毎日欠かさず目を通している自分のブログ「生涯現役日記」の管理ページ「bloggerダッシュボード」ですが、その中には昨日読まれた記事のタイトルが載っています。
それを見ていると2つ気になるものがありました。
いずれも古い記事ですが読み返してみると両方とも「いいな」と感じました。
そこで気づいたのは、今後こうした記事をアーカイブシリーズとして再掲載することでした。
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「生涯現役日記」アーカイブ記事シリーズ
(1)
2017年3月21日火曜日
「やればできる子」・ できない子と親にとっては魔法の言葉か?
YDK=やればできる子 テレビのCMでもよく聞く、YDkとも呼ばれる「やればできる子」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。 これについて、今をときめくベストセラー作家、百田尚樹氏が自著「大放言」という本の中で面白いことを言っています。
それは、学校の成績が悪いにもかかわらず、そのことを少しも自覚せずに、「自分はやればできる子だから心配しなくてもいい」と思っている子どもが非常に多いというのです。
「やればできる子」 は実によくできていて、聞いても、口に出しても、すごく語感の良い言葉です。
それ故に子どもたちが受け入れやすいのか、誰も彼もが、自分のことを「やればできる子」と思っているというのです。
百田氏は、こうした子どもたちを「やればできると思っているバカ」と切り捨てていますが、大胆にこう言い切れるのが彼の凄いところです。
とはいえ、これを聞いて同感と思う人は多いのではないでしょうか。
百田氏が言うには、やればできる子は、子どもだけでなく、親もそう思っている人が多いそうです。
そうなるのも、この言葉が教師にとって非常に都合がよく、成績が悪い生徒と、その親を落胆させず、逆に励ます力を持っているからです。
つまり、教師は生徒と親を前にして「がんばれよ、君はやればできる子なのだから」と言い、それを聞いた生徒と親は、何の疑いもなく、その気になってしまうのです。
この落ちには笑わせられた
なお、この話には落ちがあり、これが実に面白いのです。 何が面白いかと言えば 「やればできる子」 という言葉を信じ続けるには、間違っても、実際にやろうとしないことです。と真理を突いていることです。
どうですか?おもしろい話でしょう。
「やればできる子」 この言葉はできない子と親にとっては、まるで魔法の言葉のようではありませんか。
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(2)
2022年3月4日金曜日 酒井順子 まるで社会学者のような男女格差について
の鋭い考察
書評「男尊女子」酒井順子 集英社 この著書の作品に接するたびに思うことがあります。それはどの作品も作家が書くエッセイとしてのあるべき姿としての条件を備えていることです。それは以下の3つです。 ・読者が手本にできるような良い文章を書く ・読者の心に栄養剤になるような味わい深いことを書く ・新鮮な知識で読者を啓蒙する 要するに読者が作家のエッセイを読むのは、勉強になるような優れた文章に触れ、味わい深い文章で心満たされ、新しい知識を獲得できることを望んでいるからなのではないでしょうか。
なんという名言なのだろうか! 酒井順子が紹介する言葉
読者はエッセイを読んで新しい言葉を覚えたいと思っています。したがってその望みを果たしてくれると満足感を得ることができます。 例えばこの本で次のような言葉が出てきます。 《 結婚は男のカネと女のカオの交換 》 心理学者の小倉千加子さんが言った言葉だそうですが、何という名言でしょうか。 これ一つだけでも、この本を読んだ価値があります。 また著者は男と女の外見(カオ)を偏差値で表し、その高低で 《 男のカオ偏差値が低く、女のそれが高いカップルが理想的 》 と表現しているのも非常にユニークです。 このことについて著者はこうも付け加えています。
カオ偏差値40の男でも、カオ偏差値70の女と結婚できるが、頭の場合はそうは いかない。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男尊女子 (集英社) 酒井順子 (著) 日本社会の男尊女卑感は、男性側だけによるものなのか。女性側にも「男が上、女が下」という意識があるのでは? “男尊女卑”が今なお続く理由は、女性の側にもあることを示す20編... 商品説明 日本社会の男尊女卑感は、男性側だけによるものなのか。女性側にも「男が上、女が下」という意識があるのでは? “男尊女卑”が今なお続く理由は、女性の側にもあることを示す20編を収録する。 酒井順子とこの本 2004年の「負け犬の遠吠え」で有名になった著者のエッセイ。“男尊”の傾向がある女性で、「男尊女子」。気持ちは分かりますが、言葉としては通じにくいのではないでしょうか。 本として、内容の重複が少し気になりました。 男性か女性という、差別が薄まっても、今度は仕事が出来るかどうかという、よりシビアな区別の時代となる感じがします。 出典:honto |