《高齢者は金を持っていても使わないので世の中のためになっていない、だから我々がもらって、代わりに社会に循環させているのだ》
これは高齢者から金をだまし取る振り込め詐欺などの詐欺師たちの言い分である。
もちろん犯罪を正当化するための詭弁にすぎないが、でもかれらの言う、「高齢者はお金を使わない」というのは、はたして本当なのだろうか。
高齢者は欲望も小さいし、お金を使う機会が少ないのも事実
高齢者はこれまでにさんざん物を買ってきたからもはや欲しいものは少ない。いや、ほとんどないと言っても過言ではないだろう。
およそお金は物を買うのが最も大きな出費になるのだから、それが少なかったり、なかったりすれば、これだけでもお金を使う機会は大幅に減るのだ。
使わないお金はそのまま残っていくのは言うまでもない。たとえ年金生活者だとはいえ、2か月に1度はまとまったお金が入ってくる。
世の多くの高齢者は何かというと、「私は年金生活者だから・・・」と、まるで生活困窮者のような物言いをするが、これに騙されてはいけない。いまや、高齢の年金生活者こそ、もっともお金の貯まる立場にいる人たちなのだ。
人は誰もお金を持っては死ねない
高齢者はお金を使わない。だから自然にお金が貯まる。お金が貯まっても老い先は次第に短くなり、もともとお金を使う機会が少ないのに月日とともにますますその機会は減ってくる。
貯まったお金をいったいどうしたらいいのだろうか。おそらくこんなふうに思案している高齢者は多いのではないだろうか。
どうしようかと、あれこれ思いを巡らせているときに、突然「モシモシ」と巧妙な振り込め詐欺の電話などがかかってきたりしたら
思わず「これにお金を使うのは有意義かも」と、案外あっさりとその罠に引っかかってしまうのかもしれない。
持って死ねないのなら「使ってしまえ」と思う人は多いのだろうか。
貯まったお金を持って死ねない、ことはおそらく多くの高齢者が気づいているだろう。だとすれば、残さずに存命中に使ってしまおうと思うだろうか。
でも、そう思ったとしても、方法は?どんなにして使えばいいのだろうか。数千万、いや、人によっては億にも達する大金を。
モノを買っても減る金額は知れている。まとまったお金を使う海外旅行なんかも体力、気力が減退した今、あまり行きたくない。
はてどうしよう。使いきれないとなると、このまま小や孫に残せばいいのか、それともどこかへ寄付して社会に還元するのが良いのだろうか。
こんなふうに、貯めたお金の処理について、いま高齢者は迷いに迷っているのだ
老後2000万円必要は大ウソ、使いきれない分をどうするのだ
それにしても「老後には2000万円必要」とか「2000万円なければ死ぬ」などと、いったい誰が言ったのだろうか。
今になって「あれは正しくなかった」と弁明する関係者も少なくないようだ。
でも「老後2000万円説」は今では一般大衆に行きわたってしまっており、老後のためになんとしても2000万円貯めようと、決意を固めている人は少なくないのだ。
だが、いざ老後を迎え、それが使いきれないと知ったら、いったいどうしたらいいのか。
使いきれない分をどう処分したらいいだろうか。これが最大の問題なのではないだろうか。
はたして、「老後2000万円必要」は大ウソだった。で済まされるだろうか。
いまどき、子や孫にお金を残したいと思う高齢者は多いのだろうか
高齢者にとって避けられない問題に遺産相続がある。巷ではこれをめぐって骨肉の争いがくりひろげられる、という話をよく聞く。
だとすると、お金を残すのが仇になる。ならいっそのこそなにも残さない方がいいのだろうか。こんなふうに考える高齢者は少なくないだろう。
でも、残さない方がいいと思っても、今あるお金をどう使い、どう処分すればいいかがわからない。いろいろ考えても結論が出ない。
そうしてズルズルしながら、結局知らず知らずのうちのお金を残したままあの世への旅立ってしまう人が多いのが現状なのではないだろうか。
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