京都アニメーションや大阪北新地クリニック事件などと同列にしていいだろうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方的な安倍氏への恨み、「無敵の人」はなぜ生まれた
産経新聞 7/13(水) 19:08配信
演説中の安倍晋三元首相(67)が銃撃され
て死亡した衝撃的な事件は、宗教団体をめぐ
り容疑者が抱えていた苦悩が、安倍氏への
「一方的な恨み」へと発展した可能性が浮
上している。容疑者の供述や犯行形態から専
門家が推測するのは「他責的傾向の強まり」
と「怒りの置き換え」だ。
過度な思い込みやゆがんだ意識は、なぜ生ま
れるのか。
「母親が旧統一教会(世界平和統一家庭連
合)に入信し、多額の寄付をして生活が困窮
した」 捜査関係者によると、
山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=
は、こうした理由から家庭連合への恨みを募
らせていた。ただ当初の狙いは家庭連合のト
ップ。目的を達成するため、爆弾の製造
を始めたと説明する。 精神科医の片田珠美
氏は、山上容疑者の供述から、失敗の原因や
責任を自分以外に求める「他責的な傾向」の
強まりを読み取る。「『家庭連合のせいで大
変な目に遭ったのだから、復讐(ふくしゅう)
しても許されるはず』。その願望を正当化し
ていったのだろう」(片田氏)
片田氏は暗転していった人生が、容疑者の
ねじ曲がった「特権意識」に拍車をかけたと
も分析する。
家庭連合により多くの不利益を被った分、
「例外を要求しても許される」
との考えだ。 捜査関係者によると、山上容
疑者は家庭連合ではなく、安倍氏を狙った理
由についても説明している。
安倍氏は昨年9月、家庭連合の友好団体のイ
ベントにメッセージを寄せており、「(家庭連
合と安倍氏が)つながりがあると考えた」
(山上容疑者)。片田氏はここで「怒りの置
き換え」が生じたとみている。怒りや恨みを
ぶつけたい対象に接近できない、恐怖から実
行できないといった場合、矛先を方向転換し
て別の対象を攻撃するプロセスだ。 11
日に記者会見した家庭連合の田中富広会長は
「自分たちへの恨みから元首相の殺害に至る
というのは、大きな距離があって困惑してい
る」と述べたが、片田氏は「関係がある
と思い込んだ安倍氏を襲うのは一方的な恨み
といっても過言ではない」と分析する。
■「失われた30年」がトリガ
ーか 不可解とも思える恨みが事件につなが
るケースは過去にもある。 令和元年7月に
京都アニメーションのスタジオ
が放火され36人が死亡した事件。殺人など
の罪で起訴された青葉真司被告(44)は動
機について、京アニの作品を挙げながら「京
アニに小説を盗まれた」と一貫して供述して
いる。ただ京アニ側は盗作の事実はないと主
張しており、一方的に恨みを募らせていた可
能性がある。 昨年12月に26人が犠牲に
なった大阪市北区のクリニック放火殺
人事件も同様だ。谷本盛雄容疑者=当時(6
1)=は事件後に死亡したが、大阪府警は事
件関係者らへの聴取などを踏まえ、動機を推
定。孤独や貧困を背景に自殺願望を抱い
た容疑者が、職場復帰を前向きに目指す患者
らに劣等感や嫉妬などの「負の感情」を一方
的に抱いたと指摘した。 社会的に失うもの
がなく、躊躇(ちゅうちょ)なく凶悪犯罪に及
ぶ人間は「無敵の人」とも揶揄(やゆ)され
る。逮捕も刑罰も抑止力にならず、抜本的な
対策は難しい。事件後、逃走や抵抗すること
なく、取り押さえられた山上容疑者もまた、
その典型といえる。 片田氏はこうした犯罪
の背景の一つ
に、長引く日本経済の停滞があるとみてい
る。「ここ30年賃金が上がらず、経済的な
不満を抱く人が増えている」という。 正規
と非正規社員の賃金格差是正や転職、復職支
援の充実など、考えられる対策はある。片田
氏は「SOSの声をくみ上げられる社会を作
ることが大切なのではないか」と話している。(小川原咲)
出典:産経新聞