2022年7月19日火曜日

身の回りの何でもないことをテーマにエッセイを書くということ

 エッセイが好きでよく読みますそれに自分でも書いてブログに載せていますでもいつも書いているとテーマ探しに苦労します

そこで考えるのは自分の身の回りにころがっているような何でもないことがエッセイのテーマにならないかということです

それだといくらでもありますから探すのに苦労することはないはずです。

とはいえ心配がありますそれは何でもないことだと読む人の共感を得ることは難しいのではないだろうかと思うからです

人は珍しいことや変わったことを好みますですから平凡などこにでもあることには興味がないのです

ではどうするかそれはどこにでもある平凡なものを面白く興味深く書く技術をつけることではないでしょうか


優れた作家はどんなテーマでも良いエッセイを書く

作家・渡辺淳一の作品は小説よりエッセイをよく読んでいます

ベストセラー小説をいくつも出しているこの方のことですから小説の技能が優れているのは言うまでもありませんが個人的には小説以上にエッセイを書く技術が秀でているように思っています

もちろんこの方に限らず作家と呼ばれる人なら誰でも優れたエッセイ作品のいくつかは書けるでしょう

しかしそれはあくまでテーマを選んでのことでどんなことでもテーマにして書くことができるということではありません

ところが渡辺淳一はそうではなく自分の身の回りの何でもないことをテーマに数多くのエッセイを書いているのです

そのテーマとは例えばノート鉛筆消しゴムというようなものです

こうした何でもないようなテーマを読者が興味深く読めるように工夫を凝らして書いているのです

一般的にエッセイとは作者が経験した変わった出来事とか思い入れの強いエピソードなどについて書くことが多いようですそれゆえに読者の興味を誘うことができるのだと思います

ところが身の周りにある何でもないことだと作者の思い入れが特にないだけにそれを読者に興味深く読ますには一にも二にも書き手の技量が必要になります

渡辺淳一にはその技量があるのですだからこそノート鉛筆消しゴムといったようなシンプルで何でもないようなものをテーマにした作品にもかかわらず読者は興味深く読むことができるのです

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