作家の手紙をテーマにしたいわゆる告白本の一種だが、明治、大正期のわが国を代表する文豪たちの知られざる正体をあばいている?ということもあって
これに限らずこの手の本は出るたびに人気になるのだが、今回のこの書も例にもれず読者からなみなみならぬ共感を寄せられているようだ。
作家といえど人間なので時として弱音を吐くことがある。それがよく出るのが親しい人への手紙ではないだろうか。
この本にはそうした文豪たちのいわば弱みともいっていい本音の数々がつづられている。
普段読む小説などでは知ることのできない文豪たちの隠れた秘密が覗かれて興味津津で一機に読むことができた。
なお過去のブログに載せたもので同種の本が2点あるので巻末に写真を載せておくことにする。
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出版社内容情報
給料を前借りして遊び尽くす石川啄木、〆切遅れの言い訳がひどい太宰治、若い不倫相手の「体」をたたえる斎藤茂吉……。史上に残る名作を書き「文豪」と称される大作家は、人間くささも強烈です。当たり前のように借金し、踏み倒す。妻子があるのに不倫を繰り返す。〆切を守れないときは開き直るか、言い訳で切り抜けるなどなど。まるでわざと自らを修羅場に落とすような実人生を歩んでいます。むしろそうした修羅場が名作を生み出す原動力だったのかもしれません。そこで、そんな文豪たちの本性が思わず溢れてしまった数々の手紙を解説付きで紹介します。この本で文豪たちを味わい尽くしましょう。
内容説明
どうしようもない彼らだからこそ名作を生み出せた!?私信だからこそ、あらわになった文豪の暗黒面。
目次
石川啄木―借りち金は俺の金とばかり遊興と買春に使い果たす夭折の天才
齋藤茂吉―婚約が決まった愛人を熱い手紙の大量投下で取り戻す
谷崎潤一郎―変態上等!己の性欲を芸術に昇華したマザコン大文豪
倉田百三―「聖所の×」をお守りに若いカラダに我を忘れる
林芙美子―結婚していても「恋は一月に一度」を実践!夫も公認(?)の恋愛体質
太宰治―借金、お詫び、泣き落とし、女たらし、「ヤバい」のエンターテイナー
島村抱月―ドジを踏んで不倫がバレた!それでも別れられない純情文豪
佐藤春夫―門弟三千人といわれた大文豪もオンナとカネには弱かった
中島敦―親のすねを〓りながら麻雀三昧。あげくは学生の身で「できちゃった婚」
坂口安吾―酒と薬物に溺れた博覧狂気な無頼派〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むさみか
4
文豪の酷い話の 常連のお一人 石川啄木 今日も休む と仕事のずる休みのオンバレード はたらけど はたらけど なんて詠んでますが 働いてないです 借金して 遊郭通い 本当にヤバい手紙ばかりですが 島村抱月の純情な愛の手紙には ほっこりしました2022/10/24
クッシー
1
ローザの手紙を読んだ後にこれを読むと、文豪のヤバイ手紙は本当に残念に思える。だいたい金か女性について。このくらいの方が俗っぽくって好きなんだけど。あ、文豪でもこんなキモイ文章(上手だけど)書くんだ、と思った。共感性羞恥みたいなの感じるものもあった。思いの丈を綴るって結構恥ずかしいことなんですね〜。 黒歴史っていうのかな。けど、そんなのあった方が絶対に面白い。現に楽しませてもらってる。2022/11/05
クラゲです。の読書部屋
1
やばくて尊い。 まぁ、文豪はぶっとんでる人多いからなぁ、そのヤバさ故にすごい文章を書くんだろうなぁ、、、。 やっぱり、好き
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出典:紀伊国屋書店
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