2019年4月20日土曜日

いま「小さなお葬式」が主流になった


 
 
近ごろ町で葬式の列を見なくなった
 
少し前までは住宅街を歩いているとよくお葬式に出くわすことがありました。喪主の家での葬式で焼香を待つ人の長い列を目にしたものです。
 
でも最近はそうした光景ををまったく目にしなくなりました。いったいお葬式はどうなってしまったのでしょう。
 
そういえばメディアが発表する有名人の死に関するニュースでも、「葬儀は身内で営まれた」と発表されることが多いようです。
 
今では有名人といえども身内だけの家族葬として済ましてしまい人を招く葬儀はやらないのです。いま葬儀はこうした簡素なスタイルが主流になりつつあります。
 
 
葬式を見なくなったのは直葬が増えているから
 
このところ町で葬式を見なくなったのは確かですが、その原因はいったい何にあるのかといえば、直葬が増えているからです。
 
直葬とは下の説明のように、簡素なお葬式のことです。

最近では直葬が徐々に増えており特に多いといわれている関東地区では全体の20%を超えています。
 
 
直葬とは
直葬とは、通夜式や告別式などの儀式を省き、ごく親しい方数名で火葬のみを行う葬儀のことを指します。呼び方は違いますが「火葬式」も同じです。従来の「お葬式」の形式にこだわらない人が増えた事が大きな理由と考えられます。
 
 
高齢化社会で死亡者は増えているのに葬儀業界の売上は伸びていない
 
直葬は身内だけの簡素なお葬式です。したがってかかる費用も小額ですから、葬儀業者の利益にはつながりません。要するに売り上げが低く、経営的なメリットが少ないのです。
 
こうした形式の葬儀が増えれば当然のごとく葬儀業界の売上げは減少していきます。そうした傾向は最近の統計にもよく表れています。
 
 
小さなお葬式志向は経済的理由だけではない
 
葬儀業界の売り上げが減少しているのは事実ですが、お葬式の当事者が小さなお葬式を行うのは、費用の節約だけを目論んでのことではありません。
 
つまり費用を抑えることだけを目的に小さなお葬式を選択するのではないのです。本当の目的は死者の意思を尊重するためです。
 
 
萩原健一も、有名人でも家族葬が普通になった
 
最近の有名人の死といえば、すぐ思いつくのは萩原健一さんです。誰もが知っている超がつくほどの有名人ですが、亡くなったことを発表した家族の言葉が印象的でした。
 
それは「葬式は身内だけで行い、後にお別れの会や偲ぶ会などを行う予定はまったくありません」というものです。
 
明らかにこれは死者の意思を尊重したものに他ありません。すなわち故人である萩原健一氏が生前に、このことを身内に託したのです。
 
萩原健一氏だけではありません。最近亡くなった有名人の多くが同じ事を家族に託したようです。
 
それゆえに有名人であるにもかかわらず、多くの遺族が身内だけで葬儀を済ましているのです。
 
いまや有名人であっても派手な葬儀は行わなくなっているのです。

 

 

 
 

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