プロ野球中継でいつも不思議に思うのは、捕手が送るサインに投手がよく首を振ることである。
これについて何故か、と考えてみると、その原因は投手と捕手に力関係にあることに気づく。
プロ野球選手の投手と捕手を比較すれば、力関係において上位に来るのは、たいていは投手の方ではないだろうか。
力関係をはかる方法の一つとしては年俸の額があるが、これで投手が捕手を下回ることは少ないのではないだろうか。
要するに投手の方が年俸額で捕手を上回るケースの方が多いのだ。
年俸は人気のバロメーターでもある。つまり年俸が多いほど人気がある選手であるともいえるのだ。人気がある選手とない選手で、力関係で上位に来るのは言うまでもなく「ある」方だろう。
それ故に投手と捕手の力関係では、たいていの場合、年俸が高く人気のある投手の方が上位になるのではなかろうか。
投手が捕手のサインに首を振るのは投手の方が力が上だから
上で書いたように、投手が捕手の出したサインに首を無ることが多いのは、力関係において投手の方が捕手より上であることが多いからである。
これは上の者は下の者から指示は受けない、という考えから出る態度であり、要するに下の者の考えることなど信用できない、と考えているのだ。
捕手の力が上だと投手は首を振らない
とはいえ時としては捕手の方が投手より力が上のこともある。ベテラン捕手と新人投手などの場合が多いのだが、こんな場面では投手は捕手の出すサインに首を振ることはほとんどない。
捕手の出したサインにすべて首を縦に動かしすぐ投球動作に移るのだ。観るほうはこちらの方が気持ちがいい。試合がスピーディに進むだけでなく、投手と捕手の力関係などあれこれ考えなくてよく、めんどくさくないからである。
新人投手でもベテラン捕手のサインに首をふることがある
投手が捕手の出したサインに首をふるのは力関係によるものだから、新人投手がベテラン捕手に首を振ることはない、と上で書いた。
でも何事にも例外があり、稀にだが、新人投手でもベテラン捕手のサインに首を振ることはある。それはいったいどんな場合だろう。
別項で人気が力関係のバロメーターになる、と書いたが、このケースにあてはまるのだ。
つまり、たとえ新人でもドラフト1位で入団した選手はファンの人気が非常に高い。もちろん年俸の方はベテラン捕手を下回っているが、それをカバーするのに十分なのがファンの人気なのだ。
要はこの人気がベテラン捕手を大きく上回っており、これが力関係に作用し、ベテラン捕手より上位にくるからなのではないだろうか。それ故に首を振ることが許されるのではないだろうか。
捕手ではなく投手がサインを出した方がいいのでは?
このように経験の深いベテラン捕手のサインに新人投手が首を振らない、というような現実を前にすると、いったいサインとは何だろう、とその意義さえ考えてしまう。
その結果、サインに対するYES,、NOが力関係で決まるのなら、捕手が出すのではなく、力関係で上位にある投手の方が出した方がいいのではないだろうか、と思ってしまう。
プロ野球コミッショナーが、もし真剣にスピーディな試合の進行を望んでいるのなら、一度この案を検討してみてはいかがだろうか。
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