2020年1月13日月曜日

これが進んでいる国の姿だ

12月14日付の日経新聞電子版に

NY市、高層ビルに「野鳥に優しい」ガラス義務づけ

という記事が載っていました。


この記事を読んだときは、「野鳥にやさしいガラス」とは何のこと?と、意味が良くわかりませんでした。

でもさらに記事を読んでみて驚きました。それは「ニューヨーク市だけで年間で9万~23万羽が高層ビルに衝突死している」という事実を知らされたからです。

いかに高層ビルが密集しているニューヨーク市だとはいえ、これほど多くの野鳥がビルに激突して死んでいるとは、想像したことさえありませんでした。

野鳥にやさしいガラスを義務付けたのは、こうした野鳥の激突死を防ぐためなのです。

でも、ニューヨークほどでもないとはいえ、今や東京も高層ビル建築ラッシュですから、この話題は決してよそ事とは思えません。

はたして東京都も同様の対策を採っているのだろうか、と考えたのですが、

その前に今こうした問題に対する人々の関心はどうなのだろうか、と思い、グーぐる検索を使って調べてみました。

まずタイトルを次のように日本語と英語の2種類にしてヒット件数を調べました。


①どうしたら鳥が高層ビルに衝突するのを防げるか

how can we really prevent birds from flying into our windows? 

(検索日:2019.12.14)


日本語と英語、検索ヒット件数に格段の相違

日本語と英語による検索結果は次のとおりです。


・日本語「どうしたら鳥が高層ビルに衝突するのを防げるか」 ⇒ ヒット件数 35万件

・英語「how can we really prevent birds from flying into our windows?⇒ ヒット件数 1億6千万件


なんという大きな開きでしょうか。検索結果では英語検索は日本語検索の400倍以上のヒット件数がありました。

これが何を意味するかと言えば、英語を母語とする欧米の人は、日本人の400倍も高層ビルから野鳥を守ることに関心を抱いているのです。

環境保護に対する消極策が批判されている日本ですが、原因は今回の問題での検索結果が示すように環境保護問題に対する人々の関心の持ち方が、欧米に遅れをとっているからに違いありません。



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NY市、高層ビルに「野鳥に優しい」ガラス義務づけ

日本経済新聞 2019/12/14 4:27

【ニューヨーク=西邨紘子】ニューヨーク市議会が高層ビルの新築や改装の際に、野鳥の衝突を防ぐ加工を施した窓ガラスの採用を義務づける条例案を可決した。202012月の発効を予定する。米東部・中西部はカナダと中南米を行き来する渡り鳥のルートが集中するが、ニューヨーク市だけで年間で9万~23万羽が高層ビルへに衝突死しているとの推定があり、生態系への影響が懸念されていた。
高層ビルが集まるニューヨークでは近年、壁面全体にガラス素材を取り入れたデザインの高層ビルが増えている。壁面が空や周囲の木などを鏡のように映すため鳥が窓ガラスと認識できず、衝突事故の多発につながっている。
新条例は、地上23メートルまでの外装の少なくとも9割に、鳥が認識しやすい加工やデザインの素材の使用を義務づける内容だ。ガラスに模様や紫外線フィルムをつけることで、鳥の衝突が大幅に減らせるという。これまでにサンフランシスコ市(カリフォルニア州)などで同様の規制を採用しているが、ニューヨーク市の新条例でこうした動きに弾みがつきそうだ。
米コーネル大は19年、米国内で高層ビルにぶつかって死ぬ野鳥が年間6億羽に達するとの調査を発表した。特に、夏と秋の渡りシーズンに、高層ビルの集まる大都市でなくなる野鳥が多いという。同調査が公表した「渡り鳥に危険な都市ランキング」では、春・秋の渡りシーズンともに1位がシカゴ(イリノイ州)、2位がヒューストン(テキサス州)だった。ニューヨークは春が8位、秋が5位だった。


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