マイナス面ばかりが目立つ日本の高校生
これまでインターネットのサイトで日本の高校生に関するいろいろな記事を読んできました。
しかしそれらの記事には彼らを褒めるものはまったくと言っていいほどなく、ほどんどがマイナス面ばかりを指摘するものでした。
具体的に挙げると、例えば日本の高校生を米国、中国、韓国の高校生と比較して
・パソコン力が劣っている
・中国、韓国の生徒より英語力が弱い
・授業での発表が少ない
・授業中に居眠りをする生徒が多い
などのような、調査結果が出ています。
日本の高校生は受け身で消極的
さて、過去の記事はさておき、ごく最近も朝日新聞に次のような記事が載っていました。
記事のタイトルは「日本の高校生は受け身で消極的」というもので、「国立青少年教育振興機構」というところが、米国、中国、韓国、日本の4か国の同校生について
①学校の勉強に対する問題意識
②学校で教わったことに対する応用力
③学校以外での普段の学習時間
などを調査したものです。
その結果、①が米中に次いで3位であったのを除いて、②および③とも、4か国で最下位でした。
この結果から見れば日本の高校生は
・学んだことに対する問題意識が弱く
・せっかく学んだ知識を応用することができず
・学校以外の普段の勉強と言えば、テスト前の暗記学習だけで、自発的な研究学習はほとんどしない
というのが実情です。
でもなぜなのでしょう? 小学校、中学校と義務教育を終えて入る高校は、学習内容も充実していて、勉強にやりがいを感じ、次第に興味が湧いてくる時期のはずです。
すべての科目とは言いませんが、一部の科目に対しては強い興味がわいてきてもおかしくありません。
それ故に、日本に比べて米国、中国の生徒の学校以外での学習時間が長くなっているのではないでしょうか。
これに反して日本の生徒は学校以外での学習時間が少なく、この点から見ても、好きな科目に対する積極的アプローチが見受けられません。
三つの項目すべてで日本より上位だった米国と中国の生徒は、勉強に対する問題意識が高く、①の結果は中国が52.7%、米国が34.5%となっていて、日本の12.3%をはるかに上回っているのです。
また②の教わったことに対する応用力でも、日本が3.75であるのに対して、米国が45.8%、中国が25.9%、韓国10.4%と参加国とも日本を凌いでいます。
これに加えて③の学校以外の普段の学習時間も、日本が最下位とくれば、我が国の高校生にはまるで良いところがありません。
こうした結果を見て、当事者である生徒はどのように思っているのでしょうか。
生徒だけではありません。教える側の教師にしても、こうした現実を目の当たりにして、はたして改善のための取り組みはあるのでしょうか。
米国はまだしも、同じアジアの中国や韓国の高校生に負けていることに対して恥ずかしくないのでしょうか。
このところ「世界の大学ランキング」と銘打った、大学の格付けが注目を浴びていますが、数年前からのランキングの推移を見ていますと、アジアの大学の中でも、東京大学や京都大学の順位は次第に下がってきて、逆に中国や韓国の大学は少しづつ上がってきています。
これは今回の記事にあるように、中国や韓国に比べて日本の高校生のレベルが低いことと因果関係があるのでないでしょうか。
高校生及び高校教師の皆さんは、こうした現状から目をそらさず、事実として深く認識しなければいけません。
以下は朝日新聞の記事です。
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日本の高校生は受け身で消極的? 日米中韓4カ国調査
(朝日新聞電子版) 2017年3月13日
日本の高校生は米国、中国、韓国の高校生より勉強に対する姿勢が受け身で、上昇志向も弱い――。国立青少年教育振興機構が13日に発表した調査結果から、こんな傾向がわかった。専門家からは、日本の高校での授業に関係があるとの指摘がある。
勉強の仕方について聞いたところ(複数回答)、「問題意識を持ち、聞いたり調べたりする」で日本は12・3%となり、韓国の10・4%を上回ったものの、米国の34・5%、中国の52・7%に比べると大幅に低かった。
また、「教わったことをほかの方法でもやってみる」は日本が7・5%だったのに対し、米45・8%、中国25・9%、韓国10・4%だった。「授業中、積極的に発言する」でも日本は3・7%にとどまり、4カ国中最も低かった。
勉強時間でも「平日に学校の授業と宿題以外にどのくらい勉強するか(塾なども含む)」について、「しない」と答えたのは、日本が24・2%で4カ国で最も高かった。「試験前にまとめて勉強する」は69・3%に上り、「一夜漬け」の多さもうかがえる。
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