振り込め詐欺が一向に減らず、逆に増えているのはなぜなのか?
最近の新聞には毎日と言っていいほど、高齢者が詐欺師に騙され、大金を取られる事件に関する記事が載っています。
こうした記事はこのところ増加傾向にあり、被害件数は年々多くなっているようです。例えば昨年だけを見ても、実に4百億円ものお金が詐欺によってだまし取られています。
それにしても振り込め詐欺が世に出てすでに20年もたつというのに、いまだに騙される人が増えるというのは一体どういうことなのでしょうか。
これだと「人間は学習する動物である」と言われていることが、まるで嘘のように聞こえます。
警察の取り締まりをはじめとして、NPOなどの振り込め詐欺に対する啓蒙活動も盛んな中、依然として騙され続ける人が多いのは、何に原因があるのでしょうか。
高齢化社会の進展が詐欺師の活躍の場を増やしている
これに答えるのは簡単ではありませんが、あえて理由を挙げるとすれば、やはり第一に挙げるのは高齢化社会の進展を除いては他にありません。
なぜなら詐欺に騙されるのは判断力が弱いからであり、判断力弱者は高齢者ほど多いからです。
高齢者になるほど認知症患者が多くなるのを見れば、それがよくわかります。
最近のメディアの報道によれば、近年中に認知症患者が500万人に達すると言われています。
これで分かるように、今の世の中はますます詐欺師の活躍しやすい環境に進んでいっているのです。
悲しいかな、この傾向は高齢化社会が終焉を迎える30年先ごろまでは続くのではないでしょうか。
第二に挙げられる理由は今の高齢者は比較的経済的に恵まれた人が多い点です。
昔のようにお金のない高齢者が多ければ、詐欺師の出る幕はないのですが、昨今は恵まれた人が多く、これが詐欺師の活躍の場を増やしているのです。
ということは振り込め詐欺を減らすには、詐欺師に活躍の場を与えないようにすることが必要です。
その為には高齢者に自由に使えるお金を持たさないことです。
とはいえ、自分のお金を自由に使えないようにするのは簡単ではありません。
したがっていろいろ工夫する必要がありますが、頭をしぼって考えた結果出てきた、次のようなアイデアはいかがでしょうか。
振り込め詐欺を撲滅する方法はこれ!
それは銀行が「サギ防止預金」という預金商品をつくるのです。
この預金は、まず最初にすべてのお金をこの口座に預金します。
この預金はあらかじめ出金規定を決めておき、毎月自由に出金できるのは生活費だけにし、慶弔費などの臨時の出費があるときは、その都度用途と金額を事前に書類で提出し、許可を得て出金します。
これ以外のまとまった額の出金は、親族や後見人などの許可があるとき以外は一切認めないようにするのです。
これだと、たとえ何千万円の預金があろうが、日常で出金できるのは月々の生活費と、多くても何万円単位臨時出費金だけですみますから、いかに詐欺師に狙われようと、何百万円~何千万円の大金をとられることはありません。
高齢化社会真っ只中のいま、この「サギ防止預金」は一つの「預金商品」として、金融機関は一考する価値あるのではないでしょうか。