2018年9月1日土曜日

自分へのご褒美という言葉が気持ち悪い


ご褒美は他人からもらうもの


  耳にすると違和感やうっとうしさを感じる言葉はいろいろありますが、このところ気になっているのは「自分へのご褒美」という表現です。

最近この言葉を見たり聴いたりすることが次第に増えている気がします。  ということは、使う人が増えていることに他なりません。真似して使う人が多くなっているからなのでしょうか。

 でもこの言葉を気持ち悪く感じるのは何故なのでしょうか。

  最大の理由は言葉としての使われ方が不自然だからです。自分へのご褒美とは、自分自身が自分へご褒美を上げることを意味します。しかし、現実にそんなことができるのでしょうか。なぜならご褒美は人にあげたり、人からもらったりするものだからです。

  そのご褒美を自分が自分にあげることなどどうしてできるのでしょうか。自分へのご褒美と言っても、それは自分のお金でご褒美の品物を買うだけの話です。これをご褒美というのがおかしいのです。要は馬鹿げた言葉の誤用でしかありません。


自分を褒めてあげたい、もダメ


  自分へご褒美にニュアンスがよく似た言葉に「自分を褒めてあげたい」がありますが、この言葉も表現こそ違いますが聴くと違和感を感じます。

  自分が自分を褒めるというのは、自分に甘い人が言うことで、いわばうぬぼれの表れでしかありません。

  自分に厳しい人なら決してこんな言葉は使わないでしょう。そして自分を褒める代わりに人を褒め、ご褒美も人に挙げるに違いありません。


商売人は言う 「自分へのご褒美にこの際思い切って~を購入してはいかがですか」と


  「自分へのご褒美」や「自分を褒めてあげたい」は、もともと商売人が考えたセリフです。要するにそう考えさせることによってプレゼント商品をを売り込もうという魂胆なのです。

  それにまんまと乗せられのが自分に甘い人たちなのです。自分を褒めてあげたいとか自分へのご褒美などと甘いことを言っている人は商売人のカモになるだけです。


自分へのご褒美はナルチシズムのあらわれ


  ナルシシストとという言葉があります。日本語で言うと自己愛者なのですが、要は自分が愛しくて仕方がないひとのことです。自分へのご褒美などという人は典型的にこうしたタイプのひとです。

  こうした人たちは常に自分のことばかり考えていて、他人に対する思いやりが欠如しています。だからこそ本来は他人にあげるべきご褒美を、自分へのご褒美などと言ってしまうのです。

  自分へのご褒美はナルシシスト専用の言葉と考えて間違いないかもしれません。


英語に自分へのご褒美という表現はあるのか?


  自分へのご褒美を英語で言い表すと次のようになりますが、注目したいのは上のspoil myself を使った表現です。spoilには「甘やかして自分をダメにする」という意味がありますが、例文を見てもそれがよく表れています。


 (Spoil myself 例文)
I’ve really worked hard this year, so I ‘m going to spoil myself to a shopping spree today!(今年はすっごくがんばって働いたから、今日は(自分を甘やかして)買い物しまくるぞ!)

I don’t want to spoil myself with expensive sushi.
高価なお寿司を食べて自分を甘やかしたくないよ。


treal myself 例文)
But sometimes I treat myself to yukimidaifuku.
でも、時々、“自分にごほうび”で雪見だいふくを食べるんだ。

















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