子どもは親によって育てられます。したがって心の成長も親の影響を強く受けます。つまり親の考えるように子どもは育つのです。親の考え方はそれぞれです。それ故に子どもの考え方も個人によって異なってくるのです。
ここでは子どもの長所に対する親の考え方について、その異なり方を国単位で比較しています。
ここでは子どもの長所に対する親の考え方について、その異なり方を国単位で比較しています。
日本の子供は親の言うことを聞かない
このデータで最も注目すべきは「親の言うことにしたがう」という項目です。日本は最下位であるだけでなく、数値の驚くべき低さです。これはいったい何を意味しているのでしょうか。
言うまでもなくこれは日本の子供は親を尊重していないことを表しています。言い換えれば日本の子供は道徳心が薄いとも言えます。
道徳心の第一歩は自分を育ててくれて、一番身近にいる親を尊敬することです。親を尊敬すれば親の言うことを尊重してよく聞きます。これができない日本の子供は道徳心が欠如しているからなのです。
昔は決してこんなことはなかったはずなのに、どうしてこのような状況になったのでしょうか。その原因は明らかに道徳教育の欠陥にあります。学校や家庭での道徳教育が欠落しているがゆえに、子どもは堕落した周囲の道徳環境に悪影響を受けて道徳心を失っていくのです。
子どもの好奇心に目を向けない日本の親
大人に比べて子どもの好奇心は旺盛です。好奇心こそが子どもの夢を育み、成長への大きな糧になるのです。その好奇心に親が目を向けないということは、いわば子供の成長の芽を摘むことにもなりかねません。
好奇心とは周りの新しいことに興味を示すことです。その興味こそが物事の進歩の源になるのです。子どもの好奇心を育てなければ世の中のあらゆる進歩はなくなってしまいます。
「男の子らしさ、女の子らしさ」を尊重するのも日本人らしい
思いやりに次いで多いのが「男の子らしさ、女の子らしさ」です。こうした結果がでるのは、日本人の男の子と女の子のありようを明確に区別しているからです。
例えば「男は度胸、女は愛嬌」という格言がありますが、これに従えば度胸があるのは男の子で、愛嬌のあるのが女の子ということになります。でも昨今ではこれが逆転している、という説もあります。
男の子らしさ、女子らしさは外見に現れておりそれだけでじゅうぶんです。それをものの考え方という精神面にまで持ってくることはないのです。そうした考え方をするからこそ、日本社会で女性の活躍が遅れてくるのです。
「思いやり」が欧米に比べて高い日本
各項目を見比べて気になるのは「思いやり」で日本が他国に比べて高い点です。
もちろん思いやりは悪いことではありません。思いやりとは自分のことばかり考える利己主義ではなく、他を思いやる言わば利他の精神を持つことです。利他の精神は美徳であり、これがあってこそ憎しみや争いが少ない平和な社会が実現できるのです。
とは言え、思いやりが行き過ぎるのは問題です。なぜなら常に自分のことを後回しにして他人のことばかりを優先して考えるようになり、人の動向を見てからでないと自分の態度を決められないようになるからです。
ということは自分の意思を尊重することが後回しになり、人の意見にばかり左右されることにもなりかねません。その結果、人の顔色を窺って自分の態度を決めるようになります。
こうした態度を続けるうちに次第に自分の言いたいことを言えなくなったり人の意見に反対できなくなっていきます。そして最終的には積極性や独自性を発揮できなくなってアイデンティを失うことになりかねません。
こうしたことが起こるのは思いやりを勘違いして、人のことばかりを気にして物事を考えるようになるからです。
欧米の人がしっかりしたアイデンティを持っているのは、日本人のように他人に対する思いやりを第一に考がえないことにも理由があるのかもしれません。
データ出典・社会実情データ図録
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