バス業界の運転手不足が深刻な問題になっている
高齢化社会真っ只中の今の日本では高齢になって定年を過ぎても仕事を続ける人が多くなっています。
高齢者の働き手は様々な職種に及んでいますが、自動車の運転手も例外ではありません。
運転手は運送業や輸送業に多いのですが、当然タクシー、バス業界もその中に入ります。
タクシー、バス業界の運転手不足は慢性的なものになっており、その証拠に求人広告にはいつも運転手の募集が載っています。
最近目立つのは女性運転手の募集です。ダンプでも女性運転手がいる時代ですから、バスやタクシーの運転手がいてもなんら不思議はありません。
外出の際にバスはよく利用しますが、今月に入ってもう2度も女性運転手に遭遇しました。
運転手不足で女性運転手が増えることは悪くないのですが、心配なのは男性運転手の高齢化が進んでいることです。
女性運転手にターゲットを合わせるのは男性のなり手が減少しているからであり、そうした中で男性を増やすためには年齢層を広げざるを得ないのです。
つまり、これまで60歳までが採用に上限だったものが、65歳までというふう次第に対象年齢が拡大されるのです。その結果、高齢の男性ドライバーの増加となるのです。
6人に1人が60歳以上、バスの運転手の高齢化対策で必要不可欠なのは
バス運転手の高齢化がどの程度進んでいるかは、現在の6人に1人が60歳以上であることにそれがよく証明されています。
6人に1人ということは、60人の運転手がいるバス会社には少なくても10人は60歳以上なのです。
バス運転手が急病、乗客も止められます 路線バスで導入
これを高齢化といわずなんと言えばいいのでしょうか。
今後この傾向はますます進んでいくのです。高齢ドライバーの事故が問題になっている昨今にあって、対策は待ったなしです
山交バス(山形県)の取り組みに注目が集まっている
高齢運転手が増えるバス会社にあって最も大切なのは事故対策です。運転中に健康状態が急変し、運転不可になったときの対策です。
それで注目されるのが山交バス(山形県)が打ち出した対策です。
その対策とは、電車のように、乗客の誰もが操作できる緊急停止ボタンの設置です。以下はそれに関する最近の朝日新聞の記事です。
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山交バス(山形市)の「ドライバー異常時対応システム」が画期的
バス運転手が急病、乗客も止められます 路線バスで導入
朝日新聞電子版 2019年10月10日
バスの運転手が急病などで運転できなくなった時、乗客が安全にバスを停車できる「ドライバー異常時対応システム」を、10日から山交バス(山形市)が路線バスの一部で採り入れる。同社によると、路線バスへの導入は東北地方で初めてだという。
同社によると、対象は市街地を走る路線バス3台。バスを停車させる「緊急ボタン」は、運転手用にハンドルの下、乗客用に運転席後部の柱の2カ所に設置。ボタンを押せば、ハザードランプなどで周囲に異常を知らせつつ、約10秒でバスを停車させることができる。ブレーキは2回に分けてかかり、乗客への危険が少ないという。
国土交通省東北運輸局によると、東北6県のバス会社で昨年までの5年間に、運転手の体調不良で運行が中断した事例は計47件。うち8件は事故につながったという。2014年には宮城交通(仙台市)の夜行バスが富山県のサービスエリアでトラック2台と衝突して28人が死傷。同局は運転手が事故直前に意識を失ったとみている。
山交バスは今年4月に仙台線の高速バス3台に導入しており、今後も増やしていく方針だ。安達吉宏・安全指導課長は「万が一の場合にはちゅうちょなく緊急ボタンを押してほしい」と話している。
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