2023年7月21日金曜日

大相撲解説の親方が語っていたことが信じ難い

 



とある場所が始まったばかりの初日の日に

トイレで会った力士全員が「早く終わってほしい」と言っていた

これは4日前の7月17日大相撲名古屋場所NHK大相撲中継放送でのことだ。この日の担当は厚井アナと解説が舞の海と錣山(しころやま)親方だが、冒頭のタイトルのような問題と思われる発言をしたのは錣山親方である。

その発言とはこうである。

大相撲とある場所が始まったばかりの初日の日、錣山親方はトイレで用足しをしてたのだが、横には力士数人が並んでいた。そのとき親方の耳に横で話す力士たちの声が入ってきたのだ。

内容は意外にも「この場所が早く終わってほしい」というものだった。

それも一人だけの声でなく、並んでいた数人の全員が、「そうだ、そうだ」というふうに同調していたのが聞こえた、というのだ。

要するに中にいた全員が口を揃えるようにそう言っていたというのだ。

これを聞いた時は耳を疑った。なにしろ始まったばかりの初日のことだからである。

初日といえば、「今場所はどんな力士が活躍して、誰が優勝するのだろうか」と期待に胸膨らますのはファンだけでなく、当事者である力士も同じであるに違いない。

だというのにトイレにいた数名の力士全員が「はやく終わってほしい」と言っていたというのだ。

これが誰か風変りな一般の人が言ったのなら別だが、この話をしたのがNHK大相撲中継で、相撲界で重要な地位にある部屋の親方なのだから聞いた人が驚かないはずはない。

そうした立場にある人が、相撲に関すること、いい加減なことを言うはずがないと思うからだ。


期待で胸いっぱいの初日に「はやく終わってほしい」などと言う力士がいるのだろうか

しかしどう聞いてもこの話はおかしい。これが中日を過ぎていて、力士が少なからずの疲れを感じる頃の話だと、まんざらわからないこともないが、中日どころか、始まったばかりの初日のことだというから、驚きが大きいのだ。

大相撲はプロ野球やサッカーと並ぶ人気抜群のスポーツでファンも多い。それだけに当事者の力士たちはやりがいを感じて張り切って場所を迎えているはずである。

要するに力士の多くはファンに期待に応えようと張り切っているのだ。

そんな力士たちが始まったばかりの初日のトイレで何人もそろって「早く終わってほしい」などというはずがない。

ではこれは作り話だろうか。作り話でないとしても、事実を大きく脚色した話なのだろうか。

たとえば、一人の力士が、不安から「ああ今場所の成績が心配だなあ、できるだけ早く千秋楽がきてくれるといいのだが」というふうにでも言っていたのを、大きく盛って作り話にしたのではないだろうか。


近くで聞いていた舞の海と厚井アナの反応がなかったのが悲しい

この話で残念に思ったことはもう一つある。それはそばでこれを聞いていた解説者の舞の海や厚井アナが少しも反応しなかったことである。


二人が普通の神経の持ち主なら、おそらくこの話に違和感を感じたに違いない。そうなのだったら、何等かの反論めいた発言をしてほしかった。


しかし、二人とも無反応で何も発しなかったのだ。おそらく錣山親方に忖度してのことだと思うが、これは実に悲しいことである。


たとえ発言者に対する配慮があったとしても、例えば「それ本当ですか。ちょっと信じがたい話ですねえ」という程度の言葉が欲しかった。


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