2026年8月29日土曜日

ブログの記事検索 アトランダムにやってみたら

 



〈ブログ〉の「変わった読み方」のご提案


枠内の文字を適当に押して〈記事〉を選んでください


ブログの読み方は人それぞれです。とはいえ読む以上少しでも「おもしろくてためになる」ものを選びたい、と思うのが人情です。そのためにあるのが目次やラベルですが、ブログによってその様式はいろいろです。


ちなみにここに挙げたのは google「blogger」のランダムラベルです。ご存じとは思いますが、ランダムとはごっちゃ混ぜにした並べ方ですが、何が何だかよくわからないところがミソです。


よくわからないだけに〈意外性〉があるところがおもしろいのではないでしょうか。


google bloggerには2種類のラベルがある


生涯現役!!日記はgoogle bloggerで運営されています。


ブログには記事を見つけやすくするためいろいろなラベルが張られていますが、bloggerには2種類ラベルがあります。


まず一つ目はオーソドックスなもので、これは項目別のタイトルと記事数が一項目づつ並べられているものです。


そしてもう一つはすべての項目をごちゃまぜにしてランダムに並べたものです。


これは一つ塊のようになっているため視野を広げる手間が省けます。


今回はこのラベルを使ってブログを読んでみよう、というご提案です。



ブログ「生涯現役!!日記」のランダムラベル


(枠内の文字を適当に押して〈記事〉を選んでください)


ランダムラベル

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2026年8月27日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈7〉進次と和子の青春グラフィティ(7)

             

                     adobe stock                

                                           

                  7                                                                             

 時計が三時を回っても少しも眠たくはならなかった。電車でも立ちっぱなしだったし、降りてからもあちこち歩いて、相当疲れていても不思議でないのに、まだ目は冴え渡っていて、まるで睡気は訪れてこなかった。

多分女も同じような状態らしく、ビールのせいもあってか、目の色にしても次第に輝きを増してきてさえいるようだった。


 とは言え、三時は三時、明日のことを考えれば少しは休まなければならない。お互いに学校はまだ休みだが、進次には夜十時からの夜勤の仕事があった。


 「ビールも飲んだし、少し休みましょうか。ぼくはちょっと風呂に入ってからこのソファで寝ます。あなたはあちらの布団でどうぞ」

来る前に下着のことを心配していたし、多分女は風呂へ入らないだろうと思い、そのことについては何も尋ねなかった。


 「お布団はいいです。わたしもここへ寝ますから」

 「そう、じゃあそうしますか。むこうから毛布でも持ってくればいいんだし」

 進次は女に布団が敷いている部屋へ行けと、しつこくはすすめなかった。そうすると何か下心があるのでは、と思われるのが嫌だったからだ。


 「じゃあ僕、風呂に入ってきます。どうぞ先に休んでください。でも明るくなったら起こしてくださいよ、ぼく朝がとても弱いもんで」


 カラスの行水もいいとこで、五分もたたず風呂場を出てきて、備え付けの浴衣を着てソファのところへ戻ってきた。

たかが五分ぐらいで寝てしまうはずはなく、多分まだ起きているだろうと思っていたのだが、女は薄手の掛け布団を肩からすっぽり被り、ソファの背によく向きになって目を閉じていた。


 「もう寝たの?」そう声をかけようとした進次だが、その言葉は発することなく飲み込んだ。もう寝たの、もないもんだ。三時を過ぎて、あと二~三時間もすると朝ではないか。


 「なにもしないから」と言った進次のことを信じていたからなのか、無邪気な顔をして寝込んで居る女の姿を目の当たりにして、それまで微かに抱いていた、あわよくばなんとかしたい、というような下心は、不思議とすっかり消えていて、さあ自分も早く寝ようとばかり、奥の部屋から布団を引っ張ってきて、ソファごとすっぽり被せて、それから一分もたたないうちにスヤスヤと心地良さそうな寝息をたてていた。



 和子は次の週の月曜の朝、珍しく九時過ぎまで寝坊した。

 昨日の日曜日、十一時ごろ阪急電車の車中で進次と別れて、昼前に芦屋川の下宿に帰ってきて、田舎の家から持ってきたカキ餅と干し柿を下宿のおばさんと近所に住む友達二人に届けに行き、帰ってから部屋の掃除をして、たまった洗濯をすますと、もう五時近くになっていた。もっとも友達のアパートで二時間近くおしゃべりして過ごしたのだが。


 一昨夜のホテルでは、三〜四時間眠っただろうか。それくらいの睡眠だと、普段なら身体が重いはずなのに、不思議と身体も心も軽かった。

いや、軽いと言うより、嬉しくてウキウキと心が弾んでいるような心地良さを感じていた。

何か明るい未来がパッと開けたような気がして、まわりの物がすべてバラ色に見えるような、すこぶる晴れ晴れした気分であった。


 ―わたしにもやっとボーイフレンドができたのだわ。進次さんというあの二十一歳の素敵な人。

あの人、ホテルなんかにわたしを連れて行ったけど、行く前の約束どおり、嫌なことなど何もしなかった。港のベンチで「一緒にどこかへ泊ってくれ」と言われたときは本当に迷ったけど、でも付いて行ってよかったのだわ。


あの時もしわたしが断って帰っていたら次に会う約束などできたかしら? 彼は気分を害して、「また会おう」なんて言わなかったにちがいないわ。

勇気を出してついて行ったからこそ、私のことを好ましく思ってくれたんだわ。嫌なことなど何もなかったし、今度の土曜にまた会う約束ができたし、やっぱりあれでよかったのだわ。


これでやっと寂しい生活ともお別れだわ。だって欲しくて仕方のなかッたボーイフレンドがついにできたのだもの― 


 できることならこの喜びを誰かに伝えたいものだと、和子が鼻歌まじりでベランダの洗濯物を取り込んでいるときドアがノックされ、まだ返事も返さないうちに「ただいま」と元気な声をあげながら、隣部屋に住む紀子が入ってきた。


コースは違ったが彼女も和子と同じ専門学校の生徒で、鳥取の大山近くの実家に帰省していて、いま戻ってきたところであった。


 「和ちゃん、いつ帰ってきたん、きのう?今日?」 

少し開いたガラス戸から、ベランダに顔だけ出して紀子が尋ねた。 


「きのうよ、いや違うわ。今日のお昼ごろよ」

本当は昨日の土曜日の深夜に帰っているはずであったので、つい昨日と言いそうになったのだが、その瞬間昨夜のホテルが思い出され、つい正直に今日の昼頃と言ってしまっていた。

 別段昨夜だろうが今日の昼頃であろうが、どちらでもよかったのだが。


 「何よそれ?昨日と言いかけて今日っていうの」
「う、うん。本当は昨日帰るつもりだったんだけど、家を出そびれて、つい今日になってしまったもんだからそれで、でも紀ちゃんこそ三日ほどで帰ってくると言ってたじゃない。三〇日に帰ったんだから、ええっと、今日で六日目か。どう、楽しかった?」 


「まあね。友達にたくさん会ったけど、もう女ばっかり、和ちゃんこそどうだったのよ。

中学の同窓会で初恋の人に会えたらいいなって言ってたけど、会ったの?」

「残念、ハズレでした。来てなかったわ。でもね」


 和子はそう言うと紀子を見ながら満面に笑みをたたえた。


 「でもねって何よ?、それに急にニヤニヤしたりして、何か良いことあったの?」

 紀子は和子の顔を覗き込むようにして尋ねた。 

 「あったあった。あったのよ。その良いことが」


つづく

次回 9月3日(木)


2026年8月26日水曜日

〈この本〉タイトル見ただけで読みたくなりませんか


書評 「推し」という病   加山竜司 文春新書


この本の表紙のタイトルを見ただけで「読んでみたい」と思う人は多いのではないでしょうか。

誰かが言った「本はタイトルで売る」というフレーズをあらためて思いださせる1冊でもあります

今の世の中、老いも若きも「誰か(人)や何か(ゲームキャラクターなど)を推したい」という願望に取りつかれた人たちがなんと多いことでしょうか。

まさにクレイジーそのもので、これはもう病と呼ぶしかありません。


つい最近もありました。「親を殺して得たお金のうち1千万円を推しに投げ銭した」という恐ろしいニュースが。

また東京新宿ではホストクラブで大金を入れ上げた女性が相手のホストを殺すという凄惨な事件も起きています。

こうした事件を背景に、いま「推し」は、この本のテーマが示すように「病」として捉えられるようになってきたのです。


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出版社内容情報

なぜ彼らは苦しくても「推し」続けるのか
AKB、ホスト、VTuber、アニメキャラ、ゲーム、地下アイドル、AV女優、ビジュアル系バンド…

当事者への取材を重ねた「推し活」の現在地

「推し」という言葉は、「好きなものを応援する」ポジティブな言葉として使われることが多い。
だが、アニメグッズを購入したり、アイドルのコンサートに参加したりすることだけでなく、たとえば地下アイドルライブでのチェキの大量購入、ホストクラブやメンズ・コンセプトカフェでの過激な売り掛けなどを表す際にもこの言葉は使われている。
少なくとも、言葉のうえでは、学生のささやかな「推し」と、身を滅ぼすほどの出費をともなう「推し」は地続きだ。

「高田馬場ライバー刺殺事件」をはじめ、「推し」を端緒とした刑事事件も発生している。その精神性の根が同じであるならば、私たちは「推し」とは何かを慎重に見極める必要がある。
実際に「推し」によって人生を大きく変える選択をした人々の言葉に耳を傾けることで、「推し」の何が人々を病的なまでにエスカレートさせていくのかを探る。

【目次】
第一章
 「結婚するなら、もちろんアイドル」
“「推し」のためにマンションを売った”トップオタ

第二章
「ホストはコスパがいい“推し活”」
“ホス狂い”風俗嬢のコスト意識

第三章
「二次元は“恋愛対象”になるか」
アニメ、VTuber、2.5次元、声優…オタクたち「推し活」

第四章
「結婚できなかったのはアノ子のせいじゃない」
女性アイドルを14年間推し続ける中年女性の憂鬱

第五章
「AV女優に求める純潔」
秩序を守るAV女優アイドル・トップオタの女子校教師

第六章
「“運営”は搾取をしているのか」
元ジャニーズJr. 地下アイドル運営の見果てぬ夢

第七章
「推しがいないこの世界に、生きる意味はない」
「推し」の後追いで「自殺未遂」した納棺師

第八章
「オタクとアイドルは運命を捻じ曲げて共に生きる」
オタクでアイドルだった彼女は、今日もSNSで未練を語る

内容説明

「推し」という言葉は、「好きなものを応援する」ポジティブな言葉として使われることが多い。だが、アニメグッズを購入したり、アイドルのコンサートに参加したりすることだけでなく、たとえば地下アイドルライブでのチェキの大量購入、ホストクラブやメンズ・コンセプトカフェでの過激な売り掛けなどを表す際にもこの言葉は使われている。少なくとも、言葉のうえでは、学生のささやかな「推し」と、身を滅ぼすほどの出費をともなう「推し」は地続きだ。「高田馬場ライバー刺殺事件」をはじめ、「推し」を端緒とした刑事事件も発生している。その精神性の根が同じであるならば、私たちは「推し」とは何かを慎重に見極める必要がある。実際に「推し」によって人生を大きく変える選択をした人々の言葉に耳を傾けることで、「推し」の何が人々を病的なまでにエスカレートさせていくのかを探る。


著者等紹介

加山竜司[カヤマリュウジ]
漫画ジャーナリスト、ライター、編集者。1976年静岡県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2005年にフリーランスに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出典:紀伊国屋ウェブ


2026年8月21日金曜日

週刊誌 最近の値段ご存知ですか?

 

週刊文春 今の値段600円 !



一昔前の3倍近くに


久しぶりに週刊誌(週刊文春)を購入して、まず認識を新たにしたのは数年前に比べて格段に値段が上がっていることです。


最近の物価高に合わせてのことでしょうが、今回の週刊文春の価格は600円ですから一昔前の値段2百円前後に比べると3倍もアップしているのです。


いま」600円で何が買えるかといえば、コンビニの安い弁当やオニギリ2〜3個、大衆食堂の麺類、JR電車10駅ぐらいまでの乗車キップ、というところではないでしょうか。


したがって大した買い物代や乗車賃になるわけではありませんが、週刊誌はめったにしか買うことがないモノであるため、すごく高く感じるのです。


以前はJR電車の折り返し便に乗ると、網棚には読み捨ての週刊誌がたくさん残されていたものです。しかし今ではそれは無くなりました。


それでも探せば1冊は見つかるのでは、と車両を変えて探してみても全くありません。まさに皆無状態なのです。


人々が週刊誌を読まなくなったからでしょうか。いや、それ以前に、値段が高くて買わなくなったのです。


2〜3百円ならまだしも、600円は僅か三~四十分(平均乗車時間)ぐらいの読み物代としてコスパが合わないと考えてのことでしょう。




週刊文春の価格推移

「週刊文春」の紙版の定価は、近年、紙や印刷コストの高騰などを背景に引き上げられており、2023年頃の約430円〜450円前後から、2026年現在は通常号で600円(税込)へと値上がりしています。合併号や特別定価増大号では価格が異なる場合があります。 google


2026年8月20日木曜日

T.Ohhira エンタメワールド〈7〉進次と和子の青春グラフィティ(6)

  

                     adobe stock

6

 「本当に何もしない? それだったら泊ってもいいわ」 女はまた微かに身体を震わせながら細い声で言った。

進次は飛び上がりたいほどの嬉しさをかろうじて抑えながら、女の手をとってゆっくりベンチを立った。港に背を向けて、また大通りのほうへ戻っていき、路地を渡る度に左右をキョロキョロ見渡した。


どこかにホテルか旅館のネオンサインがあるはずだった。大通りまで三本あった路地のうち、一本目と二本目は暗いばかりで、それらしきものは一つも見つからず、三本目まで来て、やっと左手五十メートルくらい先にオレンジ色のネオンサインが見えた。目を凝らしてよく見ると、「ホテル しのだ別館」と書いてあった。


 「あそこにしましょうか。他にはないみたいだし」 女は進次の手を握り締めたまま、不安そうな面持ちで黙ってついてきた。


 ホテルといってもそこは旅館風の建物で、近代的と言うにはほど遠く、かなり古びた建物で、戸を引くとガラガラという音がした。

帳場には初老の男の人が座っており、二人が入っていくと「いらっしゃい」とも言わず、ジロッと視線だけを向けたきた。


 「あのうすいません。僕たち兄妹でして、明日の朝の高松行きのフェリーに乗るんですが、それまで休ませたいただきたいんですけど」

歳の若さを警戒されて断られるのを恐れ、進次はそんなデタラメを言ってピョコンと頭を下げた。

 「二人部屋だと和室しかありませんよ。それでよかったら八千円」

先ほどの鋭い視線とは裏腹に、男の人はすでに警戒心を解いたのか、そうあっさり返事した。 

「八千円か、ちょっと痛いな」 

進次がそう思ったのは確かだったが、でもそれは表情には出さず、「はい、それでけっこうです」と即座に勢いよく応えていた。


 鍵を受け取ると、はやる気持ちを抑え、二〜三歩後をついてくる女を時々振り返りながら、少しきしむ階段を上り、二階へと向かって行った。


 目的の二〇二号室は右手突き当りの一つ手前にあった。鍵穴にキーを入れるとき、手が震えていたのか、うまくかみ合わず、すぐにはドアを開けることができなかった。

 女はドアの二~三歩手前のところで、下を向いて立ち止まっていた。

「入りましょう、さあ」進次がそう手招きすると、「でもわたし」と、この場になっても女は躊躇していた。

「さあ早く、大丈夫ですから」進次のその言葉で、女はしぶしぶ部屋に入ってきた。


和室と聞いていたのに、手前はソファとテーブルの洋室で、その奥の一段高いところに畳の小部屋があり、中には赤い夜具が敷いてあり、正確に言えば和洋折衷の部屋であった。 

「なんだか疲れましたねえ」そう言ってドサッとソファに座り込んだ進次につられてか、女もすぐ前にゆっくり腰を下ろした。 


 「何か飲みましょうか?」壁ぎわの冷蔵庫を目にした進次はそう女に尋ね、立ち上がってそちらのほうへ歩いて行った。

ビールとジュース、スタミナドリンク、それに三種類ほどのおつまみが中に入っていた。それらのうち、ビール二本とつまみ一袋を取り出した。


 「ビール少しぐらいだったら飲めるんでしょう?」 まだ十九歳だし、決してアルコールに強そうなタイプには見えなかったが、進次はとりあえずそう尋ねながら女の前にグラスを置き、八分ほどビールを注いだ。


 「お酒強いんですか?」進次が一杯目を一気に飲み干したのを見て、女はびっくりしたような表情で尋ねた。「弱いほうではないと思います」

 本当は「ハイ、とても強いです」と答えたかったのだが、「わたしお酒飲みは好きじゃありません」とでも言われたら困ると思い、少し控えめな返事をしたのだ。


 「わたし、これまでビール飲んだのは二回だけです。それも父や兄と自分の家で」

 少し前、夜具のほうにチラッと目をやり、一層身体を硬くしていた女が幾分和らいだ表情でそう言ったので、進次はいくらか気が楽になった。

 「二回か。でしょうね。まだ未成年なんだし、じゃあ飲んでもまだ苦く感じるだけでしょう」

「友達はみんな苦いって言うんですけど、わたしはそうでもないんです。喉が渇いたときなんか、ピリッとしてとてもおいしいと思うの」

 「へえー、二回しか飲んでいないのに、素質あるんだ。お酒飲みの」

 「わたしのうち、みんなお酒強いんです。父も兄も、それにお母さんも」

そう言いながら女はコップのビールをあらかた空けてしまっていた。それを見て進次はすぐにつぎ足した。


 進次としても、最初部屋に入ったときは緊張していて、この先の展開に少なからず不安を抱いていたのだが、女のそんな言葉でうんと気が楽になり、ビールをもっと飲みたい気分になってきた。


つづく

次回 8月27日(木)


2026年8月17日月曜日

燃え殻のエッセイ集 読むのはこれで5冊目だが

 


書評 「ブルーハワイ」 燃え殻 新潮社


この作品の中で著者はこのエッセイ集について「単なる日記じゃないか」と、ネットの書評レビューに書き込まれていたのを見て「ひどく落ち込んだ」と書いている。


「単なる日記」そう言われてみれば当たっているような気もする。その日出会った人、行ったところ、過去の些細な出来事、などを思いつくままに綴っていて、いうなればどうでもいいようなテーマが多いのだ。


それらをこの作者特有の感性で上手にまとめている。つまり切り口の良さと味付けの上手さで素材の弱点をカバーしていて、何とか人に読んでもらえる作品に仕立てているのだ。


まあこれも才能あってのことだろう。この著者のエッセイを読むのはこれで5冊目で、発行順に並べてみると



 『すべて忘れてしまうから』(2020年7月、扶  桑社 )

 『夢に迷って、タクシーを呼んだ』(2021年3月、扶桑社)

 『それでも日々はつづくから』(2022年6月、講談社 )

 『ブルー ハワイ』(2023年8月、新潮社 / 2026年3月、新潮文庫)

 『愛と忘却の日々』(2024年9月、新潮社)


となります。さてこれらの作品の評価ですが、私個人的にいちばん良かったのは「すべて忘れてしまうから」で、二番目が今回の「ブルーハワイ」です。

やはり最初の作品はネタも豊富でしょうし、気合の入れ方も違いますから高評価も頷けます。

では4番目に出した「ブルーハワイ」は、というと、2作目、3作目の評価がイマイチだったことを反省し、モチベーションを立て直し、気合を入れて臨んだからなのではないでしょうか。

あくまで私個人の勝手な推測ですが。



出版社内容情報

「週刊新潮はこの連載から読む」という中毒者、増殖中。待望の大人気エッセイ集。ふとしたきっかけで甦る記憶の数々。淀んでいた会議の空気を変えた女の子の大ネタ、僕が放った2点の答え(1000点満点中)、「串カツ田中」が恋しくなった縛りのキツい店、J-WAVEに寄せられたお悩み相談、母の決まり文句、祖母の遺言、柴犬ジョンの教え……ギスギスした日常の息苦しさを解きほぐす一服の清涼剤。

内容説明

週刊新潮、大好評連載。中毒者、増殖中!大人気エッセイ集。

目次

花火って途中で飽きるよね
愛には人の数だけ種類がある
はい、百九十万円
将来は南米に行くと思う
『ヌードの夜』、竹中直人さんに会った
五反田セブンスター
大橋裕之 マンガ「イラスト制作裏話」
僕はそのときずっと天井を見ていた
知らない町の知らない店のスタンプカード
首筋に芋虫
強みは誰にでもある、お金に繋がるかは別として
まあるくなって眠る、真っ白い猫
ドライブ・マイ・カー事件
仕事はできないが、嫌いになりきれない後輩
人間関係の果ての果ての姿
五万の傘が五分で壊れた
毎回同じで飽きませんか?
二十人以上のアイドルのサインを書けた先輩
座席すこし倒してもいいですか?
ちょっとスペース・マウンテン三回乗ってくる〔ほか〕

著者等紹介

燃え殻[モエガラ]
1973年生まれ。2017年『ボクたちはみんな大人になれなかった』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出典:紀伊国屋ウェブ