EARTHQUAKE PREDICTION(地震予知)
James M Hendrickson (milestone 2,L5)訳:大平庸夫
地震は天災の中でもも最も恐ろしいものの一つですが、日本はその地理条件から世界でも有数の地震国といわれています。この国はこれまでに大きな被害を伴った大地震に幾度も見舞われています。私たちは地震が防ぎようのない災害であることをよく知っていますが、もしその地震が、いつ、どこで、起こるかを知ることができたなら、その地域に住んでいる人々を緊急避難させることによって多くの命を救うことができるのです。
一時は地震を予知するなどということは不可能だと考えられていました。しかし、中国、アメリカ、ロシア、日本などの科学者は諦めることなく、その方法を探る研究を続けてきました。
中国の人々の間では馬を初めとする多くの動物の奇妙な行動を地震の起こる警告として効果的に利用してきました。
中国の科学者は地震予知の為に最新の設備を使用しています。しかし、それに頼るだけではなく、様々な地鳴りとか、井戸の水位の変化、動物の奇妙な行動などを絶えず観察しています。こうしたことに関して、次のような興味或るデータがあります。
例えば、1975年の2月4日には、中国北東部でのマグニチュード7.3の地震を予知し、また1976年の5月29日には、中国とミャンマーの国境付近で二つのマグニチュード6.9のものを予知しています。これらの予知が非常に正確だったので、事前に多くの人々を避難させることができ、その結果数千人の命を救うことができた、と科学者たちは付け加えています。
しかしいつもがこうとは限らず、時としては間違った警告を出したことがあったことも権威筋は素直に認めています。
古い年代記の記録によれば、当時のお百姓さんたちは、馬が後足で立ち上がり急に走り出したり、犬がしつこく吠えたり、魚がしきりに飛び跳ねたりしているときは、必ず地面の下で何かよくないことが起こり始めているのだ、ということをよく知っていたそうです。
その他の危険な兆候としては、人々が普段あまり見ることのないネズミやヘビなどが大挙して隠れ場所から出てきたりすること。また別の年代記によると、雷の音のような地鳴りが地震が起こる数時間前に聞こえた、ともあります。
動物による警告のうち、いくつかのものは科学的にも説明が加えられています。
例えば、冬の真っ只中に凍え死ぬ危険をおかしてまでも、冬眠中のヘビが穴から出てくることがあるそうですが、これに関しては次のように関連付けています。
つまり、地震の前には地中の温度が極度に上昇するため、冬眠中のヘビは春が来たものと勘違いして出てくるのではないか、と言うのです。
馬、犬、猫、ネズミ、その他の動物の奇妙な行動については残念ながらあまりはっきり説明されていません。たぶん、これらの動物が地震とともに起こる、地鳴り、揺れ、土中の磁気、電気、普段と違う匂い、その他諸々の変化について人間より数段優れた感知能力を持っているからである。と科学者たちは考えています。
他の幾つかの例では、水泳中の人が陸上では聞くことのない音を水中で聴いたり、透明な井戸水が突然濁ったり、水位が変わったりすることもあったそうです。
地震前のこうした警告は世界中のいたるところで知られています。
アメリカインディアンの祈祷師は地震を予知できる、と言われていますし、ロシアでは真夜中に地震で家が崩壊する直前に、飼い犬が女主人を起こし、外に引っ張り出した、というようなことも報告されています。
これに似たような話はユーゴやニカラガでもあります。
この点では日本も例外ではなく、魚、動物、鳥、虫、ヘビや昆虫などの異常な行動についての数々の記録が残っています。
ナマズが地震を起こすなどということは、今では誰も信じないと思いますが、1923年の関東大地震が起こった一日前、東京の向島の池の水面を無数のナマズが飛び跳ねているのが目撃された、という実際の報告があったのも事実です。
こうした記録や報告は知られてはいるのですが、一般的には迷信として葬り去られています。これらの自然の警告を実際に系統立てて地震予知のために使った最初の国は中国です。この方法による1975年と1976年の画期的な予測は世界中の科学者を、この方面の研究へと目を向けさせました。彼らは古い記録を調べると同時に、最近起こった地震についての調査もはじめました。
はたして日本でもこうした自然の警告を使って、地震予知を成功させることができるでしょうか。幾人かの科学者たちは、日本と中国の地震のメカニズムの違いを理由にあげて悲観的な見方をしているようです。しかし、この分野の研究は始まったばかりですし、これらの自然の警告も他の近代的な予知機器と併用することによっては、地震予知の助けになることは大いにあり得ることだと思います。
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