最近 松屋、吉野家 すき家という三つの牛丼チェーン店に行って思ったことがある。それは、いまや安いファストフードの代表のように人びとに思われている牛丼だが、この食べ物はひょっとしてどんなものにも勝るごちそうではないのか、ということだ。
なぜそう思うかといえば、第一に決して値段が安くはない牛肉がどんぶりに盛り上がるほどふんだんに使われていて、豪華に見える上に、いつ食べてもとてもおいしいからだ。
すき焼きや、ビフテキでもわかるように、そもそも日本人にとって肉料理は高級なカテゴリーに属するはずだ。それなのにこれほどふんだんに牛肉を使った牛丼がなぜ安いファストフードとして扱われるのだろうか。
言うまでもなく、その第一の理由は並盛400円という価格の安さにある。外国人はどうか知らないが、えてして私たち日本人は値段の高い食べ物は高級で、反対に安いものは低級だと考えるふしがあるのだ。
こんなごちそうを差し置いて、他のメニューを注文する人のなんと多いことか
人々が牛丼のことを安物のファストフードと思っていると考えるのには大きな理由がある。
それは昼食時に入った牛丼店では、他のメニューばかり頼んで看板メニューであるはずの牛丼を注文する人が非常に少ないことがわかったからである。
例えばある日の昼食時まっただ中に行った時には、中央のカウンター席に十人ほどの客がいた。
それほど広くないカウンターだから、周りの席の人の注文の様子はよくわかった。
皆何を注文しているのだろうか、と関心があったので観察してみると、なんと十人ぐらいのうち牛丼を頼んでいたのはわずか2人だけで、あとはすべて他のメニューを頼んでいたのだがのだが
注目すべきは品物の値段で、出るときほとんどの人が1200円とか1400円とかの1000円をはるかに超す金額を支払っていたのだ。
これは驚きではないか。なぜなら、この店が安くて早いを売り物にする牛丼専門店だからである。
素朴な疑問だが、この店に来てまで、なぜ人びとは安くておいしい牛丼を注文せず、倍以上の値段の他のメニューを選ぶのだろうか。
まことの不思議なことである。
吉野家、すきや、松屋 牛丼チェーン3店の比較
はやい、安い、うまい、は3店とも変わらなかった
今回は牛丼店を代表する3つのチェーン店を回って気づいたことを書いたが、最後にこの3点のサービスの違いや、、最近の規模や業績などを見てみよう。
まず牛丼チェーンのモットーともいえる はやい、安い、うまい、という特徴だが、これについては、どの店もきっちり守っており、3チェーンとも変わりはなかった。
3店が異なっている点といえば注文方法ぐらいだろうか、これについてはすきやが席にあるデジタル端末。松屋は入り国の券売型注文機、吉野家はカウンターでの口頭注文であるが、
モットーのはやいの通り、注文から品物が出来上がる時間ははどこもスピーディでほとんど差はなかった。
安い、うまい、に関しても、価格は3店とも並盛400円で同じ(ただし松屋だけ味噌汁つき)味は甲乙つけがたいほどどの店もうまかった。
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