生活苦から死にいたった高齢者の悲しいニュースが相次いでいる
先週、高齢者の不遇な死についてのニュースが相次いで流れました。
70~80代の2組4名の高齢者が無理心中などで不慮の死を遂げたのです。
原因はいずれも生活苦からです。
いま下流老人や老後難民などとも言われて貧困に陥る高齢者が大きな社会問題になりつつあります。
それもそうかもしれません。満期一杯40年かけ続けた国民年金でも、手にできる年金額は月額6万円台でしかないのです。これでどうして満足な生活ができるというのでしょうか。
生活保護の最低限度額でさえ11万円台なのですから、これでは下流老人が増えるのは当たり前のことです。
先週相次いで生活苦から死に至った2組4名の高齢者はほんの氷山の一角でしかありません。
行政は今この問題と真剣に対峙していくことが急務です。でなければ、今回のような不幸な死が、ますます増えることは目に見えています。
こんなときに「老後に1億円必要」という無神経な記事が
こんなことが連続して起こる中で、これをまるで無視するかのように、数日前にあるメディアがトップ記事のタイトルとして、「老後に一億円必要か」というフレーズを掲げているではないですか。
「老後に1億円必要」と聞けば、日本がまるで「金持ち大国」のように思え、下流老人や老後難民などとは無縁の国のように聞こえはしないでしょうか。
生活苦で死に至る老人が続出しているというときに、こうした記事を載せるのは無神経極まりないことです。
いったい今の日本に、老後資金として1億円もの大金を備えることができる人が、どれほどいるというのでしょうか。
こうしたことを言うのは、人々の利殖意欲を煽って金を集め、自社の利益拡大を目論む金融関係業者の企みに違いありません。それに一部のメディアが悪乗りして輪をかけているのです。
今は失業率も低下しており、いろいろな経済指標はやや上向きになっていることは確かです。
しかしわが国は依然として1000兆円という、世界でどの国もないような、とほうもなく莫大な借金を抱えているのです。
それを忘れて、<老後資金1億円>といううようなことがよく言えるものです。
今どきこんな能天気なことをいうメディアがあることが信じられません。
こんなメディアに対してはできることは、「ウオッチ ユアー ステップ(足元を見よ)」と言ってあげるしかありません。
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