世の中の変化と同じように言葉も移り変わる
世の中のあらゆるものには移り変わりがありますが言葉も例外ではありません。
言葉の世界では新しく出た言葉を新語と言うのに対して古くから使われているものは古語といいます。その古語がさらに古くなって使われなくなると死語になるのです。
あるエッセイ集を読んでいたらある歌人の方が書いた作品に「たとえ一生に一度しか使わなくても、言葉は断捨離すべきではない。」という一節がありましたが、わたしはこの意見には反対です。
上述のように新しい言葉が次々に生まれ、古くなった言葉は人々に使われない死語として扱われるのは万物の移り変わりの上から致し方ないことなのです。
とはいえ言葉にも寿命に違いがあります。それゆえに簡単には死語にならないものもたくさんあります。言葉の寿命は人間の生命よりはるかに長いのは間違いないでしょう。
人それぞれに死語がある
言葉は数えきれないほどたくさんあります。それ故に死語辞典とはいえ一人の著者が作ったものだと思いつかない言葉も多く出てくるのは仕方ないことでしょう。
それは一人一人が異なった死語を持っているからなのかもしれません。つまり人それぞれに死語があるのです。
わたし個人としても、時々「この言葉長い間使っていないけど、ひょっとして死語になっているのでは?」と思う言葉に行き当たることがあります。
最近思いついたそんな言葉は次に三つです。
私が挙げる死語は 「夢の超特急」「夢の球宴」「北の大地」など
・夢の超特急
新幹線ができてどれくらいになるでしょうか。早いもので今年でもう54年にもなるのです。
いまでは誰もが新幹線と呼びますが、できた当時は決してそうではありませんでした。新幹線とは別の呼び名があったのです。
それは「夢の超特急」というものです。超特急という言葉の前に「夢の」が付いたのです。
人々はこの言葉を「早く夢の超特急に乗ってみたい」「もう夢の超特急に乗った?」なとというふうに使っていたのです。
でも今こうした表現を聞くのは皆無です。開業当時は世界一のスピードを誇っていた新幹線も、今では世界中に同じような列車が走っており、中には新幹線のスピードを上回るものさえ出現しているからです。
今では新幹線も夢のように速い列車ではないのです。
・夢の球宴
夢の超特急に続いて、また夢の付く言葉ですが、これは単なる偶然です。夢の球宴と聞いて、それ何のこと?と、意味の分からない人は多いと思います。おそらく若年層の多くがそうなのではないでしょうか。
「夢の」の次に球宴がつくように、野球に関する言葉であり、プロ野球のオールスター戦のことを言うのです。オールスター戦が何故夢の球宴かと言えば、セパ両チームの名選手ばかりが一堂に会しており、一度に多くの一流選手を見ることができるからです。
でもこれはセパ交流戦などなかったひと昔前の話であって、今では交流戦をはじめ、テレビを通じて有名選手を見る機会は多くなっています。
それ故にオールスター戦といえども少しも珍しくなくなったのです。したがって夢の球宴はもはや古い言い草でしかないのです。
・北の大地
北の大地と聞いて歌謡曲の題名なのでは、と思う人もいるのではないでしょうか。この題名の演歌があるからです。
でももっと大きな意味は北海道のことを言うのです。確かに北海道は広く大地の名前がふさわしいかもしれません。でも、こう聞くと何か未開の地と聞えなくもありません。
だとすると文明から遅れた未開の地ともとられかねません。でも北海道が未開の地とはとんでもないことです。
今では新幹線も通っており、札幌のような大都市では地下鉄さえ走っています。これを見ても北の大地はもはや古くさく感じ使うことに抵抗を感じます。
死語辞典にはどんな言葉が載っているのか
ウェブには数多くの死語辞典が載っています。代表的なものの一つには次のような言葉が死語として扱われています。
死語の一覧
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