書く人は読む人
作家やライターなどと呼ばれる人たちはものを書くのが仕事ですからたいていは毎日絶え間なく何かを書いています。
でも書くことがすべてかというと決してそうではなく、半分ぐらいは「読むこと」に時間を費やしています。なぜそうするかといえば、読むことなしには書くことができないからです。
そうなのです。読むことによって書くことを生み出していて、両者はいわばインプットとアウトプットの相関関係にあるのです。
こうしたことが、書く人は読む人とも言われる所以なのではないでしょうか。
インプットとアウトプットの関係
読むことと書くことがなぜインプットとアウトプットの関係にあるのかというと、インプットがあってこそアウトプットが可能になるのであり、読むことがあってこそ書くことができるからです。
これは商店が卸市場でモノを仕入れて、それを売るように、書く人は多くのものを読むことで情報や知識を仕入れ(インプット)しておき、それによって書くこと(アウトプット)ができるのです。
比率は3対7ぐらいが理想的と言われるが
インプットがあってアウトプットがあるとはいえ、これら二者の量は決して同等ではなくかなりの差があるようです。
理想的な比率はインプット(3)に対してアウトプット(7)と言われています。でもこれはなぜなのでしょう。
3対7という二社の差は確かに大きいのですが、でもこれは学習時における限定的なもので、学習で記憶率を上げるための効果的な比率を言っているのであって、あらゆる場面に通じるものではありません。
モノを書くのが仕事の小説家はインプットの方が圧倒的に多い
上で挙げたように、インプットとアウトプットの比率は3:7が理想的と言われていますが、これはあくまで学習上の記憶に当てはめて言われることで、作家のようなモノを書く人のインプット、アウトプットは対象になりません。
それを証明するように、例えば小説家の浅田次郎は1日1冊の本を読むのを日課にしています。これだと一週間に7冊、一か月だと30冊にも及ぶ凄い量です。
浅田次郎だけではなく、今は故人になった井上ひさしは、本屋への支払いが毎月30万円を下らなかったといいますから、読書量は浅田次郎を上回るかもしれません。
このようにプロの作家ともなると、これだけたくさんの本を読んで情報や知識をインプットしているのです。
ではアウトプットの方はどうでしょうか。浅田次郎は人気作家で、複数の雑誌に連載小説を書いており、どちらかといえば多作であるだけに、作家の中ではアウトプットが多い方ではないでしょうか。
小説家(作家)にインプットとアウトプット(3:7)の比率は当てはまらない
とはいえ、一日一冊というインプットの量に及ぶものではありません。
仮にインプットとアウトプットを五分五分としても、一日一冊の本を書くことは不可能で、もっとも速くて1週間はかかるでしょう。
だとするとこの場合のインプット、アウトプットの比率は1:7になりますから、小説執筆に限って言えば、アウトプットはインプットの7分の1に過ぎないないのです。
(仮にブログなどの執筆があったとしても、アウトプットは1ぐらい増えるだけ)。
したがって小説家に対しては前述の3対7というインプットとアウトプットの比率はあてはまらないのです。
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