昔の人力車 |
最近の観光地でよく見かけるものの一つに人力車があります。
観光地のメイン施設の入り口の前辺りには人力車乗り場というものがあって、そこにはいつも数台の人力車と何人かの車夫が待機しています。
云うまでもなく人力車は人が引っ張る二輪車で昔の乗り物ですが、いつごろからかこれが復活してきて、あれよあれよと広がっていき
今では全国の名だたる観光地ではたいてい目にします。
それゆえに今では特に珍しくはなくなりました。
確かに出始めの頃は懐かしさやノスタルジーからか、なんともいえない親しみを感じたものです。
しかし今のようにいたるところで目にするようななると、もはやそうした感情は沸きません。
懐かしさや親しみを感じなくなった理由はそれだけではありません。
もう一つの大きな理由は、人力車を扱う会社がたくさんできたからです。
おまけにフランチャイズという組織になって、普及のために大々的に宣伝をしているのです。
人力車にフランチャイズは似合わない?
昔の人力車といえば、たいていは個人営業のひっそりとしたものがほとんどでした。
それゆえに「乗ってくれ、乗ってくれ」というような売り込みもなく商売気があまり感じませんでした。
ところが今はまったく違います。車夫はじっと客を待っているのではなく、あちこち歩き回って、「乗ってください、乗ってください」と声を掛けまくっているではないですか。
どんな商売も売込みが激しければ客は逃げます。今の人力車にもそれが当てはまり、珍しいどころか、この売込みがわずらわしく感じ、逃げられているようです。
こうなったのも、全国組織のフランチャイズになったりして、この業界があまりにも大きくなってしまったからではないでしょうか。
どう見ても、人力車に全国組織のフランチャイズは似合わないようです。
このままでは、そのうち人々からそっぽを向かれ、つぶれてしまう危惧さえ感じます。
人力車には昔のような、ひっそりとしたたたずまいこそよく似合い、それが望まれるのです。
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