2023年7月1日土曜日

年金生活 Webライターの告白 ネットで稼ぐのは楽ではない シリーズ(1)~(4)全100,101文字 一挙掲載


(その1)

Webライター始めたのは少ない年金で生活が不安だったから


Webライターを始めたのは年金生活者になってからで、それも受給開始から10年近くも経った69歳の時でした。

いかに高齢化社会だとはいえ、これほど高年齢でライターなど始めるのも珍しいのではないでしょうか。

始めた動機は年金の支給額が少なく、それだけでは生活が苦しかったことがひとつ、それに、その頃になってネットのライター募集広告が急に増えはじめてきて、Webライティングの仕事が比較的豊富にあったからです。

それ故に始めたばかりのころでもライティング案件はたくさんあり、仕事の量には不足はありませんでした。

つまり、始めた時期がちょうどWebライティングの成長期にあたっていてスタートのタイミングが非常に良かったと言えるのではないでしょうか。


仕事はネットのライター募集サイトから


上に書いたように、始めたばかりのWebライティングだとはいえ、時期が良かったのかネット上の豊富な募集案件に恵まれたため、仕事の量にはなんら不足はありませんでした。

仕事の案件はすべてがインターネットのライター募集サイトからでした。当時は今に比べまだWebライターの数が少なかったことから、いわば買い手市場の状態にあり、それも仕事量に恵まれた大きな理由です。

こうした状況からWebライター初心者としての活動でしたが、当初の心配をよそに比較的順調な滑り出しでした。


テスト記事を書いて送ったら、たいてい採用された


仕事に恵まれライティング案件が豊富にあったとはいえ、募集に応募したらすぐ仕事が提供されるわけではなく、ライターとして採用されるまでには一定のプロセスを踏まなければなりません。

まず応募先にこちらの略歴や応募動機、それに仕事に対する意気込みなどを書いて送ります。相手はそれを見て不足がなければ、たいていはテスト記事の執筆を要求してきます。これはテーマやキーワードなどが決められた1000~2000文字程度の記事執筆です。

要はこのテスト記事の出来を見て採否が決められるのです。となれば、ここが応募活動でいちばん力が入る場面です。採用されるべく相手に満足してもらえる記事を書かなければいけないからです。

でもこれについてはある程度自信がありました。なぜならその時までにすでに5年ぐらいブログ運営実績があり、ほぼ毎日のように人に読んでもらうための記事を執筆していたからです。

ブログは人が読んでくれてこそ価値があるものですから、相手を引き付ける記事を書くための訓練が常に強いられていたのです。

それがあったためか、テスト記事で失敗して不採用になることはまずありませんでした。


記事の発注者はいろいろで医師からの注文もあった


ネットのライター募集サイトを使ってWebライターの求人を行う人たちは、ライターの書いた記事を自分のサイトに掲載して、それをもとに集客をもくろんでいるのです。

発注者(業者)はいろいろで、金融、住宅建築、不動産取引など多種で、珍しいところでは医学会というのもあり、あるとき企業で産業医をしている人からの発注を受けたことがありました。

記事のテーマはメンタルヘルスで、ネット検索や専門の書籍を使って四苦八苦しながら情報を調べてPTSDに関する記事を書いた記憶が残っています。


報酬 の平均は1文字0.8円ぐらい


ライティングの仕事量に関しては最初からめぐまれ、なんの不足もなかったのですが、問題は質の方、つまり報酬の点です。

これの何が問題なのかといえば単価が安い点です。ライターの報酬は、普通の仕事のように1時間いくらという時間給ではなく、執筆した原稿に対して1文字いくら、という形で決められます。

もちろん一定ではなく、その額は募集先によって異なるのですが、たいていは1文字1円前後で、始めた当初は、その幅が0.5~1,5円ぐらいだったのではないでしょうか。

これだと、例えば2000文字の記事を書いた場合の報酬は1000~3000円ということになり、上下で2000円も差が出てくるのです。これを平均すれば1文字0.8円ぐらいになり、2000文字で1600円ということになります。

ライター初心者が2000文字書くには、速い人でも2時間くらい要しますから、時給に直せば、最高でも900円ぐらいにしかならず、在宅ワークで体が楽だとはいえ、報酬的には決して割のいい仕事とは言えません。


最初は報酬がちゃんと振り込まれるか不安だった


報酬的には決して割のよい仕事とは言えませんが、初心者であるうえ、在宅でできる点をメリットと考え、我慢して妥協することにしました。でももう一つ別の心配がありました。

というのはネットを通して見ず知らずの人から発注された仕事に対して、はたしてきっちり報酬が支払われるかどうかという不安がよぎったのです。

もちろん仕事開始前には両者間で契約書を交わします。それには報酬1文字いくらで、支払方法は銀行振り込みで、毎月何日までに振込などの記載があります。

とはいえ、両社の面談での取り決めではなく、単なるネット上での安易な契約に過ぎないのです。これで不安がないといえばうそになります。


初めて報酬として振り込まれた金額はささやかな6300円

Webライターとして貰った約5年間の報酬はエクセルで票を作って記録しています。それを見るといちばん最初の仕事の報酬額は6300円というささやかなものでした。それも約束日にきっちりと振り込まれず、こちらが請求して、予定日を遅らせてやっと振り込まれたものです。上で書いた、「報酬がきっちり降り込めれるかどうか不安だった」という心配が、図らずも当たったわけです。


月に5万円稼ぐには、いったい記事をどれくらい(何文字)書いたらいいのか


少ない年金だけでは生活が苦しいから、という動機で始めたWebライティングですから、なんといっても大事なのは収入です。何も月に何十万円とは言いませんが、生活を補うためには少なくても毎月5万円ぐらいは必要です。

5万円といえば、大卒初任給の4分の1ぐらいの少ない金額ですが、これをネットで稼ぐとなると簡単ではないのです。

では、どれぐらいの量の記事を書けば5万円になるかを具体的に見てみましょう。ここでは上で上げたように記事報酬を1文字0.8円として計算してみます。


(計算例)

0.8円×2000文字=1,600円(執筆に2時間~2時間半かかる1記事の賃金)

1,600円×1,5=2,400円(1日4時間ぐらいで3000文字書いた賃金)

2,400円×21日=5,0400円(平均4時間ぐらい21日間働いた賃金)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

年金生活Webライターの告白 ネットで稼ぐのは楽ではない

シリーズ(1)~(4)


(その2)


当時はクラウドワークスやランサーなどクラウドソーシングはまだなかった


前にも書きましたが、私がWebライターを始めたのは69歳のときで、今から10年ぐらい前ですが、当時は今のような、例えば、ランサーズとかクラウドワークスなどのようなライターに仕事を提供するクラウドソーシングはありませんでした。

したがってライティングの仕事は企業から直接発注を受けるか、あるいは個人経営の小さなライター募集エージェントから得ていました。

このように当時はまだWebライター市場が発達しておらず、競争原理が働かないため報酬の幅が狭かったといえるのではないでしょうか。

つまり、報酬の多くが1文字1円前後に集中しており、今クラウドソーシングが提供するライティングにあるような1文字2円とか3円以上という案件がほとんど見受けられませんでした。



ウェブの記事はこうして書く


記事を書く前にグーグル検索ページ上位10位までの記事のキーワードを調べる


Webライターとしての記事の書き方を具体的に述べてみますと、まず最初は決められたテーマについてgoogle検索にかけ、検索結果の1ページ目に出てきた検索順位第1位~10位までの記事から主要なキーワードを拾っていきます。

なぜこうした作業が必要なのかと言えば言えば、記事を書くことが仕事とはいえ、Webライターとなると雑誌のような紙媒体のライターに比べて書き方が異なってきます。

なぜなら紙媒体の読み物は実物を手に取って読むのですが、ウェブ上のものは本のように手に取ることはできません。

記事を読むためにはまず検索が必要になります。その検索によって必要な記事を画面にUPさせるのです。

必要な記事を出すためには検索のキーワードが必要になりますが、それは求める記事に対して関連が深いワードであるほど、より望ましい結果を得ることがでるのです。

つまり求める記事のためのより良い検索ワードを得るために、上でも書いたように、事前に検索結果1位から10位までのキーワードを調べなければならないのです。


記事の資料にする本はいろいろ買った


Webライターが書く記事はジャンル(領域)が広いため種類が多く多種多様です。ありとあらゆる幅広い業種から注文があるからです。

そうした記事を書くために、書き手には高度でかつ幅広い知識が要求されるのはもちろんのことです。とはいえ事前に頭に入れておける知識には限界がありますから、足らないものはその都度調達します。

どのようにして得るかといいますと、最も多いのがネット情報です。google検索によって記事テーマに関する情報をゲットするのです。でもそれだけでは不十分です。というのは、ネット情報はたいていのWebライターが利用しているため情報のバッティングが多くなり、その結果、似通った記事が生まれる可能性が高いのです。

似たような記事が多ければ、他と差別化を図ることができませんから、当然の結果として記事の価値が低くなります。これを避けるためには、ネットばかりに頼らず、他の情報ルートを探るべきです。

その一番手となるのが書籍です。書籍はネット検索検索のように手軽ではなく、それに費用がかかるため情報収集手段として誰もが使うことはありません。その結果競合が少なくなるので希少性の高い新鮮な内容の記事を作ることができるのです。



タッチタイピングができないと話にならない


Webライターに大切なことは、文章技術だけではありません。これと同じぐらい大事なことがもう一つあります。それは書くスピードです。

といっても手書きでやるわけではありませんから、そちらの方のスピードは関係ありません。

言うまでもなく、Webライターはパソコンに装備されているWordなどワープロツールを使います。それによりキーボードでタイピングして文字を入力していくのです。

タイピングは技術ですから個人差があります。特に差があるのはスピードです。それはタッチタイピングができるかどうかで、入力速度に天地の差があるからです。

タッチタイピングとはキーボードの文字を見ずに打つ方法です。つまり、目をキーボードではなく、参考資料の方にやって文字を打つのですから、いちいち手を止めることなく、タイピングのスピードがスムーズで速く進みますから、結果として記事の完成が速まるのです。

1文字いくらという文字数で勝負するWebライターに求められるのは、なんといっても時間効率です。それゆえにWebライターにとってはタッチタイピングの技術は欠かせない大切な要素なのです。




納品した記事はコピペックチェックツールで調べられられる


執筆を終えた記事は発注者へ納品します。納品の仕方はメールに添付して送るという簡単なものです。

でも納品したとはいえ「これで終わった。やれやれ」と安心するわけにはいかないのです。なぜなら、この後には発注者の厳密な記事チェックが待っているからです。

発注者がどのように記事をチェックするかといえば、お決まりのように、文章体裁や誤字脱字などがチェックされるのはもちろんですが、それ以上に力を入れて調べるのがコピペチェックです。

コピペチェックとは、納品された記事に他のサイトからコピーして載せた個所がないかどうか調べる作業です。

これは目視では効率が悪くなりますから専用のツールを使います。いまはこれをやるための便利なコピペチェックツールがいろいろ出ています。

記事をこのツールにかけると、コピペがあればすぐその個所が分かるのです。もちろん書き手のライターもこのことは承知していますから、誤ってコピペした部分を挿入していないかと、納品前に十分チェックすることは言うまでもありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

年金生活Webライターの告白 ネットで稼ぐのは楽ではない

シリーズ(1)~(4)


(その3)


書いた記事、審査に通らなかった場合は


Webライターが書いた記事は発注者に納品されますが、その後どのように利用されるのでしょうか。

前項でも触れましたが、納品された記事は発注者によって厳密に審査されます。チェック項目は、文章構成、誤字脱字などの一般的なことはもちろんですが、それ以上に注意が払われるのが、コピペチェックです。

コピペがあれば記事としての価値が損なわれ、いわゆる欠陥記事になり、サイトなどに掲載することはできなくなります。

したがってこうした記事は苦情をつけてライターに返却します。もちろんこの場合の報酬は支払われません。つまりコピペがあれば発注者、ライター双方が手痛い損失を被るのです。

幸い当方が納品した記事にはコピペはなく、文章などの一部で修正依頼があったものの、大方は審査に通り、苦情付きで返却されるようなことはありませんでした。



自分の記事が20以上のインターネットサイトに載った


では発注者のチェックが終わり、無事審査に通った記事はその後どのように利用されるのでしょうか。

発注者がWebライターに記事を募集するのはたいていは商業目的ですから、集客手段として記事は自社サイトに掲載します。

とはいえ記事を執筆したライターに対して、どのようなサイトに掲載したかなどと報告されることはありません。ではライターはどうしてそれを知るのでしょうか。それはライター自身が調べるのです。

記事を担当したライターとしては、当然自分の書いた記事がその後どのように利用されているかは気になります。はたして自分の書いた記事は役立っているのだろうか。

もしそうだとしたらどんなWebサイトにどのような形で掲載されているのだろうかと気がかりなのです。


書いた記事をコピペチェックツールにかけると掲載サイトがでてくる


記事が掲載されたサイトを知るにはどうしたらいいだろうかと考えた結果、自らがコピペチェックツールを使って調べることを思いついたのです。

コピペチェックツールは記事発注者が記事のコピペの有無を調べるために開発されたものです。でもこれを逆手に取って記事執筆者が使えば、記事掲載先に到達できるのでは、と気づいたのです。

コピペチェックツールはいろいろ出ていて、そのほとんどは有料なのですが、少ないとはいえ中には無料のもの(例えばコピラン)もあります。報酬の少ないWebライターが利用できるのは、もちろん無料のものです。

チェックのやり方は簡単です。自分の書いた記事をコピペチェックツールに入れチェックボタンを押すだけです。文章の長さにもよりますが、1分もすれば結果が出てきます。

チェックを終え、記事がネットのサイトに載っていれば、そのサイト名が出てくるのです。

このようにして調べてみたところ、当方の執筆した記事は、いろんな分野で、20件近いサイトに掲載されていることがわかりました。

これを知って「自分の書いた記事がインターネットに役立っている」と思い、Webライターとしてのやりがいと満足感を得ることができました。



クラウドソーシングができて報酬は上がったが仕事はやりにくくなった

クラウドソーシングの登場でWebライティング市場は一変した


クラウドソーシングの出現でWebライティング業界がどのように変わったかといいますと、まず第一に市場が拡大しました。

それは組織力や資金力にものをいわせて大企業も含めて多くの会社から集めた大量の案件を一気にWebライター募集に回してきたからです。

でも案件が増えたからといって喜んでばかりではいられません。なぜならスケールメリットを狙ったクラウドソーシング側が宣伝攻勢をかけてライター増員を図ったからです。

その狙いは当たり、募集案件規模拡大とともにWebライターの数も負けないほど増えたのです。

それも徐々にならいいのですが、一気に増えてしまったので過当競争が生じ、ライター同士の記事の奪い合い(記事争奪戦)が始まったのです。

このためWebライターがライティング案件を獲得するのが以前に比べてうんと難しくなったのです。



クラウドソーシングでライティングの仕事を獲得するのは至難のわざ


Webライターが苦戦を強いられるようになったのはライティング案件争奪戦だけではありません。

ライター数が増えたのを喜んだのはクラウドソーシング側です。売り手市場になって一気に優位に立ったと判断して、ライター募集条件を以前より厳しくしてきたのです。

そのためWebライターが募集に応募しても、なかなか審査に通らなくなったため、次第に応募件数を増やすようになりようになっていき、例えば、一度に10件~15件程度応募して、それでなんとか1件審査に通ればいい、という厳しい状況になってきたのです。

このようにクラウドソーシングで、1文字1円以上の比較的報酬の良い案件を獲得するのは至難のわざになってきたのです。


失敗に終わった報酬値上げ交渉


Webライターを始めた当初の報酬の平均が1文字0.8円ぐらいだったということは、このシリーズ(その1)でも書きましたが、そうした低い報酬も初めのころはいいとしても、慣れてくるにしたがって不満が生じてきます。

クラウドソーシングなどに1文字1円以上の募集がざらにあることを知ったのも原因です。

それで考えついたのは、記事発注者に対しての報酬値上げ交渉の試みです。やる前は不安でしたが勇気を出して「報酬を上げてほしい」と申し出たのです。

しかしそこは厳しいビジネスの世界のこと、相手もしたたかなのはいうまでもありません。

5件以上の交渉に臨み、かろうじて0.2円程度上げてくれたところが1件だけ、という惨憺たる結果で、はっきりいってこの時の値上げ交渉は失敗に終わったといえるでしょう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

年金生活Webライターの告白 ネットで稼ぐのは楽ではない

シリーズ(1)~(4)


(その4)


Webライター5年でどんな記事を書いてきたのか

専門分野「ホテル」に関する記事がもっとも多かった


依頼を受ける記事のテーマは、できることなら自分の経験の深い、いわば専門分野のものが歓迎できるのですが、そればっかり目指していると市場が限定されるため対象ターゲットが狭くなりますから発注を受けるチャンスはうんと少なくなります。

したがってより多くの注文注文を受けようと思うなら、分野は限定せず、未知のジャンルも含めて、ターゲットはできるだけ幅広く設定するのが望ましいのではないでしょうか。

未知の分野といってもネット検索や書籍資料を駆使すれば記事の執筆は何とかなるものですから。


専門分野の記事は作業効率が良くて時間短縮ができる


とはいえ、作業効率の面から言えば専門分野の記事に限ります。専門分野だと記事に必要な知識はすでに頭の中に入っていますからネット検索やその他の資料に頼る必要がなくなり執筆に専念できるため、それが大きく時間短縮につながるのです。

そうしたこともあって、執筆時間量が少ない割には執筆量は多く、結果的には扱った案件の中では、専門分野のホテル関連記事が最も量が多かったようです。

理由はいうまでもなく、ホテルマンとしてのキャリアが20年以上あったからです。



ホテルの次に多いのが消費者金融


ホテルの次に2番目に多かったテーマは消費者金融です。こういえば「あれっ、消費者金融でも働いた経験があるの?」と誰かに聞かれそうですが、そういうことはありません。

ではなぜ記事が多く書けたのでしょうか。ずばり、それはこの業界に関わったことが多かったからです。どういうふうに関わったかというと、言わずと知れた利用者(客)としてなのです。

20~30代前半のころは務めていたホテルの給料が安かったこともあってお金に苦労することが多く、このころ初めて世に出現して急成長を見せた「サラ金」(当時はサラリーマン金融と呼ばれていた)が非常に便利の思えました。

それゆえ、給料日前などによく利用するようになり、それまで金策で利用が多かった「「質屋」」から鞍替えして、度々利用するようになったのです。

最も利用が多かった業者は「マルイト」というところですが、ここはその後大企業に急成長した「アコム」の前身です。

マルイトだけではありません。次いで出てきた「プロミス」や「アイフル」なども併せて利用していたのです。

これだけいろいろな業者を利用してきて消費者金融の事情に詳しくないといえばウソになるでしょう。



意外だが、住宅に関する記事も多かった


意外だったのは、どちらかといえばなじみの少ない未知の分野と言っていい「住宅」に関する記事がホテル、消費者金融に続いて3番目に多かったことです。

住宅はホテルや消費者金融のように、働いた経験とか客として深く関わったこともありません。したがって専門知識など皆無といってもいいはずなのに、なぜ3番目に多い量の記事が書けたのでしょうか。

その理由はずばり記事報酬の額にあります。執筆料金がそれまで受けた他のどの分野よりうんと高かったのです。

このシリーズ(その1)で記事の平均報酬は1文字0.8円と書きましたが、最初に注文を受けたある建築業者は、なんとその2倍以上の1文字2円の料金で記事を発注してくれたのです。

これにすっかり気をよくして執筆に精を出したことが、多数の記事を書く結果につながったのです。

その執筆に際しては、ネット情報だけに頼らず、書籍を中心に多くの資料を取り寄せ、必死に取り組んだのは言うまでもありません。


DeNa問題がWebライターの存在を危うくした


インターネットの普及とともに順調に成長を続けたWebライティング業界ですが、成長のピークを迎えたころになって、思いがけないところでほころびが見えてきました。

ピーク時に盛んになっていた「まとめ記事」というジャンルで落とし穴が待っていたのです。

まとめ記事というのは人々の検索が多い様々な分野の便利情報を利用しやすくまとめたお役立ちサイトのことです。

インターネットでの人々の膨大な数の検索に答えるべく記事の数もまた膨大ですから、これを調達するためには執筆してくれる大量のWebライターが必要でした。

ここに目を付けたのがDeNaで、いきなり業界に参入してくるや否や、多くのライターを雇い入れ記事の大量発注を始めたのです。


「DeNaまとめ記事サイト」は大きな社会問題になった


しかしことを急ぎすぎたため大きなミスを犯してしまったのです。それはライターをせかしたり、煽ったりして短期間に大量の記事を要求しすぎたためクオリティが追いつかず、そのため品質の低い粗雑な記事が大量に出てきたのです。

粗雑な記事とはライティング技術が低いのはもちろん、それ以上に問題視されたのは他のサイトからの盗用、つまりコピペ記事が大量に発覚したのです。

なにしろこれを大企業DeNaがやったのですから問題にならないわけがありません。「DeNaのまとめサイト問題」として、新聞に大きく取り上げられ、当時の一大社会問題になったのです。



Webライター5年この間で稼げた金額はやっと200万円

5年間にわたって15以上のいろいろなジャンルで20あまりのサイトに載せる様々な記事を書き続けて、その結果いったいどれくらいの額の報酬が獲得できたのでしょうか。

Webライターを始めた当初の目標は月額報酬5万円でした。それで計算すると、年60万円ですから、5年で300万円になるはずでした。

しかし何事も目標通りには進まないのが世の常です。私の目標もその例にもれず、達成には至らず、目標より100万円強も少ない200万円弱に終わったのです。

これだと月になおせば、5万円にははるか及ばない3万5千円程度程度でしかありません。

決して高望みをした訳でもなかったのですが、年金生活者としてのWebライターの世界もなかなか厳しいものでした。


(終わり)




0 件のコメント: