2023年2月9日木曜日

宇野千代 男性遍歴をかさね自由奔放に生きた


宇野千代さんは何かと話題の多い作家です

彼女に対して人が特に関心を持つのは4回にも及ぶ結婚と離婚です

しかも相手は尾崎史郎東郷青児北原武夫など, それに結婚はしていないが梶井基次郎とも交際しています。

すべて大物芸術家ばかりでなんというそうそうたる顔ぶれなのでしょうか

こんなすごい男性たちから結婚や交際相手に選ばれた彼女もまた大物女性であったに違いありません

それにしても宇野千代という女性は男性遍歴


のすごさもさることながらさらに感嘆すべき


はその生き方の自由奔放さではないでしょう


今と違って窮屈だった時代の道徳や価値観に


いっさいとらわれず自分の考えのまま人生を


押し通して自由気ままに生きた意志の強


ガンコさ


宇野千代は女性版無頼派作家なのだろう



その自由奔放な生活には数多くの男だけで


なく酒あり麻雀などのギャンブルありで


欲望の赴くまま自由奔放さをいかんなく


発揮しているではありませんか


これって例えば太宰治や坂口安吾など男性作


家によくあてはめられる無頼派作家の特徴と


共通するところが多いことから


さしずめ宇野千代を女性版版無頼派作家と呼


んでもいいのではないでしょうか


 

エッセイには浮気を奨励するようなことを書


いている


彼女は結婚には愛情の交通整理が必要であ


というタイトルのエッセイの中で次の


ようなことを語っています


結婚生活中にときどき訪れる他の人


を相手にする大小の浮気はお互いに黙


殺することどうしても黙殺できな


というガンコな考えの人だけが


私が回も回もしたようにそのた


びに離婚をすることである


相手が浮気するときにはこっちも


期せずして浮気をしているかもしく


は浮気したいなァと思っているのあ



よく聞くことだけど、「私の方だけ


決して浮気はしないのだから


には決して浮気はさせないと言うひ


とがある私はこういう言葉を聞くた


びに何だか分からない悲しい気持ち


になる私はこういう人に対して


く自然に感情の動きに耳を傾けてごら


んなさいと言いたい気持ちになる


そして出来ることならちょっとだ


浮気をさせてあげたい


浮気をするということは決して好い


ことではないしかし悲しいことに私


は浮気を一度もしないと断言する人に


相手の気持ちが分からないこう


いうときにはこういう気持ちになる


ということが分からない


浮気という決して好いことではない


ことをして見て初めて人の気持ちが


分かるああいうときにはああいう気


持ちになるという恋愛のコースが分


かる曲がり角も分かるし行きつく


ところも分かる


出典精選女性随筆集文藝春秋



評判になった花咲婆さんになりたいとい


うエッセイ



精選女性随筆集文藝春秋という本の中に宇野千代の花咲か婆さんになりたいというちょっと変わったタイトルのエッセイが載っています

一読して思ったのは収録されている他のエ


ッセイに比べてトーンが全く異なっていること


です


他と比べてテーマがユニークなこともさるこ


とながらコンテンツ全編が前向きでポジテ


ィブ志向で貫かれておりそれだけに読んでい


て勇気が与えられ元気になってくるのです


このエッセイだものではないと思ったの


さっそくネットで調べてみたところ


った通りいたるところで評判になっており


いろいろなサイトにこのエッセイを称賛す


る記事が数多く載っていました