多くのサイトで毎日何回も目にするこのネット広告は
小説創作や小説人賞などに興味を抱いている人なら最近上に掲げたネット広告を目にすることが多いのではないでしょうか。
なぜならここ1か月ぐらいの間、ほとんど毎日のようにメジャーと目される情報サイトすべてのサイド広告に、この広告が掲載されているからです。
もっとも検索傾向によって掲載されるターゲティング広告というものだけに見ることのない方も多いかもしれません。
しかし、いかにターゲティング広告だとはいえ、これまでのネット広告でこれほどの量と頻度で同じ広告を目にしたことはありません。
この「REライフ文学賞」というイベントは今回で3回目ということですが、1~2回目と比べ、明らかに今回の方が掲載量、掲載頻度ともに圧倒的に多いのはいったい何故なのでしょうか。
ちなみにネットでこの広告を目にしていない方は、一度「小説新人賞」「文学賞応募」など、小説の創作や応募に関係あるワードで検索をかけてみてください。
サイト右側上部にこの広告が載るはずです。
主催者の文芸社より協賛の朝日新聞社の文字のほうが大きい
今回のこのネット広告は、その量、掲載頻度からして朝日新聞社はこの文芸社との共同企画に相当力を入れているようです。
量や頻度だけでなく広告の内容でもそれがよくわかります。例えば広告トップにある朝日新聞という社名の文字の大きさがいい例です。
この企画は文芸社主催なのですが、右上にある主催者である文芸社の文字より協賛する朝日新聞の方が大きいのです。
これだと事情を知らない人が見ると、このイベントは朝日新聞社主催に見えるのではないでしょうか。
朝日新聞社は なぜ問題のある「文芸社」と手を組むのか
広告の見え方はさておき、気になるのは、天下に朝日新聞社がなぜ弱小で、しかも社会的に少なからずの問題を抱えている出版社と手を携えてこうしたイベントを大々的に行うのでしょうか。
この2社の組み合わせですが、例えば大相撲で言うと、その力関係は横綱と幕下ぐらいの開きがあるのではないでしょうか。
要するに釣り合いが取れていないのです。
このイベントの目的と意図するところは
それにしても誰が見ても組み合わせが不釣り合いだと感じる2社によるこうしたイベントがなぜ行われるのでしょうか。
何事も、人が見て不自然と感じることの裏には何らか秘密が隠されているものです。
いったいこのイベントの目的と意図するところは何にあり、企画の裏には何が隠されているのでしょうか。
経営危機の朝日新聞社、もはやなりふりをかまっていられないのか
そもそも私がこの広告に疑問を持ったのはネットで下の記事を読んだからです。
すでにお読みになった方は多いかもしれませんが、この記事は朝日新聞社がいま経営的に大ピンチに陥っていることを伝えているものです。
まだお読みになっていない方のために記事を要約すると以下のようになります。
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朝日新聞社は2023年3月期決算で、創業以来最大の赤字となる147億円の最終赤字を計上した。これは、発行部数の低迷による広告収入の減少と、デジタル化への対応に伴うコスト増が主な要因である。
朝日新聞の発行部数は、1990年代には1000万部を超えていたが、近年は減少の一途をたどっている。2023年3月時点での発行部数は400万部を下回っており、ピーク時の半分以下となっている。部数の減少に伴い、広告収入も減少している。
一方、デジタル化への対応に伴うコスト増も、朝日新聞の経営を圧迫している。朝日新聞社は、デジタルメディアの強化や、データ分析・AIなどの新たなビジネスへの投資を進めているが、これらの投資には多額の資金が必要となっている。
朝日新聞社は、経営再建のために、希望退職者の募集や、本社移転などのコスト削減策を実施している。しかし、これらの施策だけでは、経営の立て直しは難しいとみられている。
朝日新聞社は、日本のマスメディアの象徴とも言える存在である。しかし、近年の経営状況は厳しく、その存続を危ぶむ声も少なくない。朝日新聞社が、デジタル時代のメディアとして生き残るためには、新たなビジネスモデルの構築や、デジタル化への対応の加速が不可欠である。
この要約は gooble bard による
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いかがですか。これをお読みになって、朝日新聞社の現在の危機的状況がよくお分かりになったのではないでしょうか。
こうした状況にある同社は、なんとしてもこの状況から脱却しなければと、いま必死になっているのです。
その結果、いまは看板にこだわっている場合ではない、なんとしても金を稼がなくては、そのためには金になることならなんでもと、なりふり構わず何にでも手を出していかなければいけない。
おそらくこうした方針のもとに手を出したのが今回の文芸社とのイベントなのではないでしょうか。
要は自費出版で実績のある 文芸社と手を組んで、このイベントを大いに盛り上げ、多くの応募者を得ることで自費出版市場を拡大をはかり、多くの注文を得て、大きな利益を獲得しようという意図なのではないでしょうか。
おわりに上でも書いたように過去から社会的問題となっている文芸社の商法に関するネットの記事を載せておきます。
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コンテスト商法とはなにか?
「文芸社」でネット検索すると「コンテスト商法」というサジェストが表示されることがあります。
「なんとかかんとか」という名を冠した賞を設けて、原稿を集め、実質的には落選者なのに入選者と錯誤させて、応募した著者に自費出版の営業をかける商法です。
コンテストという名目で著者の個人情報を収集します。新規の営業先確保のためです。大手新聞社と共催(名義借り)しているコンテストやコンクールの広告を見かけることがあるかもしれません。それがコンテスト商法、コンクール商法の広告です。
新風舎という文芸社の競合他社がコンテスト商法で多数の契約をしたのに、新風舎は契約を履行しないうちに倒産したことからか、この商法が叩かれるようになりました。
落選者という言葉を使いましたが、実は落選者はほとんどいません。奨励賞とか、そういう名目でなんらかの賞をくれます。参加賞と同じです。応募者は個人情報と引き換えです。講評もくれると思います。
なんらかの名称をつけた賞や講評をくれなくても「編集部で評判がいいです」などと、書き手が気持ちよくなる連絡がくることもあります。著者に連絡してくる人は「出版」とか「企画」とか「編成」とか「文化」とか、企画部門であるかのように装って連絡してきますが、編集ではなく営業部門(契約担当)の人たちだと思います。ご注意ください。
コンテストで本当に入選すれば、告知内容の「書籍化」とか「賞金」とか「カバーは人気イラストレーター」などの条件は守られると思います。さすがにそこまで嘘をつくと法的にまずいからでしょう。ですから法律的には詐欺とはいえないでしょう。ただ、目的は自費出版の営業先を探し、小説、詩集、絵本、イラストなどで夢をかなえたい著者または著者親族や著者の関係者などから金銭を引き出すのが目的であることは忘れないでください。
実施したコンテストの結果発表で入賞者の名前と作品名が架空で、出版社は費用が発生せず、営業先だけ確保するという方法も考えられます。文芸社グループの日本文学館でそういうことが行なわれていた疑惑があるようですが、断言はできません。
コンテストで入賞者に無料出版や賞金というご褒美を与えたとしても、ほかの著者が自費出版(協力出版とか共同出版とか言い方は様々です)をしてくれれば、回収できるんですよ。だから文芸社や自費出版が主たる事業の版元にとっては、コンテストの賞品は広告と同じです。
文芸社から無料(著者の費用負担なし)で出版したいなら、コンテストに応募して、文芸社のほうから「無料で出版させてください」と言ってくるまで契約しないことです。
もし、あなたが文芸社のコンテストに応募して、なんらかの連絡があり、「契約しよう」という気になったら、契約前に弁護士の契約書チェックをおすすめします。勧誘がしつこい場合は国民生活センターの消費者ホットライン(局番なし188)に電話してください。
出典:@nifty ココログ
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