「ある意味」は接続詞? それとも枕詞?
ラジオのプロ野球中継を聴いていて解説者の言葉づかいが気に障りました。「ある意味」という言葉がやたらに出てくるからです。それも「ある意味で」でなくて、でが抜けた「ある意味」です。
いつも思うのですが、この言葉に違和感を感じるのはこの点なのです。つまり「ある意味で」なら言葉の役割や使いかたがよく分かるのですが、でを抜いた「ある意味」になると、とたんに意味不明になるのです。
この解説者の「ある意味」の使いかたは例えばこうです。
「ある意味この選手は打撃好調ですから」
「ある意味ファンサービスは勝つことが一番です」
このようにまるでなんでもありの状態で、意味も使いかたも言葉として用を足していないのです。
いったいどういう意味で、何のために使っているのでしょうか。聴いている側には、単なる口癖としか思えません。
「ある意味」を接続詞のように使っている
上述のような、プロ野球解説者のある意味の使いかたは、まるで英語のandと同じような接続詞のようです。つまり、それと、とか、それで、という意味でしかないのです。
それならそれでもいいのですが、気障りになるのはその頻度です。接続詞でも「それで」ならなんら気にならないのですが、かわりに「ある意味」を連発されては耳障りにならないはずがありません。
「ある意味」をトレンディでしゃれていると思っているのか?
それにしてもこれほど「ある意味」という言葉をよく使うのは、どういった気持からなのでしょうか。
恐らく、最初は誰かが使っているのを聴いて、カッコいい、とかスマートだとか思って真似したのに違いないでしょう。
それが意外に使い心地が良いと感じ、回を重ねていくうちに、次第に意味も使いかたも考えず、どこででも連発するようになったのではないでしょうか。
要するに本人はこの言葉をトレンディでシャレていると思い込んでいるのです。ある心理学のサイトにこの言葉についての興味ある記事が載っていましたので下に引用します。
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「ある意味」という口癖から性格が分かる心理学
「ある意味」という言葉は、違う角度や視点で見たらという意味を含んだ言葉です。
「言い換えると」とか「別の言葉で言うと」などとよく似た意味の言葉です。
でも、「ある意味」が口癖の人の話をよく聞くと、違う角度や視点で見た話ではない場合が多いです。
別に、違う視点で見るわけでもないのに、いつでもどこでも普通の話であっても「ある意味」というのです。
実は、「ある意味」という言葉には、物事を直視せず、ぼんやりと内容を包み込み、あいまいに、婉曲的に表現する作用もあります。
そこで、明言や断言を避けて、自己主張をしたくない人、責任を取りたくない人が、この「ある意味」という言葉を使いまくるのです。
また、この口癖の人は、周囲との衝突を避けて、ケンカや争いは好まないタイプでもあります。
したがいまして、「ある意味」を頻繁に言う人がいたら、自己主張や争いを好まず、責任を取りたがらない人と判断すると良いでしょう。
どちらかと言いますと、気弱で、しっかりとした自分が確立しておらず、強い信念も持っていません。
最近の若い人達に多い口癖ですよね。
最近の若い人達は、強い信念や自己主張をぶつけて周囲と衝突したりケンカや争うことを嫌い、責任を取りたがらない傾向が見受けられますので、そのような気持ちを表現するためによく使われるようになった口癖と言えるかもしれません。
もちろん、現代の若者みんながみんな、責任を取りたがらず自己主張をしないと言っているわけではありません。
あくまでも傾向ですので、その点については、あらかじめご了承ください。
出典・「今すぐ使える新時代の心理学講座」
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