世界に例を見ない、大学進学率80%という矛盾が招いた、韓国学生の超就職難
韓国は世界一の高学歴社会です。世界の先進主要国の大学進学率がずっと60%台で推移しているのに比べ、韓国だけが80%を越えるという抜群に高い進学率を続けています。
これは異常な数値であると言えるのではないでしょうか。どう考えても韓国だけに高等教育に適した資質の備わった人が80%もいるのとは思えません。
したがって必要のない人が無理して高等教育への道を選んでいると考えられます。
ということは、大学進学率80%というこの数値自体にいろんな矛盾が内包されていると考えるのが妥当なのではないでしょうか。
そうした矛盾によって生み出された大学卒業生だけに、スムーズに企業社会の取り込まれていかないのは当然の結果なのです。
なぜなら今の韓国に、新社会人の80%にも及ぶ大学卒業生を受け入れるための就職の受け皿は備わっていないからです。
要するに必要とされる社会構成員の中で、大学卒業生が多すぎて余っているのです。
そうした状況の中で、IT関連企業で世界のトップを走るサムスンだけが燦然と輝いているため、学生たちは必要以上にこの企業に目を向けてしまうのです。
これだけ高等教育への進学が多ければ、卒業生の就職の受け皿が追いつかないのは当然のことです。
そうした矛盾の結果、韓国大卒者の就職率が60%と、極めて低い数字になってしまうのです。
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大卒就職率60% 中には就職率10%の大学もある
[釜山 8日 ロイター] -「われわれなら、きっとできる」──。こんな掛け声を大声で唱えていたのは、韓国・釜山にある就職予備校の一室を埋めた70人。
彼らは、一生の仕事となる大企業サムスン・グループの職を勝ち取るため、日夜勉強に励む大学生たちだ。
家電から造船までさまざまなビジネスを手掛ける同国有数の企業グループ、サムスン。同グループへの就職は、恵まれた給与や福利厚生だけでなく、良い結婚相手を見つける鍵にもなる。
「チェボル」と呼ばれるサムスンや現代などのコングロマリット(複合企業)は定期採用を年2回行うが、例年この時期は採用試験のシーズンとなっている。
父親も釜山近郊のサムスンに勤めるというShin Seong-hwanさん(25)はこの日、午後8時の面接本番に備えて午前10時には現地に到着した。既に適性試験をクリアしたShinさんは、月末まで続く過酷な面接に臨む。
今回の採用試験で採用を手にするのは、10万人を超える応募者のうち5500人という狭き門だ。
「複合企業で職を得られれば、自分や親にとって名誉になる」と話すのは、政府の関連機関である韓国労働研究院のシニアリサーチャーHur Jai-joon氏。
しかし、全国経済人連合会によると、大手複合企業の社員は総労働人口のわずか6.8%で、ほとんどの人にとってはかなわぬ夢だと言える。
とはいえ、サムスンは昔からこうした厳しい試験を課してきたわけではない。元社員によると、30年前には顔相を読む占い師が面接に同席していたという。
しかし、就職先として最も人気のある企業となった今、サムスンを目指す学生らは就職予備校やテキスト、オンライン講義で対策を怠らない。サムスンの試験はその厳しいプロセスから、合格するのに何年もかかる公務員試験と比較されるほどだ。
工学系の大学院を卒業したHanNam-gyuさん(27)も、サムスンの就職対策のために予備校に通った1人。
こうしたシステムは、大学入学のための学生浪人のほかに、就職浪人という新たな層を生むという批判もあるが、Hanさんは予備校について「彼らはプロで、たくさんのことを学んでいる」と肯定する。
昨年に続き今年も試験に挑戦しているHanさんは、グループ企業のサムスンC&Tに応募。
「2次試験に合格した後、母は泣いて喜んでくれた」と話し、「自慢の息子になるためにもサムスンに入りたい」と述べた。
[釜山 8日 ロイター] 2013年11月10日
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