はたしてどちら? 相反する2つの報道記事から真実を探る
コロナ禍ははたして日本人を金持ちにしたのか、それとも貧乏に? はっきり言ってこの疑問に答えられる人がどれくらいいるだろうか。
それもそうだろう。このところのメディアの報道を見ていると、金持ち説、貧乏説、それぞれに加担する記事が全体的に見て五分五分ぐらいになっているからだ。
つまり50%は金持ち説、残り50%は貧乏説という立場をとっているのだ。
これだとメディアに意識を形成されやすい多くの人たちは「どちらが本当なの?」と、迷ってしまうのだ。
金持ち、それとも貧乏 どちらが本当なのか?
例えば下に上げた記事を見ても、《記事1》では、日本人の金融資産がが過去最高の1946兆円になったとしている。
1846兆円、これはすごい。さっと計算しても赤ちゃんも含めて国民1人あたり1500万円以上になる。
額はともかく、過去最高ということはコロナ禍以前より豊かになったのは明らかだから、金持ちになったとはっきり言えるのだ。
ところがどうだ。《記事2》に目を移してみると、コロナ禍で収入が減少したために国の特例貸付で1兆円が融資された。とある。これもまたこの種の融資では過去最高なのではないだろうか。
でも単純に考えただけでもおかしいではないか。家計の金融資産が過去最高になり、豊かになったはずなのに、なぜ生活のための1兆円もの巨額の借金が増えなければいけないのだろうか。
「まったく訳がわからない」と頭を抱えるのは私だけではないだろう。
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《記事1》 家計の金融資産、3月末は1946兆円で過去最高 現預金増や株高で
2021年6月25日(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
6月25日、日銀が発表した1─3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で1946兆円となり、前年に比べて7.1%増加した。
(ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日に発表した1─3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で1946兆円となり、前年に比べて7.1%増加した。現預金の増加や株価の値上がりが押し上げ要因となり、過去最高を更新した。
家計の金融資産のうち、「現金・預金」は前年比5.5%増の1056兆円。このうち、預金は956兆円で過去最高。新型コロナウイルスの感染拡大で外出や消費が手控えられ、増加傾向が続いている。「株式等」は32.1%増の195兆円、「投資信託」は33.9%増の84兆円。投信の残高は過去最高となった。
家計の金融資産残高は昨年12月末に比べて13兆円の増加にとどまった。日銀の担当者によると、12月がボーナス支給月のため、例年12月から翌年3月にかけて金融資産が減少する傾向にあるほか、日本の家計は株式保有比率が低く、株高でも金融資産の押し上げが限定的だった。
企業の金融資産も14.2%増の1247兆円で過去最高を更新。「現金・預金」が15.7%増の320兆円で過去最高となったほか、「株式等」は30.8%増の379兆円。
日銀の国債保有は542兆円で、過去最高となった昨年12月末よりも減った。残高に占める比率は44.5%で12月末の44.7%から低下した。一方、預金取扱機関の保有比率が14.2%から14.5%に上昇。コロナ対応特別オペの担保需要が旺盛だった。海外の保有額は160兆円で残高に占める比率は13.2%。
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《記事2》 特例貸し付け、1兆円突破 コロナで減収世帯に生活資金―厚労省
2021年06月25日2 JIJI Com.
新型コロナウイルスの影響で休業や失業した人を対象に一時的な生活資金を支援する特例貸し付けの支給決定額が計1兆円を超えたことが25日、厚生労働省のまとめ(速報値)で分かった。商業施設の休業や営業時間短縮、住民の外出自粛などにより経済情勢が厳しくなっていることが要因とみられる。
厚労省のまとめ(19日時点)によると、昨年3月からの累計支給決定件数は236万8227件、累計支給決定額は1兆130億5700万円となった。
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