現役を引退してプロ野球解説者に転向した松坂選手がロッテのキャンプ視察で近い将来のエースと目される佐々木投手の投球を見て言っていました。
「素晴らしい投球です。今後も気をつけて観察していきます」というものです。
これを聴いた人は、「なーんだ、普通の発言じゃないか。この発言のどこが気に入ったの?」と聞き返してくるかも知れません。
言われる通り普通の発言です。それもごくシンプルで短いフレーズです。でもこの普通なところが良いのです。
なぜなら最近はたいていの人がこうした普通の話し方をしないからです。
営業トークになっていないところが良い
松坂選手は球界を代表するような名投手でしたが今は新米の野球解説者です。ということは周りの人たちには非常に気を使うはずです。
それはまず言葉遣いに現れます。丁寧な言葉づかいで応答しようと思うはずだからです。
今どきの丁寧な言葉といえば、敬語を含んだいわゆる営業トークと言われるもので、語尾を「させていただく」で締める話法です。
でも上で紹介したとおり、松坂選手の言葉の語尾は「します」になっており「させていただく」は使われていないのです。これが聴く人の耳に快く響くのです。
なぜなら今はだれもが、テレビのバラエティ番組などで蔓延している「させていただく」話法にうんざりしていて聴きたくないと思っているからです。
他の人だとほとんどが「させていただく」で締めるはず
同じ場面で応答したのが松坂選手以外の人だったらどうでしょう?
それがスポーツ界の人であっても芸能界の人であっても、おそらく100%近い人たちは敬語を交えた営業トークで応えるに違いありません。
つまり松崎選手と違って、終りの部分が「今後も気をつけて観察させていただきます」というふうになるのです。
そうなのです。あのうんざりするような、ひたすらへりくだっただけの「させていただく話法」が用いられるのです。
松坂選手は名解説者になるのでは
実は松坂選手の言葉づかいが気に入ったのは今回だけではないのです。
確かあれは彼がプロ野球解説者として初めてテレビの登場したときではなかったでしょうか。
テレビの方から耳障りが良くその上スマート語り口の声がするので、目を向けてみると画面に写っていたのが松坂選手だったのです。
そうだ、松坂選手は引退して解説者に転向したのだ。そう気づいて改めて耳を傾けたのですが、その言葉づかいの巧みなスマートな話法にすっかり感心してしまったのです。
その時思いました。彼は近い将来名解説者になるのでは、と
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