(その4)
おひとりさまのメリットとデメリット
おひとりさまのメリットとは
・誰にも気を遣わずのんきに暮らせる
人はどんな時に疲れやストレスを感じるかと言うと、いろいろある中で人と接触するときがいちばん大きいのではないでしょうか。人との接触はとにかく気を使います。
それは相手を喜ばしたい、相手に嫌われたくない、という気持ちが働くからです。接触している間中、どんなことを言えば喜ばれるか、こんなことをしたら楽しんでもらえるか、などなど、相手と一緒の時はずっと気を使いっぱなしです。
これで疲れないはずがありません。それが証拠に、相手と別れた瞬間のホッとした気持ちは何と心地よいことでしょう。
そうなのです。疲れやストレスと無縁の生活を送りたいがゆえに、人は「おひとりさま」を選択するのです。
・生活費がかからず貯金ができる
おひとりさまは概して物欲があまりありません。それゆえのモノの購買が少なくそのぶん出費も減ります。
もちろん食費をはじめ生活費はかかりますが、大勢の家族と暮らす時と比べると、その額は微々たるものです。したがって年金がそれほど多くなくても、しぜんにお金が貯まります。
貯まったお金も若い時のようにレジャーに費やすことも少ないため大きく減ることもありません。
お金があると精神的なゆとりができ、それがおひとりさまの大きな安心感につながるのです。
・何をするにも自分だけで決められる
何かするとき面倒なのは人に相談することです。自分ひとりで決めたら家人が気を悪くするのではと思って、自分だけでは決められないのです。
ひとりで決められないことへの葛藤と、相談することへのプレッシャーからストレスを感じます。
でもおひとりさまなら相談する相手がいないので、そんな心配は無用です。何をするにも、どこへ行くにも、自分ひとりで決められますから、面倒さがなく、プレッシャーもストレスも感じません。
これもおひとりさまの大きなメリットです。
おひとりさまのデメリットとは
・孤独死に対する恐れがある
高齢化社会では死者が多くなるのですが、一般の人の老齢での死亡は有名人でない限り話題になりません。でも例外があります。それは孤独死という死に方をした場合です。
この死に方に限っては新聞などメディアで報道されることがよくあります。
例えば「団地で85歳の女性死亡、1か月間誰も気づかず」というふうなセンセーショナルな見出しで報道されることが多いのです。
こうした死亡はおひとりさま(ひとり暮らし)に多いのですが、独り暮らしの悲惨さをクローズアップするための報道に違いありません
。それ故に読者に関心を持たれるのでメディアは報道するのです。
・身元保証が受けにくい
いま問題になっていることのひとつにおひとりさま、つまり一人暮らしの高齢者が賃貸住宅を借りにくいことがあります。理由は身元保証人がいないことです。
おひとりさまが一人の生活に踏み切るのは、わずらわしさを避けるため、ということがあります。それ故に家族と疎遠になり、何かの時にものを頼みにくくなるのです。
身元保証人がいなくなるのもそれが大きな理由です。でもこの問題それほど大きくないのでは。というのも最近のおひとりさまは経済的に豊かな人が多く、自己所有の住宅を所有している人が多いからです。
いろいろある「おひとりさま」に関する本
おひとりさまの老後 上野千鶴子 (文春文庫)
担当編集者より
結婚していてもしていなくても、長生きすれば、最後はみんなひとりになる。社会学者で、自らもおひとりさまである著者が、数多くのケーススタディをふまえ、ひとりで安心して老い、心おきなく死ぬためのノウハウを、住まいやお金などの現実的な問題から心構えや覚悟にいたるまで考察。75万部のベストセラー。解説・角田光代 出典:文藝春秋
おひとりさま日和 (双葉文庫 )
「ひとりの生活」をテーマにした6名の女性作家によるオール書き下ろし競作集。物騒なので番犬のレンタルサービスを始めた女性。
一方で見守りペンダントを身につけ、頼りにする女性。遠距離恋愛をしながら山暮らしを愛おしむ草木染め作家。週末に一人で映画館に行く趣味にお仲間ができた教師。
郊外に戸建てを買ってすぐに夫に先立たれた妻。マンションの大家さんとの交流が人生の転機となる住人――笑わせられたり、ほっこりしたりしみじみしたり。
味わい違ってどれもが面白い。時々引っ張り出して読み返したくなること請け合いの本棚本。
出典:Amazon
おひとりさまで逝こう 日本尊厳死協会 (弓立社)
「パラサイト・シングル」「負け犬」「おひとりさま」――。ここ数年、あるいは十数年における社会現象やベストセラー書のキーワードから、「贅沢を楽しみ、家庭に束縛されない自由な生活」をめざす独身女性が増えてきたことがうかがえます。そもそも「家」というのは個人を束縛するものです。戦後日本が「家」制度を解体して核家族化を進めてきた背景には、それまでの封建的な家父長制から、いかに個人を解放するか、という課題があった。そういう世の中にあって、私たち一家は、ある時期より三世帯・三世代同居というライフスタイルをあえて選択しました。その模様を私は、平成15年に出版した『三家族11人で暮らしてみたら』(扶桑社)の中で描きました。「おひとりさま」のライフスタイルが様々に論じられ、また家族とは何かがあらためて問われる今日、何かの参考になればと思い、改題のうえ復刊いたしました。(金美齢・「新版へのまえがき」より抜粋
その他の本
・男おひとりさま道 上野千鶴子 (文春文庫)
・ひとりで老いる (SB新書)
・おひとりさまで幸せになる人、ならない人 (幻冬舎)
・おひとしまなの後始末 (小学館)
・おひとりさまのはじめまして (幻冬舎)
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