2020年11月1日日曜日

ボキャブラリーが豊富な今どきの子供たち



コロナで大幅に遅れた小学校の始業式がテレビで中継されたとき、アナウンサーが生徒にインタビューをしていました。

確か6年生のクラスでした。

近頃の6年生といえば、驚かされるのはその体格の立派さです。1メートル60センチを超える生徒はざらで、中には170を超える生徒だっているではないですか。

しかし驚くのは体格だけではありません。インタビューに応える子どもたちのボキャブラリーの多彩さです。

 

小学生が「モチベーションがあがって」と言っている

驚かされたのはインタビューの小学生の口から出たモチベーションが上がってという言葉です。

モチベーションという言葉は今どきの大人なら誰だって使いますが、小学生の子供が使うとなると話は別です。

少なくても「子どもは幼稚」という概念が抜けない大人としては、当然のごとく子どものボキャブラリーは少なくて貧弱だと考えています。

そんな風に思っている子供が、いきなり「モチベーションが上がって」などと言うと、驚くのは当然ではないでしょうか。

つまり「モチベーションが上がってなんて、いったいどこで覚えたの?」と思って当惑するのです。

その生徒はモチベーションを使ってこんなふうに言っていました。

「コロナの長期休暇のせいで学校の授業が詰まってきたが、その分効果的な学習ができるので、モチベーションが上がって勉強に熱が入ります」

この通りモチベーションという言葉の用法も間違っておらず理路整然としたフレーズでまとめているではないですか。

 

影響を受けたのはユーチューブだろうか?

しかしこの小学生は一体どこで「モチベーションが上がる」という言葉を覚えたのでしょうか。

言葉に最も影響を与えるのは読書です。でもこのところ子どもの読書時間が増えた、とという声は聴きません。ということは本を読んで覚えたのではなさそうです。

ではテレビの影響か、と考えるのですが、最近では大人も子供もテレビ離れが進んでいるようですから、こちらの方も違うと考えたほうが妥当です。

では一体何の影響なのか、とさらに考えて思いついたのがネットのユーチューブです。

なにしろ小学生が将来なりたい職業のトップを占めているのがユーチューバーです。それゆえネットでユーチュブのサイトを見る小学生はすごく多いはずです。

ということは、ユーチューブは今小学生が最も影響を受けやすい媒体であるのかもしれません。

モチベーションが上がるなどという言葉はいかにもユーチューバーがよく使いそうな言葉です。

子どもたちはネットでユーチューバーのトークを聴いているうちに自然にモチベーションという言葉の使い方を覚えたのに違いありません。  


子どものボキャブラリーが豊富になったことは歓迎すべきこと

「モチベーションが上がる」に限らず、子どもが大人びたことをいうと、聴いた大人は「なにをこまっしゃくれた事をいうか」などと、えてしてあまり良い顔をせず苦言を呈するのが普通です。

つまり「生意気いうな」と思うのです。

とはいえ子どもの成長は嬉しいことです。ことに言葉の成長は将来大いに役立ちます。

言うまでもなく社会に出て大切なのはコミュニケーション力です。中でもすビーチの力は最も大切です。

スピーチで大切なのは相手を納得させるための力、つまり説得力です。その説得力をつけるのがボキャブラリーなのです。

人は使い古された陳腐な言葉づかいによるスピーチには魅力を感じません。新鮮で豊富なボキャブラリーによるスピーチにこそ惹きつけられて納得するのです。

そうした力をつけるために子どものボキャブラリーの進歩は喜ばしいことなのです。 

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(関連記事)

 

201611のブログから

いまどきの小学生 スピーチ力が驚くほど進歩している

今どきの小学生はこんなことを言っている


 

1)(場所・兵庫県)


小学校の終業式の日に、校庭でアナウンサーが5年生ぐらいの生徒3人に冬休みの楽しみについてインタビューしていました。

 

(生徒A男)「お父さんの田舎へ行って、おじいちゃんと田んぼで凧揚げすることです」

 

(生徒B女)「家族でスキーへ行くことです」

 

(生徒C男)「みかんを食べながら、コタツに入ってゆっくりすることです」

 

言うまでもなく、驚かされたのはCの子です。いったいこれが小学生の言うことかと、内容だけでもびっくりさせられたのに、少しも悪ぶれることなく、シャーシャーと言ってのけたので、二重に驚ろかされ言葉を失うほどでした。


 

2)(場所・滋賀県)


プロ野球選手が参加した子供野球教室で、アナウンサーが参加した5年生ぐらいの小学生にプロ野球選手の印象について聞いていました。

 

(男児のこたえ) 「威圧的でオーラ的なのには、さすがプロだと思いました」

 

 

長いコメントではありませんが、ニコニコしながら堂々と、こう答えたのです。

それにしても小学生にして、表現が適当かどうかは別にしても、威圧的とかオーラ的という言葉がよくとっさに出てくるものだと、いたく感心しました。


 

今回は女の子の発言はとりあげていませんが、1年間を通じてだと感心することはたびたびありました。

 

いずれにしても、日本の将来を考えれば、小学生の表現力が豊かになったことは、非常に喜ばしいことです。


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