2024年6月23日日曜日

新「おひとりさま」考 ・ シリーズ1~4 (その1)



(その1)

あなたは「おひとりさま」の意味をどのように捉えていますか?

超高齢化社会に突入した今の日本では人々の暮らしのパターンが多様になっていますが、そうした中でこのところ急速に数を増しているのが「おひとりさま」という生活パターンですが、見逃せないのは、数が増えるにしたがって大きな社会問題になりつつある点です。


さて、あなたは「おひとりさまとは?」と問われたら、いったいどのように答えるでしょうか。


これに対して、たいていの人は「独り暮らしをしている人たちのこと」と回答するのではないでしょうか。まさに読んで字のごとしで、もちろんこれも間違いではありません。


でも多くの正解のうちの一つでしかありません。そうなのです。いまや「おひとりさま」の意味はどんどん広がって多様になっているからです。


AIの「おひとりさま」定義が面白い

googleで「おひとりさま」を検索してみると、回答は「AI Overview」として、AIによる次のような回答がありました。(注)Overviewとは概要の意味。


 

AIによる「おひとりさま」の定義


「おひとりさま」とは、一般的に配偶者がいない単身者を指す言葉としてよく用いられていますが、純粋な単身者以外にもさまざまな意味で用いられています。

飲食店などで一人客をさしていうことから始まり、近年では次のような意味でも用いられています。


•  遊園地などグループ利用の多い施設を、一人で利用して楽しむ人


•  精神的に自立しており、一人で行動できる人


•  未婚または配偶者との別離により、一人で生活している人


•  婚期を逃した女性を指す言い方


•  離婚をした後に配偶者のいない人生を歩まれている方

•  ご主人や奥様に先立たれ、一人で人生を過ごされている女性や男性


「おひとりさま」の類義語には、次のようなものがあります。


一人きり、孤独、単独、単独行動、ただ一人、 唯一人。


   出典:AI Overview (google)

 

どうですか「お一人さま」にこれほど広い意味があることに驚きませんか。

AIがこれだけ答えられることに、いたく感心してしまいますが、果たして人間だと同様の答えが返ってくるかどうか、いささか疑問がわきます。

そこでAIに対抗する意味で、この回答のテーマごとに解説を加えてみました。

 

AIがあげる「おひとりさま」の定義をテーマ別に考えてみた

AIはおひとりさまの定義を拡大して、対象を多くの単身者に向けていますが、ここではそのテーマについて、一つ一つ解説していきます。


  精神的に自立しており、一人で行動できる人

おひとりさまとして生活を維持するためには経済的な自立はもちろんですが、それ以上に精神的に自立していなけらばなりません。そうでなければ、誰に相談することなく、ひとりできちんと行動できて健全な生活を続けることは困難です。

 

•  未婚または配偶者との別離により、一人で生活している人

未婚や離婚が増えている昨今ですが、当面はおひとりさまでも、将来的にはこの状態から脱却する可能性がある場合を指します。


•  婚期を逃した女性を指す言い方

いわゆる未婚女性のことですが、この場合は若年の未婚者ではなく、生涯未婚の可能性が大きい女性を指します。

国立社会保障・人口問題研究所の統計によると、2020年時点での日本の女性の生涯未婚率は約18%で、過去最高を記録しています。また、2020年国勢調査では、50歳時の女性の生涯未婚率は17.8%で、男性の28.3%と約10%低い結果となっています.  google


•  離婚をした後に配偶者のいない人生を歩まれている方

文字通り離婚した後、再婚せず一人の生活を選択している人たちのことですが、この場合、離婚時の年齢が高齢であるほど「おひとりさま」になる確率は高くなります。

 

•  ご主人や奥様に先立たれ、一人で人生を過ごされている女性や男性

若年で配偶者を失い一人になった人たちは別にして、比較的高年齢で配偶者が死亡したため再婚の機会に恵まれず独身生活を続け、そのまま「おひとりさま」になる人たちが多くなっています。 


遊園地などグループ利用の多い施設を、一人で利用して楽しむ人

本来、家族やグル―プで訪れるのが多い場所に、あえて一人で来ているシーンを指すのですが、こうした人たちを「おひとりさま」と呼ぶこともあります。あえて侘しさや寂しさを強調するために、この言葉を使うのではないでしょうか。


(その2につづく)


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