、ここでもいつものごとく注文カウンターの前には10人ほどの列がありました。

この店は平日でも決まって何人かの行列ができるのですが、日曜日ともなると格別です。

仕方なく10名余の最後尾について順番を待つことにしましたが、紅茶とクッキーを注文するまでに10分以上かかりました。

お茶がすむと、今度向かったのいつも行く駅構内にあるショッピングセンター内の本屋です。

本を買う予定はなかったのですが、店の中に設けられているベンチで読書するのが目的です。

でもその場所に達するためには入り口を入ってすぐ右手にある販売カウンターの前を通らなければなりません。

そこにはたいてい注文待ちの客の列ができているのですが、日曜日のこの日は格別長くて10メートル以上に及ぶほどで、人数にすると優に30名は超えていました。

こうした光景を目の当たりにすると、世間で言われている、「本離れ」とか、「出版不況」などが嘘のように感じます。


人はなぜ行列に並ぶのか?

ひと昔前の日本人は行列は嫌いな人が多かったはずです。なぜなら、日本人はせっかちで、何事も”素早くやるのを良し”とする人種だからです。

それをよく示しているのは歩くスピードです。ひと昔前までは日本人の歩行のスピードは世界的に見ても速い方でした。

でも下の表にあるように、今では、どちらかと言えば遅い方に変わってきたのです。

歩くスピードが速いのは目的地に早く達したいからで、せっかち度をあらわす良い指標と考えられます。

したがってひと昔のように歩行の速い日本人なら、目的達成に時間がかかる行列が嫌いなはずです。

でも、いたるところに行列ができる今はそんな風には見えません。

いったいこれはどうしたことなのでしょうか。日本人はもはやせっかちでなくなり、目的を早く達成しようとは思わないようになったのでしょうか?


日本人はせっかちでなくなったのか?

それにしてもいくら日曜日だとはいえ、行く先々でこれほど行列に遭遇するのは、いったいどうしたことなのでしょうか。

行列に並べば、自分の順番が来るまで待たなければなりません。

待つとなれば時間がかかります。それを時間の無駄と思わないのでしょうか。

でもどの顔をみても不満そうにしている人はいないようで、反対に行列を楽しんでいるかのようにも見えます。

そうなのです、今や日本人は今では行列を楽しむようになったのです。人の列の中に加わること自体に楽しみを見出しているのです。

ひと昔前の日本人は行列は嫌いな人が多かったはずです。せっかちで、何事も素早くやるのを良しとする人種だったからです。

歩行が速いのも目的地に早く達したいからで、せっかち度をあらわす良い指標と考えられます。

そんな日本人なら、目的達成に時間がかかる行列が嫌いなはずです。

でも今では平気で時間のかかる行列に並ぶようになったのはなぜでしょうか?

それは歩くスピードの世界ランキングにも現れているように、今や日本人はせっかちでなくなったからなのではないしょうか?

それ故に評判の良い物やサービスを手に入れるためには多少は時間を犠牲にしても良いと考えるようになったのに違いありません。

下の表にあるように、今や日本人の歩くスピードは、どちらかと言えば世界の中でも遅い方に属しているのです。




歩くのが遅い国の世界ランキング

世界32カ国を対象に歩行速度を測定

1位:マラウイ:2.05km/
2位:バーレーン:3.66km/
3位:スイス:3.73km/
14:日本:5.05km/



2017年1月4日水曜日

この自伝がおもしろい! ・ 「片道の人生」 ジェームス三木 著 新日本出版社



脚本家に必要な資質は 胃が丈夫、おしゃべり、嘘つき、の三つである、と著者は言う

テレビをあまり見ない人でもおそらくジェームス三木の名前を知らない人はいないのではないでしょうか。

なぜなら、たまにしか見ないテレビドラマでも、脚本担当がジェームス三木であることが少なくないからです。

80歳を超えた今は一時ほどではありませんが、ジェームス三木は、これまで数えきれないほどの作品を書いてきた売れに売れた脚本家なのです。

そんな売れっ子脚本家が81歳になって始めた書いたのが今回の自伝「片道の人生」です。

なにしろジェームス三木と言えば、テレビを観る人々をいつも惹きつけている人気抜群のシナリオライターです。そんな人の書いた自伝ですから面白くないはずがありません。

この本は伝記とは言え、すべてのテーマをきっちり2ページにおさめエッセイ風に書いていますから、読みやすさという点でも抜群で、テーマ数が多く、ページ数の多い本にもかかわらず何の抵抗なくスイスイ読み進むことができます。


著者は冒頭で脚本家に必要な資質を挙げています。

それは、胃が丈夫なこと、おしゃべり、嘘つき、の三つで、いずれも自分にピッタリ当てはまる、と書いています。

まず胃がじょうぶなことですが、これは脚本が出来上がるとドラマ制作に携わるいろいろな人から意見が百出し、中には批判的なものも多く、それに対抗するには気が弱くては無理で

気が強く胃がが丈夫な人でなければ作品に対する注文や批判に耐えきれず、ストレスで仕事を継続することが困難になる。というのが理由です。

おしゃべりであること、というのは、完成した脚本について会議などで検討会が開かれた際、おしゃべりで口達者でなければ、作品に対してはっきりとした主張ができません。

そうなれば周りの人の批判的な意見に左右されたりして書き直しさせられることが多くなる、ということ。

最後の嘘つきに関しては、ドラマそのものが妄想の産物であり、まことしやかに人物を描き、ストーリーをでっちあげるもの、だからだそうです。

三つとも、なるほどと納得できました。


確かな感性が人をひきつける

人を惹きつける面白いドラマを書き続ける人気脚本家ともなれば、鋭い感性がないと務まるものではありません。

読んでいて著者の卓越した感性を随所に感じましたが、多くの中から一つだけ具体的な例を書いておきます。

テレビなどの天気予報について触れていた文章にこう書いてありました。

「日本の天気予報ではお天気キャスターが天気の予報だけでなく、傘の持参や服装まで助言しているが、あれはおこがましいことだ」。

これについては私自身もかねがね感じていたことで、傘の持参や服装について助言するキャスターに対しては、「要らぬことを言わなくても良い」と、いつも呟いていましたので、偶然とはいえ、高名な脚本家と感性が一致したことを、すごく喜ばしく思っています。


抜群のユーモアセンスは外国人をも魅了する

著者は海外旅行が好きで、これまでに世界のあらゆる国を回っていますが、その行く先々で現地の人々を惹きつけ、好感を持たれているようですが、それは著者の持つ抜群のユーモア感覚のおかげに違いありません。

この本の中でもユーモアあふれた多くのダジャレを紹介していますが、素晴らしい出来のものが多く、読んでいて何度も噴出してしまいました。ここでそんなダジャレの一部をご紹介することにします。

●ダジャレを言うのはダレジャ?

●スェーデン食わぬは男の恥

●旧中山道(きゅうなかせんどう)を「1日じゅうやまみち」と読んだ人がいた

●高齢者は帽子をかぶって廊下を歩くと老化防止になる

●遺産を多く残すと、胃酸過多で相続人の胃が悪くなる