図書館で酒井順子著「風を編む」という本を借りたのだが
これってホントにあの酒井順子の作品?
図書館のエッセイコーナー酒井順子の棚で見つけた「風を編む」という作品を借りた。
棚には20冊ぐらいの作品が並んでいたが、常々、酒井順子の作品はどれを選んでもはずれがない(どれを読んでもおもしろい)と思っていたので
なるべく新しいもの、という選択肢だけで、表紙がきれいなこの作品を選んだ。
と、ここまではいいのだが、借り終わってからふと「この本なにかおかしい」と感じたのだ。不思議に思ったのが次の点である。
・この本に限ってなぜエッセイ集となっているだろうか
言うまでもないが、酒井順子はエッセイストである。それゆえの30点以上ある作品はすべてエッセイ集である。
したがってあらためてタイトルにエッセイ集とうたう必要はないはずだ。でもこの本はタイトルが「エッセイ集・風を編む」となっている。この点がそもそもおかしいのではないか。
・酒井順子の本は大手出版社ばかりなのに、今回のは名前を聞いたことがない弱小出版社なのはなぜ
酒井順子は人気抜群の売れっ子作家である。したがって出版に当たるのは大手ばかりである。つまり、講談社、集英社、文藝春秋、カドカワ、中央公論新社など、誰でも知っているようなメジャーなところばかりである。
ところが、今回の「風を編む」という作品の出版社は「風媒社」という、これまで見たことも聞いたこともない出版社ではないか。
おかしいと思ってネット検索にかけてみると、この会社は愛知県にある規模が極めて小さい主に自費出版を手掛ける出版社であるのだ。
規模が小さいことはともかく、自費出版を手掛ける会社という点が気になった。
2点の疑問点から、ひょっとしてこの著者は酒井順子と同姓同名の人かも
・酒井順子の作品はエッセイばかりなのになぜこの作品に限ってエッセイ集となっている。
・人気作家故に出版社は大手に限られてきたのに、この作品は名前も聞いたことがないような弱小出版社から出ている。
これら2点から考えて、ひょっとしてこの作品は酒井順子と同姓同名の人が書いた作品ではないだろうか。
同姓同名の人が書いたのならニセモノとは言えないが、出版社に本物の酒井順子の作品と思わせる意図はなかったのだろうか。
いや、なかったどころか、それはじゅうぶんあり得る。
著者は愛知県に住む「酒井順子」という編物講師だが、これは自費出版の本なのか
要するにこの本は愛知県に住む書くことを趣味とする編み物講師が、これまで書いてきたエッセイ作品を1冊にまとめ、地元の小さな出版社が自費出版として手掛け、有名なエッセイスト酒井順子と同姓同名であることから、あわよくば読者が勘違いして買ってくれることを期待して出版に踏み切ったのではないのだろうか。
酒井順子のコーナーに作品は混じっていたが、図書館も気づかなかったのか
それにしてもこの作品がエッセイスト酒井順子の作品と一緒に並べられていたことが不思議だ。これだと、図書館の係員も気がつかなかったことになる。
つまり係員は有名な酒井順子の作品と思って、彼女の作品の中にいれたのだ。
ということは、「あわよくば」という出版社の目論見にきっちりはまったのだ。
「風を編む 酒井順子」で検索したらこんな広告が
いろいろ気になることが多かったので、もう一度検索にかけてみると、今度はこの本を宣伝する広告が出てきたのだが、なんと驚くべきか、著者紹介が本物の酒井順子になっているではないか。
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NET OFF
風を編む /単行本書籍
作家:酒井順子
通常価格
990円(税込)
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プレミアム会員なら
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風を編む (単行本) の詳細
出版社
: 風媒社
ISBN
: 4833153881 (9784833153881)
発売年月日
: 2021年7月1日
風を編む (単行本) の著者情報
酒井順子
酒井順子は1966年生まれの日本のエッセイスト。東京都出身。立教大学社会学部観光学科卒業。
高校時代に、雑誌「オリーブ」にエッセイを寄稿。大学卒業後には客員研究員として一般企業に就職。3年後に退職後は、執筆業に専念。
2003年に発表した『負け犬の遠吠え』は結婚適齢期を過ぎた女性を自虐的に「負け犬」と定義したが、独身女性にエールを送っている内容が評価され、2004年度流行語大賞でトップテン入りした。
【主な受賞作品】
『負け犬の遠吠え』
2003年 第20回講談社エッセイ賞、第4回婦人公論文芸賞
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