なんと言っても、プロ野球の醍醐味は豪快なホームランやヒットの打ち合いによる、はげしい点の取り合いである。
そんなシーンがすっかり影を潜めているのが、今年のプロ野球である。
点を取り合う打撃戦の中で、たまに繰り広げられる1点を争ってしのぎを削る投手戦にこそ意味があるのだ。
ところがどうだろう。今年の試合はその1点を争う試合があまりにも多い。例えば、最近の阪神タイガースで言えば、実に3試合も連続して「1対0」の試合を続けたではないか。
なぜこんなことが起こるかと言えば、それはすべて"低反発球導入"のせいで、決して投手が良いからでもないのである。
下の表は昨年と今年の本塁打、打率、防御率の予想数字による比較である。
これを見ると、いかに本塁打と打率が下がって、投手の防御率だけがよくなっているのがよくわかる。
つまり今年のぷろ野球を面白くないものにしている根拠を示す試合のデータである。
どうかよくご覧いただきたい。
■昨年と今年のチーム成績比較
チーム 本塁打数 打率 防御率
ソフトバンク 134→104 .267→.266 3.89→2.19
日本ハム 91→ 99 .274→.257 3.52→2.08
オリックス 146→ 69 .271→.235 3.97→3.22
西武 150→119 .271→.241 4.19→2.88
ロッテ 126→ 67 .275→.247 4.10→2.79
楽天 95→ 68 .265→.233 3.98→3.15
パ・リーグ 742→526 .270→.246 3.94→2.72
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ヤクルト 124→107 .268→.252 3.85→3.44
中日 119→ 94 .259→.228 3.29→2.54
巨人 226→105 .266→.226 3.89→2.84
阪神 173→ 78 .290→.244 4.05→3.12
広島 104→ 42 .263→.243 4.80→3.70
横浜 117→ 96 .255→.242 4.88→3.79
セ・リーグ 863→522 .267→.239 4.13→3.25
※今季の本塁打数は6月17日までの数字を144試合換算にして算出。打率と防御率は昨季年間と17日現在との比較
セ・リーグ(9月15日まで)順位 チーム名 試合 勝数 敗数 引分 勝率 勝差 得点 失点 本塁打 盗塁 打率 防御率 (太字がホームラン数)
1位 ヤクルト 115 59 42 14 .584 - 406 390 74 36 .249 3.20
2位 中日 114 56 51 7 .523 6 324 324 60 36 .228 2.48
3位 巨人 118 56 54 8 .509 7.5 361 342 85 90 .237 2.63
4位 阪神 112 53 54 5 .495 9 359 339 61 45 .252 2.72
5位 広島 115 50 59 6 .459 13 355 409 43 54 .246 3.30
6位 横浜 114 35 70 9 .333 26 346 486 64 16 .241 4.09
パ・リーグ(9月15日まで)順位 チーム名 試合 勝数 敗数 引分 勝率 勝差 得点 失点 本塁打 盗塁 打率 防御率
1位 ソフトバンク 120 71 41 8 .634 - 455 307 83 140 .266 2.43
2位 日本ハム 117 66 47 4 .584 5.5 429 313 75 75 .260 2.43
3位 オリックス 119 56 57 6 .496 15.5 401 436 63 42 .250 3.36
4位 楽天 121 56 59 6 .487 16.5 358 399 47 110 .243 2.93
5位 西武 117 51 60 6 .459 19.5 450 441 87 67 .250 3.26
6位 ロッテ 118 48 63 7 .432 22.5 352 410 38 77 .243 3.15
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