これが知られざる”治験”の内幕だ!
世の中には怪しい仕事とか危ない仕事と呼ばれるような、どことなく闇の匂いが漂う職業が存在していますが、治験という仕事もそのうちの一つではないでしょうか。
この本の著者は自称その道のプロであり、この治験だけで7年間に1000万円以上稼いだというツワモノなのです。
皆さんは治験がどのような仕事なのかご存知でしょうか。治験とは薬品メーカーが開発した新薬を発売するに当たって、その安全性や効果を試すためのテストなのです。
もちろんそうしたテストは、最初はマウスなどの動物を使って行われますが、それである程度安全性が確認されると、次は実際にヒトを使って試すことになるなのです。
そのためには対象になる人が必要になります。でもそうした対象者の募集は一般の仕事のような募集方法はとられてはおらず、関係者間の口コミや、ネットなどによる特殊な方法によって極めて密かに行われています。
それ故にいまだに人々にはその内情が知られていないのです。
とは言え、治験は厚生労働省が認めた正当な医療行為であり、”闇の仕事”と断定することはできません。
ただし仕事の内容が、いわば人体実験的なことであるだけに、事情をよく知らない人々の間では、その危険性ばかりが強調され。大げさに伝えられてきたのです。
そのせいで一部ではいまだに治験のことを”怪しくて危ない仕事”として捉えている人たちがいるのも確かです。
それにこれまで治験について詳しく解説するような書物がほとんど無く、その内幕があまり語られてこなかったのも、怪しい目で見られた原因ではないでしょうか。
この本では7年の間に365日間も治験で入院したという筆者が、治験のすべてについて赤裸々に語っています。
その内容の一部をここでご紹介するとすれば、治験で受ける検査には、別にたいした苦痛がないにもかかわらず、<日当が2万円もあること>、<食事が一般的な病院食とは違い、非常に豪華であること>、<娯楽室があり退屈しないこと>、などのメリットを挙げることができます。
こうした中で、最大のメリットはなんといても報酬であり、期間が3週間ぐらいの治験だと、報酬の総額が50万円以上になるというのです。
その上衣食住がタダ(期間中は病院から一歩も出ないので衣は元々要らない)であり、これほどいい商売は他にないと、筆者は強調しています。
それ故に筆者に限らず、1度経験した者は病みつきになってしまい、治験から足が抜けられなくなってしまって、いつの間にかこの道のプロと呼ばれるようになっていく人も少なくないと、筆者は語っています。、
筆者は就職した会社(一部上場企業)をすぐ辞めてしまったとは言え、一流大学出身のかなりのインテリです。
しかも兄が医者であるといいますから、どちらかと言えば上流家庭に育った身であり、それ故に両親は治験の仕事から早く身を引いて欲しいと、著者に懇願しているという話です。
とにかく、滅多にお目にかからないようなユニークな本ですから、変わった本が読みたい方には是非おすすめしたい一冊です。
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書 名 「職業治験・治験で1000万円稼いだ男の病的な日々」
著 者 八雲 星次
出版社 幻冬舎
価 格 1200円+税
発行日 2013年9月10日
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