まず次の記事を太字の部分を注意しながら読んでください。朝日新聞電子版に9月22日掲載されたものです。
歓楽街からIT系の聖地に 渋谷の次は「五反田バレー」
朝日新聞電子版 2019年9月22日
東京・五反田が今、IT系を中心にベンチャー企業の街として変身を遂げている。
事務所を中心にした雑居ビルや風俗店、ラブホテルが入り交じる「歓楽街」というイメージが強かったが、交通の便やターミナル駅へのアクセスがいい割に賃料が安いとスポットが当たった。行政も後押しに乗り出している。
地域情報検索サービスのベンチャー「パシー」がJR五反田駅前のビルに本社を構えたのは今年1月。150坪ほどの広さのオフィスで、22人の社員とフリーランスのエンジニアらがパソコンを囲み意見を出し合っている。社員の多くが本社近くに住んでいるという。
広報を担当する中村岳人さん(29)は「職場の近くに住んでも家賃や物価が安く生活しやすい。渋谷のブランド力より実利を取った」と話す。
丘陵に囲まれた「谷」(バレー)に位置する五反田。ベンチャー企業の世界的集積地である米シリコンバレーになぞらえ、3年ほど前から「五反田バレー」と呼ばれている。
現在、五反田駅からJR大崎駅にかけての目黒川沿いには443社のIT企業が集まる。
5年ほど前までは、IT系の「聖地」は1990年代後半から「ビットバレー」と呼ばれていた渋谷だった。
しかし、渋谷はその後オフィスビルが足りなくなって賃料が高騰。4キロしか離れていない五反田にベンチャーが流れ出すようになった。
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この記事で問題の疑わしい点とは
「五反田駅からJR大崎駅にかけての目黒川沿いには443社のIT企業が集まる」です。
東京五反田の、しかも五反田駅からJR大崎駅にかけての目黒川沿いという限定された範囲に、なんと443社ものIT企業が集まっている、というのです。
[保存版・五反田バレーMAP]ベンチャー50社集結「社名Tシャツ」族に会いまくる街
はたしてこんなことが信じられるでしょうか。443社の中小企業とでもいうのなら別ですが、単なる企業ではなくIT企業というのが問題なのです。
どう考えても五反田という一部の地域にこれほど多くのIT企業が集まるはずがありません。
これは最近五反田のことを「五反田バレー」などと言い出した人たちのこじつけに違いありません。
確かに東京の他の地域に比べると五反田にはIT関連の企業がたくさん集まってきているようです。
しかしその数はとうてい443社には及ばないはずです。
僅か1年ぐらい前に発信されたネット情報でも、サイトの多くは、五反田のIT企業の数は50社前後と伝えています。
それが1年の間に10倍近くに増えるはずがないではありませんか。それは下の記事を見てもよくわかります。
[保存版・五反田バレーMAP]ベンチャー50社集結「社名Tシャツ」族に会いまくる街
443社というのはIT関連企業やIT企業の取引先などすべて含めてのことなのか?
一言でIT企業と言っても捉え方はいろいろあります。いわゆる広義と狭義によってその幅は大きく異なってきます。
しかし人々がIT企業で思い浮かべるのは、いわゆるシリコンバレーにあるような純然たるIT企業であって、決して付随する関連企業などでないのです。
なぜならば、もしそんなふうに解釈すれば時代の先端を行くIT企業のイメージが崩れてしまうからです。
いったい朝日新聞はどういう尺度でIT企業を選んでいるのでしょうか。
もし上で書いたような関連企業的な基準で選んでその数を調べ、今回の記事を書いたとしたら大問題です。なんといっても天下の朝日新聞なのですから。
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