2019年4月6日土曜日

日本の英語教師の実力 ・ 残念ながらこれが現状



アジアの中でも長い間最下位周辺を低迷している日本人の英語力  原因は教師の英語力不足にあるのか?


グローバル社会の中にあってますますその必要性が高まっている英語力ですが、日本人英語力はアジアの中でも最下位辺りからなかなか脱却できません。

いったい原因はどこにあるのでしょうか。最近になって小学校にも英語授業が取り入れられていますが、本格的に学ぶのは中学校に入ってからです。

中学では言わずと知れた英語教師を通じて学びます。多くの人を通じて自然に学んでいく日本語と比べて、英語は英語教師だけを通して学んでいきます。したがってその影響力は多大であり、教師の英語力が大きくものを言います。

つまり英語力の高い教師に学ぶと生徒の力は上がり、逆の場合だと上がりません。では現在の公立校の英語教師の実力はどの程度のレベルにあるのでしょうか。


たった3割しかいない英検準一級とTOEIC730以上


2016年に文部科学省が発表した「2015年度の英語教育実施状況調査」によると

公立中学校の英語教師で、指導者にふさわしいとされる英検準一級及びTOEIC730以上の資格を持つ人の割合は3割しかいないことが判明しました。

ということは公立中学の英語教師の7割はこれ以下の学力しかないことになります。つまり7割の英語教師は指導者としてふさわしくない、ということになるのです。

考えられないことですが、これが現実なのです。これを知れば日本人の英語力がアジアで最低ラインにあることも頷けるのではないでしょうか。

 

英語は他の科目に比べて教師依存が大きい


最初の項でも述べましたが、英語は他の科目に比べると学ぶ方法の選択肢が狭いことがあります。

他の科目の場合ですと、学習方法は教師以外にもいろいろあります。例えば国語を挙げれば、人の話を多く聞いたり、読書をたくさんすることによっても理聞く力や読む力をつけることは可能です。

しかし英語となれば基本の学力がなければ他の選択肢に進むことは困難です。その基本を身に付けるにも教師に頼る以外に選択肢はないのです。

教師以外の力に頼ろうと、外国人に接触したり、書物などで英文に触れようとしても、まず基礎学力がなければどうしようもないからです。

その基礎学力をつけるのに当てがわれた学校の英語教師による授業に頼るしか方法はないのです。

ということは生徒の英語力はすべて教師次第というこになるのです。それ故に教師の力がストレートに生徒に影響するのです。

これではグローバル人材教の育成は程遠い


グローバル化が進む今の社会では国際語である英語の必要性がますます高まっているのは言うまでもありません。

グローバル化についていくためには、英語力の優れた人材の育成が不可欠です。それ故に今では小学校でも英語の授業が取り入れられたのです。

まだ始まったばかりですから成果が問われる段階ではありませんが、これによって英語学習へのモチベーションが上がって英語向上が期待できても、肝心の中学校の英語教師のレベルが低ければせkっかく芽生えた生徒の英語への興味をうまく繋いでいくことはできません。

ということは、現在のような能力の低い英語教師が多い公教育ではグローバル人材の育成は程遠いことではないかと危惧されます。公立中学英語教師のレベルアップが急務です。


(参考文献) 「だから数字に騙される」 日経BP社

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