ため口はフレンドリーで親しみやすい
最近のテレビで若い女性のため口言葉によるCMに時々出会います。
ため口はどちらかと言えば礼儀にかなわない言葉づかいです。でもこれがなかなかフレンドリーで親しみやすく感じるのはなぜなのでしょう。
ため口とはいったいどんな言葉づかいを言うのでしょうか。今日はこれについて少し考えてみたいと思います。
そもそもため口とはどのような意味なのでしょうか。まずそれから探っていくことにします。
ため口について、Weblio辞書と日本語俗語辞書には、それぞれ次のように説明されています。
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タメ口
「タメ口でしゃべる」「タメ口でいいよ」などと使われる。
(Weblio辞書)
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ため口とは?
タメ口とは「対等」「同じ」を意味する俗語『タメ』に『口(口ぶり)』をつけたもので、対等な言葉使い、つまり友達口調を意味する。
『タメ』は元々賭博用語だが、これが不良少年に広まる過程でタメ口という言葉は生まれた。
こうして当初は不良少年が好んで使ったが、1970年代末のツッパリ・ブームで若者全体に広まる。
タメ口は後輩など目下の者に「タメ口でいいよ」といった好意的なものから「なれなれしい言葉使い」という意を含み「タメ口きいて(使って)んじゃねえぞ」と敵意を表すものまで様々なシーンで使われる。
(日本語俗語辞書)
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ため口はマナー違反! でも親しみやすい
上の二つの辞書の説明でもわかるように、ため口言葉は、です、ます、などの丁寧な表現を使いません。
話す対象が目上や年長の人でも、一向に気にすることなく、同僚や友人のような砕けた口調でな成します。
礼儀に反すると言えば、そうかもしれませんが、反面、なんとも言えない親しみやすさがあります。(親子の会話のような)
女性タレントのため口のCMは男性を惹きつける
上でも書きましたがテレビCMの若い女性タレントのため口による語り口は男性にとってフレンドリーで親しみやすく感じます。
たとえば最近よく流されているヤクルトのCMがあります。
タレントの名前は川口春奈さんと言います。このCMで、彼女が最後に発する「飲む?」という言葉のインパクトは実にすごいものがあります。
何がインパクトかと言えば、その表情と言葉のかわいさです。美しさの中にもあどけなさを残している表情と「飲む?」というため口言葉が見事にマッチしているのです。
いうまでもなく、このCMの成功はフレンドリーなため口言葉を使ったことにあります。
CMのため口言葉の成功例をもう一つ上げましょう。それは日本テレビの「いってQ」に出川とコンビで出ている河北麻友子です。
出川と会話をするときの彼女のため口はまさに一級品と言えます。
年長で年上の出川に対して、何ら敬語を使わないばかりか、「バカねーそんなのだめよ」とか「はやくしなさいよ」など、言いたい放題です。
でもそう言われる出川は一向に気にする様子もなく、喜んで彼女に対応しています。
また視聴者にはこのやり取りは、この上なく小気味よく感じます。
これもため口の効用に違いありません。
ため口の効果を実際に体験したことがある
以前いた職場に客との電話でため口で喋る社員がいました。まだ20代の若い女性です。
電話の相手は大事な客なのに!、いつも馴れ馴れしいため口で話すのです。
上司であった私は、注意する立場にあったのですが、その女性すこぶる客受けが良いのです。これが男性だったら苦情の一つもあっても不思議でないのに、彼女には苦情どころか、誕生日にはプレゼントを贈ってくるほどなのです。
これでは注意などできるはずはありません。会社の業績のためにも私は黙って静観することにしましたが、、何のトラブルもないどころか、彼女の営業成績は抜群でした。
ため口を心理学的に考えると
ため口を使う人は、それによって相手との距離を縮めようとしているのです。
つまり敬語を使えば堅苦しくなり親しみがわかないと考え、あえて礼儀を無視するのです。
それによってフレンドリーな雰囲気を作り上げ、良好なコミュニケーションを図ろうとするのです。
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