エッセイが好きでよく読みます。それに自分でも書いてブログに載せています。でもいつも書いているとテーマ探しに苦労します。
そこで考えるのは自分の身の回りにころがっているような何でもないことがエッセイのテーマにならないか、ということです。
それだといくらでもありますから探すのに苦労することはないはずです。
とはいえ心配があります。それは何でもないことだと、読む人の共感を得ることは難しいのではないだろうか。と思うからです。
人は珍しいことや変わったことを好みます。ですから平凡などこにでもあることには興味がないのです。
ではどうするか。それはどこにでもある平凡なものを,面白く、興味深く書く技術をつけることではないでしょうか。
優れた作家はどんなテーマでも良いエッセイを書く
作家・渡辺淳一の作品は小説よりエッセイをよく読んでいます。ベストセラー小説をいくつも出しているこの方のことですから小説の技能が優れているのは言うまでもありませんが個人的には、小説以上にエッセイを書く技術が秀でているように思っています。
もちろんこの方に限らず作家と呼ばれる人なら誰でも優れたエッセイ作品のいくつかは書けるでしょう。
しかしそれはあくまでテーマを選んでのことで、どんなことでもテーマにして書くことができるということではありません。
ところが渡辺淳一はそうではなく、自分の身の回りの何でもないことをテーマに数多くのエッセイを書いているのです。
そのテーマとは、例えば、ノート、鉛筆、消しゴム、というようなものです。
こうした何でもないようなテーマを読者が興味深く読めるように工夫を凝らして書いているのです。
一般的にエッセイとは作者が経験した変わった出来事とか、思い入れの強いエピソードなどについて書くことが多いようです。それゆえに読者の興味を誘うことができるのだと思います。
ところが身の周りにある何でもないことだと、作者の思い入れが特にないだけに、それを読者に興味深く読ますには、一にも二にも書き手の技量が必要になります。
渡辺淳一にはその技量があるのです。だからこそ、ノート、鉛筆、消しゴムといったようなシンプルで何でもないようなものをテーマにした作品にもかかわらず読者は興味深く読むことができるのです。
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