もちろん田部井淳子さんのことは知っていました。でも女性として世界で初めてエベレストに登った人というくらいで、どんな人なのか深くは知りませんでした。
田部井淳子さんは数少ない女性登山家ですが、どうやらこの人は並の登山家ではないようです。
1970年に初めて海外登山を経験して以来、2013年に至るまでの43年間に、海外の有名な山だけでも、実に200ヶ所以上登っているのです。
43年間で200と言えば、毎年4~5ヶ所づつ登ってきたことになるのです。これに国内の山を含めるといったいどれくらいの数になるのでしょうか。
この本は1章と2章に分かれています。1章は国内も含めて思い出深い山の登山記です。もちろんこの章もそれなりに興味深く読めるのですが、なんと言っても圧巻は第2章ではないでしょうか。
著者は73歳になってガンにかかり、医師から余命3ヶ月と宣告されました。しかし、それからが彼女のすごいところです。
突然ガンが発見され、余命が3ヶ月などと宣告されても、少しもたじろいだり、うろたえたりしなかったのです。ガンにかかった自分の現実を真正面から受け止め、医師を信じ、その治療に身をゆだねたのです。
でも静かに治療に身をゆだねただけではなく、苦しい闘病生活の合間を縫って、まるで時間を惜しむように登山を続けているのです。
これは並みの精神力でできることではありません。43年間の過酷ともいえる登山経験を通して培った不屈の精神があってのことに違いありません。
この本は読む人に大きな勇気を与えてくれるかけがえのない1冊だと思います。
これは並みの精神力でできることではありません。43年間の過酷ともいえる登山経験を通して培った不屈の精神があってのことに違いありません。
この本は読む人に大きな勇気を与えてくれるかけがえのない1冊だと思います。
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書名 「それでも私は山に登る」
著者 田部井淳子
出版社 文芸春秋
発行日 2013年9月30日
価格 1500円(税別)
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プロフィール
田部井淳子
日本トレッキング協会会長
1975年、女性として世界初、世界最高峰エベレスト(8848m)登頂に成功。
その後1992年には、女性世界初の7大陸最高峰登頂者に。
エベレスト登頂時にはネパール王国から最高勲章グルカ・ダクシン・バフ賞を受賞。
国内でも文部省スポーツ功労賞、内閣総理大臣賞、07年には環境大臣賞など、
数々の表彰を受け、歴史に残る世界的な女性登山家の一人。
その後1992年には、女性世界初の7大陸最高峰登頂者に。
エベレスト登頂時にはネパール王国から最高勲章グルカ・ダクシン・バフ賞を受賞。
国内でも文部省スポーツ功労賞、内閣総理大臣賞、07年には環境大臣賞など、
数々の表彰を受け、歴史に残る世界的な女性登山家の一人。
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