書評「男尊女子」酒井順子 集英社
この著書の作品に接するたびに思うことがあります。それはどの作品も作家が書くエッセイとしてのあるべき姿としての条件を備えていることです。それは以下の3つです。
・読者が手本にできるような良い文章を書く
・読者の心に栄養剤になるような味わい深いことを書く
・新鮮な知識で読者を啓蒙する
要するに読者が作家のエッセイを読むのは、勉強になるような優れた文章に触れ、味わい深い文章で心満たされ、新しい知識を獲得できることを望んでいるからなのではないでしょうか。
なんという名言なのだろうか! 酒井順子が紹介する言葉
読者はエッセイを読んで新しい言葉を覚えたいと思っています。したがってその望みを果たしてくれると満足感を得ることができます。
例えばこの本で次のような言葉が出てきます。
《 結婚は男のカネと女のカオの交換 》
心理学者の小倉千加子さんが言った言葉だそうですが、何という名言でしょうか。
これ一つだけでも、この本を読んだ価値があります。
また著者は男と女の外見(カオ)を偏差値で表し、その高低で
《 男のカオ偏差値が低く、女のそれが高いカップルが理想的 》
と表現しているのも非常にユニークです。
このことについて著者はこうも付け加えています。
カオ偏差値40の男でも、カオ偏差値70の女と結婚できるが、頭の場合はそうは
いかない。
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男尊女子 (集英社)
日本社会の男尊女卑感は、男性側だけによるものなのか。女性側にも「男が上、女が下」という意識があるのでは? “男尊女卑”が今なお続く理由は、女性の側にもあることを示す20編...
商品説明
日本社会の男尊女卑感は、男性側だけによるものなのか。女性側にも「男が上、女が下」という意識があるのでは? “男尊女卑”が今なお続く理由は、女性の側にもあることを示す20編を収録する。
酒井順子とこの本
2004年の「負け犬の遠吠え」で有名になった著者のエッセイ。“男尊”の傾向がある女性で、「男尊女子」。気持ちは分かりますが、言葉としては通じにくいのではないでしょうか。
本として、内容の重複が少し気になりました。
男性か女性という、差別が薄まっても、今度は仕事が出来るかどうかという、よりシビアな区別の時代となる感じがします。
出典:honto
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